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「こんな映画知らなかった」「なんでもっと評価されなかったの」“異質の脚本”に視聴者衝撃…「とにかく観て」絶賛相次ぐ至高の一作

  • 2025.7.11

喜びや悲しみを分かち合い、時にはぶつかり合いながらも、かけがえのない絆で結ばれた家族の物語は、多くの人の心を惹きつけてやみません。今回は、そんな“家族愛”をテーマにした作品5選をセレクトしました。

本記事では第3弾として、2017年公開の映画『彼らが本気で編むときは、』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“家族愛”をテーマにした作品・映画『彼らが本気で編むときは、』

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『彼らが本気で編むときは、』
  • 公開日:2017年2月25日

あらすじ

11歳の少女・小川トモ(柿原りんか)は、奔放な母親・ヒロミ(ミムラ※)がまた男を追って家出してしまい、1人取り残されることに。途方に暮れたトモは、優しい叔父であるマキオ(桐谷健太)の家を訪れます。しかし、そこでトモを迎えたのは、マキオの美しい恋人・リンコ(生田斗真)。リンコは心も体も女性として生きるトランスジェンダーで、介護士として働く心優しい人でした。

リンコがふるまう美味しい手料理や、母親からは得られなかった温かい団らんに、トモは戸惑いを隠せません。しかし、怒りを感じた時に一心不乱に編み物をするリンコの姿や、惜しみない愛情に触れるうち、トモの心は少しずつ解きほぐされていきます。こうして、トモ、マキオ、リンコの3人による風変わりな共同生活が始まるのでした―。

※現在は「美村里江」という名義で活動中。

映画『彼らが本気で編むときは、』の見どころ ※ネタバレあり

映画『彼らが本気で編むときは、』は、LGBTQへの偏見や育児放棄といったシリアスなテーマを扱いながらも、映画『かもめ食堂』などで知られる、穏やかな日常や美味しい食事の描写を通じて、人と人との繋がりを丁寧に描くことに定評のある荻上直子監督らしい世界観は観る者を惹きつけました。

声高に社会問題を叫ぶのではなく、美味しい食事の風景や穏やかな日常会話の積み重ねを通して、多様な生き方を肯定するようなメッセージが自然と伝わってきます。「心温まる」「吐きそうなほど泣いた」「こんな映画知らなかった。出会えてよかった」「とにかく観て」といった絶賛の声とともに「なんでもっと評価されなかったの」「なんでこれに関してバズったツイートを見ないんだ?」など、世間の評価と作品のクオリティのギャップに疑問を感じる視聴者もいたようです。

母性を感じさせるほどの熱演

映画『彼らが本気で編むときは、』にて、主人公のリンコを演じた生田斗真さん。トランスジェンダーという難しい役柄ながら、持ち前の演技力の高さと美しいルックスで観た者を魅了するリンコを演じ切りました。そんなリンコを演じるにあたって、映画総合情報サイト・映画.comで公開されたインタビューにて次のような本音を明かしました。

お父さん役をやったことがないのに、まさか先にお母さん役をやるとは思わなかったって感じですね。(中略)そんなことはどうでもよくなっちゃうくらい、すごくいい脚本だったので絶対に関わりたい出典:彼らが本気で編むときは、 インタビュー: 生田斗真がたどりついた、新たなステージ(映画.com)2017年2月25日

ストーリーが進むごとに、リンコから母性を感じるシーンが増えていきます。生田さん自身が母性を理解し、吸収したことでリンコというキャラクターの解像度が上がり、物語により深みが出たのかもしれませんね。

まだ映画『彼らが本気で編むときは、』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、血の繋がりを超えて“本当の家族が生まれる瞬間”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です