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「どういう意味なの?」「もしかして…」“最終回のワンシーン”が物議を醸す…「日本ドラマの最高峰」語り継がれる至高の一作

  • 2025.7.29

映画やドラマの中には、脚本に張り巡らされた巧みな伏線によって、解釈が分かれる作品があります。今回は、そんな中から"物議を醸した名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、日曜劇場『VIVANT』(TBS系)をご紹介します。“1億ドルの誤送金”を追う主人公が辿り着いたのは、謎の組織と“もうひとりの自分”――。張り巡らされた伏線が導く衝撃のラストとは?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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阿部寛(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):日曜劇場『VIVANT』(TBS系
  • 放送期間:2023年7月16日~9月17日
  • 出演: 堺 雅人(乃木憂助 役)

舞台は、大手商社・丸菱商事。会社で発生した“1億ドル誤送金事件”の責任を負うことになったエリート社員・乃木憂助(堺雅人)は、送金先とされるバルカ共和国へと派遣されます。ところがその滞在中、思いもよらぬ爆発事件に巻き込まれ、今度はバルカの警察から“テロリスト”として追われるはめに…。

逃げ場のない異国の地で、手を差し伸べたのは公安警察の野崎守(阿部寛)と、現地病院で働く医師・柚木薫(二階堂ふみ)。追っ手の目をかいくぐりながら、乃木は命がけで真相を追い始めます――。

豪華キャストが火花を散らす濃密なクライム・サスペンスドラマ

本作は、原作がない完全オリジナル作品です。原作と演出を手がけたのは、『半沢直樹』や『下町ロケット』で知られる福澤克雄さん。

主演を務めたのは堺雅人さんです。ドラマ『リーガル・ハイ』や『半沢直樹』とはまったく違う、"もうひとりの自分"を抱えた複雑な役柄に挑み、圧倒的な存在感を放ちました。

公安の野崎役には阿部寛さん。さらに、現地の医師・柚木薫を演じたのは二階堂ふみさん。危機的状況のなかで、人としての信頼や温もりを感じさせる存在として描かれました。

その他、松坂桃李さん二宮和也さんら、豪華な顔ぶれが名を連ねています。なかでも、謎の組織“テント”のリーダーであり、乃木の父でもあるノゴーン・ベキを演じた役所広司さんの登場は、物語を根底から揺るがす転機となりました。ドラマ全体に流れる緊張感とスケールの大きさに、ただ圧倒されるばかりです。

SNSでは、「主役級の役者さんが揃っていて見応えがあった」「毎回映画を観ているみたいな迫力で面白い」「一時も目が離せない「日本ドラマの最高峰」と絶賛の声が相次ぎました。

日曜劇場『VIVANT』は、完成度の高い脚本、心を揺さぶる演技力、そして空前のスケール感が融合した、クライム・サスペンスドラマの秀作です。

合図?暗示?神社と和菓子に仕掛けられたサイン

日曜劇場『VIVANT』に登場する“赤い饅頭”は、特殊部隊・別班が緊急招集の合図として用いるアイテムで、“別班饅頭”とも呼ばれています。

乃木憂助は神田明神、司令の櫻井は布多天神社に毎朝通い、祠に饅頭が置かれていないかを確認していました。第5話では、この方法によって連絡を受けるシーンも描かれています。

最終話のラスト、乃木が赤い饅頭を頬張りながら不敵に笑うワンシーンは、放送直後からSNSで多くの考察を呼びました。

「置かれている別班まんじゅうは新たな指令の意味?」「どういう意味なの?」「もしかして続編を予告してる?」――など、伏線と見る視聴者が多数。これまでの緻密な構成ゆえに、「ラストの饅頭も何かの暗示では」と受け取る声が多く見られました。

さらに、この饅頭は商品化され、赤い“別班”饅頭8個と白い“テント”饅頭1個のセットとして販売されています。この配色から「別班=8人」「白が標的」といった考察も話題となりました。

小道具の“赤い饅頭”について視聴後も考察が止まらない――。まさに日曜劇場『VIVANT』ならではの魅力です。

『COMING BACK 2026』- 『VIVANT』続編の謎

そんな本作、2026年放送予定として続編が発表され、2025年7月22日に新たな情報が公開されました。

この日、新たに公開されたビジュアルには、“COMING BACK 2026”という文字とともに、水墨画のようなタッチで描かれた二人の人物の姿があり、作品のロゴもあわせて掲載されています。

画像の下部には、“OKUIZUMO”“UNNAN”“YASUGI”“IZUMO”“MATSUE”といった、島根県に実在する地名が英字で記されていました。これらはいずれも、主人公・乃木憂助の父・乃木卓の出身地とされている地域に該当します。

続編のストーリーや出演者についての詳細は不明ですが、今回のビジュアルは、次なる展開の鍵を匂わせるものとして注目を集めています。

“考察ブーム”を支えた“物語の設計図”

日曜劇場『VIVANT』の演出を手がけた福澤監督は、放送中に寄せられていた視聴者の考察を、実際にご自身で確認していたことを明かしています。

ただし、そうした考察がストーリーに影響を与えたことはなく、物語の構成は放送前の段階で“すべて決めていた”そうです。

何が伏線で、何が演出なのか――その答えが明かされないまま、さまざまな解釈が生まれるのも、この作品の大きな魅力のひとつ。
物語の行間に意味を見出し、想像をふくらませながら考察を楽しむ――日曜劇場『VIVANT』ならではの楽しみかたが、“物議を醸した名作”と呼ばれるゆえんなのかもしれません。


※記事は執筆時点の情報です