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「こんなの絶対おかしい」“打ち切り疑惑浮上”に疑問の声…だけど「全役者食っちゃってる」人気俳優の快演に“絶賛殺到”の名ドラマ

  • 2025.7.29

視聴者から惜しまれつつ終わったドラマのなかには、「打ち切りだったのでは」と噂される作品があります。今回は、そんな"打ち切りが囁かれた名作ドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾としてドラマ『クレオパトラな女たち』(日本テレビ系)をご紹介します。美とは何か――。美容外科クリニックを舞台に、外見の悩みや心の葛藤を抱えた人々と向き合う医師たちの奮闘を描いたヒューマンドラマです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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綾野剛(C)SANKEI

作品名(放送局):ドラマ『クレオパトラな女たち』(日本テレビ系)
放送日:2012年4月18日~6月6日

「若さが美しさなのか」「顔立ちが整っていれば幸せなのか」「心のきれいさだけで十分なのか」。

誰もが一度は悩む“美しさ”というテーマを真正面から描いたのが、ドラマ『クレオパトラな女たち』です。舞台は、美容外科クリニック。そこには、変わりたいと願うさまざまな女性たちが訪れます。

そんな彼女たちに振り回されながらも、真摯に向き合う、若き美容外科医・岸峯太郎(佐藤隆太)。美をめぐる女性たちの本音と成長を描いた、笑えて少し切ないヒューマン・コメディです。

”ラブストーリーの名手”が描く、美容整形と心の本音

本作の脚本を手がけたのは、“ラブストーリーの名手”として知られる大石静さんです。ドラマ『セカンドバージン』『星降る夜に』『光る君へ』などで、揺れ動く心や葛藤を描いてきた大石さんが、本作でも“美しさ”に悩む人々の心情を丁寧にすくい上げています。

主人公・岸峯太郎を演じるのは佐藤隆太さん。女性不信を抱えながらも、父の借金返済のため美容外科クリニックに勤務し、患者や同僚との関わりの中で少しずつ変化していく姿を自然体で演じています。

共演は、美貌とキャリアを兼ね備えた市井睦(稲森いずみ)、整形経験をもつ看護師・岸谷葵(北乃きい)、同級生でゲイの黒崎裕(綾野剛)、情報通の若き起業家・富坂昇治(三浦翔平)と、多彩なキャストが集結しました。

主題歌には、Every Little Thing持田香織さんが書き下ろした「美しき麗しき日々」を起用。自身初の連続ドラマ主題歌であり、登場人物たちの迷いや希望に寄り添う歌声が印象的です。

「なぜ8話で終わったの?」突然の最終回に広がった憶測

華やかなキャストと挑戦的なテーマで注目された『クレオパトラな女たち』は、当初10話の予定から変更され、全8話で終了しました。突然の最終回に、当時の視聴者からは「打ち切りでは?」との声が相次ぎました。

これについて日本テレビの広報部は、「打ち切りではない」と明言。制作準備が遅れていたため、放送開始時点では話数が確定しておらず、局の編成方針との兼ね合いで最終的に8話に決まったと説明しました。

そんな本作ですが、キャストの熱演や脚本を評価する声も多く、「打ち切りにしたら絶対許さない」「打ち切りのこと考えてたら心がズタボロになった」「こんなの絶対おかしい」「時代が追い付いていなかっただけ」と、8話で終わってしまった事を惜しむ声が寄せられています。

「一度だけ抱きしめて」届かぬ想いに視聴者が涙した理由

華やかな美容外科クリニックを舞台に、個性豊かなキャラクターが登場した本作。そのなかでも特に視聴者の心をつかんだのが、綾野剛さん演じる黒崎裕でした。

黒崎は、主人公・峯太郎の中学時代からの同級生であり、唯一の理解者。お金に困った峯太郎を自宅に住まわせるなど、さりげなく支え続けています。けれど、その背景には、彼に対する叶わぬ想いを抱き続けてきたという切ない真実がありました。

親友として寄り添いながらも、「一度だけ抱きしめて」と願う黒崎。最終回のそのシーンに、胸を締めつけられた人も多かったはず…。

SNSには「世界中の人間が黒崎裕を愛していると思う」「健気すぎて可愛い」「ほんとに切なくて美しかった」「全役者食っちゃってる」など、黒崎への愛があふれた声が多数寄せられています。

また、ゲイのキャラクターをあえて“友情”に回収しない、その描き方にもこだわりがあったといいます。本作プロデューサーの山本由緒さんは、MANTANWEBのインタビューの中で次のように明かしています。

友達だけれど、実は……ってことっていうのはあると思うし、それが人間だなと思う。一応友達だけれど、裏で何を考えているか分からないことも大人の人間関係でもよくあること
出典:『クレオパトラな女たち:美容整形、同性愛……タブーに切り込み「リアルさ」追求』MANTANWEB 2012年5月2日配信


人と人との関係は、もっと自由で、もっと複雑で、そして愛おしい――。

そんな“人間関係のリアル”が描かれていたのも、本作の魅力のひとつ。全8話という短さのなかで、登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれた名作です。


※記事は執筆時点の情報です