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「よく原作者が許すな…」「あまりにガッカリ」“原作無視の展開”に苦言も…だけど「一気に寒気がした」背筋も凍る“圧倒的な仕掛け”

  • 2025.7.12

現実では目にすることのない過激なアクションシーン。どうやって撮影したんだろう?すごく痛そう!スタントを使っているのかな?など、考察しながら観るのも楽しみの一つですよね。今回は“衝撃的な戦闘シーンの映画”5選をセレクト。本記事では、第5弾として映画『グラスホッパー』をご紹介します。140万部突破のベストセラー小説を実写化した本作。制作者のこだわりとともに紐解いていきます。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

手に汗握るクライム・サスペンス映画『グラスホッパー』

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(C)SANKEI
  • 作品名:『グラスホッパー』(松竹・KADOKAWA)
  • 公開日:2015年11月7日

あらすじ

ハロウィンの夜、渋谷で暴走車にはねられ、婚約者・百合(波留)を失った教師の鈴木(生田斗真)。事故が意図的なものだったと知った鈴木は、復讐のため教職を離れ裏組織に潜入し。しかし、事故を企てた首謀者が、鈴木の目の前で何者かの手で殺されてしまう。事件の全貌を追求するにつれ、鈴木はその敵を殺したのもまた別の殺し屋だと知る。深みにはまるにつれ、鈴木は闇の組織に命を狙われることに……。その一方、自殺専門の殺し屋・鯨(浅野忠信)は、交通事故の真相を突き止めた新聞記者を自殺に追い込んだ。だがしかし、背景を知りすぎた鯨は、また別の殺し屋・蝉(山田涼介)に狙われてしまう。犯人を追う誰かが、また別の何者かに命を狙われ、命を狙う者をまた別の誰かが追い詰める…果たして生き残るのは一体誰なのでしょうか。

原作小説からの改変に原作ファンから賛否も?

原作小説『グラスホッパー』は伊坂幸太郎さんの著作です。多くのファンを持つ伊坂作品ということもあり、熱烈な原作ファンの中には、ストーリー展開や表現方法、登場人物やキャスティングに不満を持った方もいるようです。

「酷すぎる」「よく原作者が許すな…」「あまりにガッカリ」等、批判的な声も見受けられました。原作をもつ作品の実写化には、批判的な意見はつきものです。特に原作小説『グラスホッパー』は140万部のベストセラーとなるほどの人気小説であるため、賛否が出やすかったのかもしれません。

しかし、前情報なしで映画を観た方は「最後までドキドキして観れた」主要人物のキャスティングが良い」大絶賛!映画作品としての完成度の高さに高評価が集まっているようです。また、原作を知る人の中にも、「映画だからこその良さがあった」と、映画には映画の、原作には原作のそれぞれの良さを楽しんでいる方も多くいらっしゃいました

女優・波瑠の存在に癒される視聴者も

映画『グラスホッパー』は、殺し屋たちが交錯する陰鬱で殺伐とした世界を描いた作品ですが、そんな荒んだ空気の中で、波瑠さんの存在がひときわ異彩を放っていました

波瑠さんが演じた百合子は、まるで荒野に咲く一輪の花のように、静かで温かな存在感を放っており、SNSでは「波瑠ちゃんのシーンは殺伐とした映画の中で癒しでした」「グラスホッパーの波瑠が可愛くて素敵な役だった〜」「波瑠さんが演じた百合子さんは唯一の癒やし」とその存在に称賛の声が相次いでいました。

細部に至るまで計算し、創り込まれた圧巻の世界観に注目!

『グラスホッパー』の映画化にあたり、視覚効果にはかなりこだわって作られたのだそうです。劇中登場するセットや美術について、MOVIE WALKER PRESSの記事内で紹介されています。

キーマンとなる裏社会への交渉人・岩西(村上淳)の事務所はスナックやキャバレーをイメージして制作されたそうです。岩西のイメージを伝えるため小物にも注力されていました。なんと、事務所内に置かれたレコードのジャケットまで、映画のために作られたもので、実際にモデルを立てて撮影までしたそうです。

監督の意向があり、物語の登場人物には意図してカラーリングがされていました。鯨は黒色、岩西が赤色、蝉が黄色という設定。そのカラーリングにも意味があり、トノサマバッタの変色になぞらえていたそうです。

また、衝撃的なはじまりを強く印象付ける“渋谷スクランブル交差点”。しかし、常に通行人が絶え間なく行き交う現地での撮影は不可能……そこでなんと、千葉のショッピングモールの跡地に実寸大のセットを組んでしまったのだそうです。地下鉄の入口や店舗の2階部分に至るまで詳細に組まれたセットは、その場に立っても本物の渋谷にしか見えない仕上がりだったそうです。映画で違和感を感じさせないよう、何度もスクランブル交差点に通い、音や光を計測したのだそうですよ。

ストーリーとは直接関係のないビジュアルイメージにも、徹底してこだわり抜かれた作品。激しいアクションや先の読めない展開を支える重要なエッセンスとなっています。

「一気に寒気がした」圧倒的な仕掛けとは?

劇中、ナイフ使いの殺し屋を演じた山田涼介さん。全場面ではないものの、実は一部で本物のナイフが使用されていたのだとか。本物のナイフと考えると、想像するだけでゾッとしてしまいますよね。

また、小物だけではなく、アクションにもこだわりが光ります。ナイフを使ったアクションを習得するため、講師のもとで何日も費やし練習に励んだのだとか。

「だからあそこまでの緊張感を感じたのか!」「本物だと聞いたら、一気に寒気がした」と、視聴者からも納得と称賛の声が挙がっていました。細部までこだわり抜かれている映画『グラスホッパー』、ぜひご覧になってみてください。


※記事は執筆時点の情報です