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「天才か?」「震えてる…」7年ぶり“伝説タッグ復活”に日本中が沸いた…「映画館で観たら絶対気絶」“異色の脚本”で魅せた名ドラマ

  • 2025.7.11

恋をしたい気持ちと、ひとりで生きる心地よさ。誰かに頼りたいのに、傷つくのが怖い。そんな“大人の孤独”と向き合いながらも、ひとりの女性が一歩を踏み出そうとする姿を描いた、映画『私をくいとめて』。頭の中に“相談役”のような存在を抱えて生きる主人公は、もしかしたら私たち自身の姿そのものかもしれません。

映画『私をくいとめて』がなぜ“異色のラブストーリー”と称されるのかを、視聴者の声や出演者の言葉を交えて読み解いていきます。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

映画『私をくいとめて』どんな作品?

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(C)SANKEI
  • 作品名:『私をくいとめて』(日活)
  • 公開日:2020年12月18日

あらすじ

映画『私をくいとめて』は、芥川賞作家・綿矢りささんによる同名小説を実写映画化した作品です。19歳で芥川賞を受賞したことでも話題になりました。綿矢りささん原作の映画『勝手にふるえてろ』でタッグを組んだ大九明子さんが監督・脚本を手掛けました。

主人公の黒田みつ子(のん)は、ひとり暮らし歴10年を超える31歳の独身女性。頭の中に「A」と呼ぶ脳内の相談役を住まわせ、会話しながら日々を過ごしています。生活に困ることなく、自分なりに楽しくやっていたはずのみつ子でしたが、会社の年下社員・多田くん(林遣都)に恋心を抱いたことで、その平穏は揺らぎ始め――。彼への想いをどう伝えるか、そもそも自分に恋愛が必要なのか…?

理性と本音のあいだで葛藤する彼女の姿を、ユーモラスかつリアルに描いた作品です。

“ひとりの幸せ”を支えるのは、いつでも味方でいてくれる「A」の存在

映画『私をくいとめて』は、ただの恋愛映画ではありません。自立しているからこそ悩む、"ひとりでも大丈夫"な人の心の機微を丁寧にすくい上げた物語です。

主人公・黒田みつ子は、一人で楽しく暮らす"おひとりさま"。もし他人との距離感や対応に迷ったときには、誰かに頼るのではなく、自分の頭の中に住みつく「A」に正しいアンサーを求めるのです。

脳内の「A」と会話する様子はややファンタジー要素もあるため、「共感できなかった」「脳内Aの存在を理解できん…」「結局何がしたいのかわからなかった」といった声も少なからず見受けられました。

一方でSNSでは「みつ子の気持ち、めっちゃわかる」「わたしにもAが欲しい」といった共感の声が続出。いつも自分の味方でいてくれて、正しい答えを導き出してくれるAIのような存在「A」が、現代社会で自立しながらも心の寂しさを抱える多くの視聴者に刺さったようです。

作中「A」の声を担当したのは中村倫也さん。その落ち着いたトーンと寄り添うような言葉に、癒された方も続出しました。

のんが体現する“自立系さびしがり”のリアル

本作で主人公・みつ子を演じたのは、女優・のんさん。久々の主演映画となった本作で、彼女は“面倒くさくて愛しい”大人の女性をナチュラルに演じ切りました。

のんさんが今作に出演を決めた経緯について、映画総合情報サイト・シネマトゥデイのインタビュー内で次のように語っています。

脚本が本当に面白かったんです。みつ子がAと話している場面は、ファンタジックではありますが、リアリティーもあって。言いたいセリフ、演じてみたいシーンがたくさんあって、何だかうれしくなって、脚本を読みながらニヤニヤしてしまいました。今は、おひとりさまって、一つの生き方として普通になってきていますよね。それを肯定できる作品だという点も惹かれた理由です。出展:『私をくいとめて』のん単独インタビュー(シネマトゥデイ)2020.12.14

SNSでも、「のんちゃんの演技が自然すぎて、自分のことを観てるみたいだった」「あのしゃべり方、絶妙にリアル」といった声が多く見られましたが、のんさん自身が映画『私をくいとめて』に共感したからこそ、視聴者の心を掴んだといえる作品です。

復活タッグに日本が熱狂!

本作では、なんとNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で一世を風靡したのんさんと橋本愛さんが7年ぶりの共演となりました。『あまちゃん』では東北の小さな町を舞台に、のんさん演じる天野アキと、橋本愛さん演じる足立ユイが夢を追いながらもすれ違い、時にぶつかり合いながら成長していく姿が多くの視聴者の共感を呼び、大きな話題となりました。

そんな二人が再びスクリーンでどのような化学反応を見せてくれるのか、本作においても大きな見どころの一つとなり、キャストが発表されるや否やSNSには「嬉しい!泣いてる!」「友だち役が橋本愛でめちゃくちゃびっくりしたし配役のエモさに震えてる…」と歓喜の声が。

本作を視聴した方からも「グッとくる」「胸熱でした」「まさかのあまちゃんコンビ復活は眼福」「キャスティングした人天才か?」と称賛が相次ぎました。

大九明子監督が描く、恋と孤独の絶妙な距離感

『勝手にふるえてろ』に続き、恋愛と自己意識の葛藤を描く大九明子監督の演出にも注目されていた、映画『私をくいとめて』。

コミカルな会話劇と、揺れ動く心の様子を絶妙なバランスで描いています。とくに印象的なのが、みつ子がひとりで鍋を囲むシーンや、ひとり旅に出かける描写。その“さみしくて幸せ”な空気感は、大九監督ならではの表現といえるでしょう。

SNSでも、「おひとりさま拗らせ主人公に色々と共感しちゃうんだな」「ひとり時間の描写がリアルすぎ」「のんちゃんが号泣する度に私も沢山泣いた」「映画館で観たら絶対気絶する」という声が挙がっていました。それは、映画というよりも、誰かの日常をちょっと覗き見しているような感覚ゆえに、深く感情移入してしまう脚本と、のんさんの演技力も相まって、自分自身と重ね合わせる方が多いからではないでしょうか。

自分の中にいる“もうひとりの自分”と向き合いながら、恋と孤独に揺れる女性の姿を描いた映画『私をくいとめて』。恋をすることも、ひとりでいることも、どちらも正解。そんな曖昧なままの幸せを肯定してくれるこの作品は、きっとあなたの背中をそっと押してくれるはずです。果たして、不器用なみつ子の恋はどんな結末を迎えるのでしょうか?本記事を読んで気になったという方は、ぜひご覧になってみてくださいね。


※記事は執筆時点の情報です