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「よく放送出来てたな…」「過激すぎる」“生々しい脚本”に驚愕…それでも「90年代ドラマの最高峰」大反響の幻の名作

  • 2025.7.31

ドラマの中には、名作と評価されながらも、さまざまな事情で再放送ができない作品があります。今回は、そんな“再放送が難しいといわれている名作ドラマ”を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『悪魔のKISS』(フジテレビ系)をご紹介します。過激なテーマを真正面から描き、話題となった衝撃作とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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深津絵里(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『悪魔のKISS』(フジテレビ系)
  • 放送期間:1993年7月7日 - 1993年9月22日
  • 出演:奥山 佳恵(斉藤みさを 役)

静岡から上京した3人の女性――みさを(奥山佳恵)、幸子(深津絵里)、茉莉子(常盤貴子)は、中学時代の同級生。進学や就職を機に再会した彼女たちは、それぞれ異なる形で社会の闇と向き合うことになります。

宗教に心を奪われていく幸子、過去の性被害に苦しむみさを、そして借金に追われ、やがて風俗の世界へ足を踏み入れる茉莉子。人生が少しずつ狂い始めるなかで、3人の絆もまた、静かに崩れていくのでした――。

初々しくも大胆な90年代の挑戦的ドラマ

1993年に放送された『悪魔のKISS』は、いまや主役級として活躍する俳優たちが、若手時代に顔をそろえていたことでも知られています。奥山佳恵さん、深津絵里さん、常盤貴子さんそれぞれが複雑な内面を抱えた役どころを見事に演じ、高い評価を受けました。

さらに、現在では実力派俳優として知られる西島秀俊さんや寺脇康文さん、柄本明さんも出演。当時の彼らの“初々しい”演技が見られる、まさに貴重な一本となっています。

脚本を手がけたのは、のちに『Dr.コトー診療所』シリーズやドラマ『団地のふたり』などを生み出し、人間の心の奥に切り込む作風で高く評価されている吉田紀子さん。本作では、若手女優たちの揺れる心情や壊れていく関係性を丁寧に描きつつ、社会の暗部に鋭く踏み込んでいます。

フジテレビの水曜21時枠で放送された本作は、暴力・性・宗教といった刺激的なテーマを惜しみなく描き、当時の放送基準の限界に挑んだ意欲作だったといえるでしょう。

配信もDVD化もNG…“完全封印”に悲痛の声も

ドラマ『悪魔のKISS』がこれほどまでに話題性のある作品でありながら、長らく再放送されていない背景には、いくつかの事情があるようです。

なかでも大きな理由として挙げられるのが、作品自体に現在の放送基準では極めてセンシティブとされる内容が多く含まれていることです。ドラマには、新興宗教薬物中絶闇金など、コンプライアンス上問題視されかねない描写が数多く盛り込まれていました。

現在ではテレビでの再放送はもちろん、ビデオ・DVD化も配信もされていない“幻の作品”となっています。SNSでは「観るに耐えない闇を描いたドラマ」「過激すぎる」といった声が見られ、生々しい内容であったことがうかがえます。

一方で、「コンプラの問題で再放送されないけど、配信してほしい」「観たいのに、今はもう観れない…」「再放送してほしい。今度こそ永久保存する」「観たいのに映像がどこにもなくて、つらい」といった、再放送や配信を望む声も多く寄せられています。

さらに、「社会の闇を描いてて、今観ても通じる面白さがある」「90年代ドラマの最高峰」と、本作を懐かしむ声が今なお後を絶ちません。

“再放送が難しい”とされながらも、今もなお、心に強く焼きついている――。ドラマ『悪魔のKISS』は、記憶に残る名作です。


※記事は執筆時点の情報です