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「すごい裏話だな…」撮影中に“病院送り”の緊急事態が勃発するも…「原作好きは絶対に観て」“異例の熱狂”を巻き起こした名映画

  • 2025.7.11

映画『クローズZERO』は不良高校・鈴蘭男子高校を舞台に、喧嘩で頂点を目指す高校生の抗争を描いた作品です。原作漫画『クローズ』の主人公・坊屋春道鈴蘭に転校する1年前の様子をオリジナルストーリーにしたものが映画化されました。

過激な喧嘩シーンの再現度に、絶賛の声が集まっている一方で、撮影の壮絶な裏話も…。

今回は“衝撃的な戦闘シーンの映画”5選をセレクトしました。本記事では、第4弾として映画『クローズZERO』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

不良学生が学園制覇を狙う抗争ストーリー

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『クローズZERO』(東宝)
  • 公開日:2007年10月27日

あらすじ

不良が集まる鈴蘭男子高校。常に派閥争いが起きており、いくつもの軍団が虎視眈々と学園制覇を狙っています。

そのなかでも最大勢力だった芹沢多摩雄(山田孝之)率いる「芹沢軍団」が校内を牛耳っていた頃、3年に新たに転入生が鈴蘭高校を訪れます。転入生の正体は、滝谷源治(小栗旬)。鈴蘭のトップを取るために来た彼の周囲には、次第に強力な仲間が続々と集まり始めます。そして源治は新軍団“GPS”を立ち上げ、校内の内部抗争は激化……。その一方で、最強の男と言われる“リンダマン”こと林田恵(深水元基)は、一匹オオカミを貫き、抗争にはまったく興味を示しません。

しかしある時、源治と親しい関係にあった逢沢ルカ(黒木メイサ)が何者かに拉致・監禁され、抗争が一気に加速……芹沢と源治が対決することになりました。果たして抗争の行方はーー

喧嘩とは疎遠だった主演俳優が、たった2週間の練習で喧嘩の達人に

映画『クローズZERO』は、不良軍団の喧嘩物語。それだけに激しい喧嘩のシーンが予想されますが、実はメインである芹沢役の山田孝之さんと、源治役の小栗旬さんは、喧嘩にまったく慣れていなかったそうです。

片桐拳役として共演しているやべきょうすけさんは、顔合わせの後、小栗さんと山田さんのアクション練習に一度付き合ったそうですが、その時の2人のアクションは、喧嘩とは程遠い貧弱さだったのだとか。当時の様子をHappinet のインタビューで次のように語っています。

正直、こりゃあダメだと思いました。蹴りは女の子蹴りだし(笑)。だから、すごく不安だったんだけど、いざ撮影が始まると凄いわけですよ、二人とも。2週間の練習でどうやったら、ここまで成長するんだろうっていうくらい。出典:映画『クローズZERO』 やべきょうすけ・高岡蒼甫インタビュー(Happinet) 

あの二人の喧嘩シーンに魅せられたファンも多いはず。それが最初は、女の子の蹴りレベルだったとは信じられません。さすが一流俳優と唸ってしまうエピソードですね。

鈴蘭と鳳仙のエキストラ同士が敵対…驚愕の撮影裏

映画『クローズZERO』には、数々の撮影秘話があります。公開から時が経過し、朝倉未来さんとの対談形式のYouTube『BLUEFIGHT』(2024年10月21日)内で出演者のやべさんと山田さんが裏話を語っています。

映画『クローズZERO』は、不良の喧嘩話ですが、実はこの喧嘩、物語上だけでなく、撮影の現場でもリアル喧嘩が起きていたとか。喧嘩シーンには多くのエキストラが出演していました。鈴蘭・鳳仙の不良たちの全員がエキストラで、いわゆる本物の不良だったそうです。そのため、山田孝之さんや小栗旬さんが撮影現場に入り、エキストラのみなさんに挨拶をしても、なんとシカトだったとか…。共演者のやべさん曰く、今までのドラマのイメージから、オタクと王子様みたいな2人が、主演ということに腹を立てていたようです。喫煙所で山田さんからエキストラの方に話しかけても、常に無視。しかし、撮影が進むにつれ、2人の演技力に圧倒され、最終的には「芹沢さんに付いていく…」となっていったのだとか。

まさか、エキストラ出演者に本物の不良の方を採用していたなんて驚きですね。そんな筋金入りの不良軍団の心も動かしてしまう主演のお二人の演技力はさすがとしか言いようがありません。

また、本作には続編『クローズZERO II』があります。鈴蘭サイドのエキストラは続投となるため、すでに現場の雰囲気も落ち着いたものだったそうです。しかし、新たに加わった鳳仙のセキストラはバチバチ状態…。そこへ、さらに火に油を注ぐ事態が勃発します。役者同士の喧嘩シーン撮影中、とある出演者の膝蹴りが、誤って相手の顎にきれいに入ってしまい、相手役の方は吹っ飛び、肩を脱臼。転倒し頭を打ったことで意識を失ってしまい、病院送りになるという騒動が起きたのだとか。

それを観ていたエキストラの一部の方の中から「鳳仙のやつがやったのか」と誤解が生まれ、険悪な雰囲気に…。撮影を続けられる状況ではなかったため、制作サイドが食事を手配し両チームのエキストラ同志が交流できる場を設けるなど、大ごとになったようです。

映画撮影という場で、本物の喧嘩がおこる…。あまり想像できませんが、喧嘩が日常の中に当たり前にあるエキストラの方だからこそ、正義感に燃え、行動してしまったのでしょう。観ていると、自分も強くなったように錯覚するほど、誰もが熱くなってしまうクローズシリーズ。作品の底力を感じさせるエピソードですね。これらのエピソードには「すごい裏話だな…」と作品ファンも驚きの声をあげています。

原作ファンが“異例の熱狂”をみせたワケ

原作ファンは、原作への愛が深いあまり、実写化作品には嫌悪を示すことも少なくありません。しかし、本作では「元々原作の大ファンなだけに実写化は心配した作品だけど、るろ剣同様に想像を超えてきた作品!」「原作好きは絶対に観て」「原作ファンを傷付けない良作」「原作ファンだけど映画のzeroとzero2はすごい好き」と、原作ファンからの熱い支持がみられる異例の熱狂ぶり。

その理由のひとつに、ストーリーはもちろんのこと、とにかく出演者が名俳優揃いという点があり、キャスティングが良いという意見が非常に目立ちます。「山田孝之がかっこ良すぎる!表情やら服装やら性格やらほんと完璧」「みんなかっこよかった」と絶賛の嵐!

公開当時、まさに旬の若手俳優だった山田孝之さん、桐谷健太さん、小栗旬さんという錚々たるメンバーが出演していたのはもちろん、やべきょうすけさんのかっこよさも話題を呼んでいました。

カリスマ性がある滝谷源治役として小栗さんは存在感と華やかさを表現し、芹沢役の山田さんは迫力と掴みどころのない怖さなどを見事に演じきりました。また、辰川役の桐谷健太さんは、鈴蘭高校で一番付き合いたい人として選ばれたほど際立った存在感を発揮。

スカッとしつつも胸が熱くなる映画『クローズZERO』、ぜひ漫画とともにご覧になってみてはいかがでしょうか。


※記事は執筆時点の情報です