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「もう観れない」「続編は無理」“異例のヒット”を記録した名ドラマに危惧する声も…だけど“12年越し”に復活を遂げた絶賛作

  • 2025.7.24

ドラマの中には、じわじわと口コミなどでファンを増やし、今や“知る人ぞ知る名作”として語り継がれている作品があります。そこで今回は、“じわじわファンを増やした作品”を5本セレクトしました。

本記事ではその第4弾として、ドラマ『時効警察』(テレビ朝日)をご紹介します。異色の設定と脱力系のユーモアで視聴者の心をつかんだ『時効警察』。名コンビが描く、“ゆるくて深い”ミステリードラマとは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『時効警察』(テレビ朝日)
  • 放送期間: 2006年1月13日-2006年3月10日
  • 出演: オダギリジョー( 霧山修一朗 役)

総武警察署の時効管理課に勤める霧山修一朗(オダギリジョー)は、ある日ふと、自分にはこれといった趣味がないことに気づきます。そんな彼が始めたのが、“時効になった事件を調べて真相を突き止める”という、少し風変わりな趣味。霧山の独特な探究心はとどまるところを知らず、やがて一つひとつの謎に向き合うようになります。交通課の婦人警官・三日月しずか(麻生久美子)も、そんな霧山の“趣味の捜査”に巻き込まれていくことに――。

異才が集結して生まれた“笑い×ミステリー”の世界

『時効警察』の独特な世界観を生み出したのは、脚本・監督を務めた三木聡さんです。映画『イン・ザ・プール』『転々』でも知られる三木さんを中心に、岩松了さん坂口修さんら実力派が名を連ね、シュールな笑いとミステリーが融合した構成をつくり上げました。

主演のオダギリジョーさんは、ゆるさと鋭さが同居する独特の雰囲気で、霧山修一朗を体現。
麻生久美子さんは、霧山への思いを胸に秘めながら捜査に協力する、交通課の婦人警官・三日月しずかを自然体で演じました。

ふたりのゆるやかな関係性はSNSでも「時効警察コンビは最高すぎ」といった声があがるほど、長年愛され続けています。

深夜枠で異例の高視聴率、“趣味の捜査”が話題を呼んだドラマ

2006年、深夜ドラマ枠でスタートしたドラマ『時効警察』は、“時効成立事件を趣味で捜査する”という異色の設定と独特のユーモアで話題を呼び、深夜帯としては異例の高視聴率を記録。翌2007年にはドラマ『帰ってきた時効警察』として続編も制作され、じわじわとファンを増やしていきます。

根強いファンに支えられたドラマ『時効警察』は2019年、三木聡さん、麻生久美子さんらおなじみのメンバーとともにドラマ『時効警察はじめました』として12年ぶりに復活

オダギリジョーさんと麻生久美子さんの名コンビに加え、新キャストとして吉岡里帆さん(新人刑事・彩雲真空)と磯村勇斗さん(鑑識課・又来康知)が加わり、物語は新たな展開を見せました。時効制度が廃止された2010年以降は、より長期の未解決事件を扱うことで作品も進化を遂げています。

さらに、本編と並行して配信限定のドラマ『時効警察とくべつへん』も展開。吉岡さんと磯村さんが主演を務め、オダギリさんと麻生さんも特別出演したスピンオフ作品として話題になりました。

『時効警察』シリーズは、シュールな笑いとミステリーの絶妙なバランスでコアなファンの支持を集め、口コミを通じてじわじわと人気を拡大。霧山が最後に差し出す「誰にも言いませんよカード」に象徴される、「趣味で事件を解決する」という独自のスタンスが、本作ならではの軽快さと魅力を際立たせています。

12年の時を経て、奇跡の再集結が実現した舞台裏

時効制度の廃止により「もう観れない」「続編は無理」と続編は難しいと思われていたなか、12年ぶりに復活を遂げたドラマ『時効警察』。きっかけは、プロデューサー・横地郁英さんが三木聡さん、オダギリジョーさん、麻生久美子さんに声をかけたことでした。スケジュールが偶然重なり、“趣味の捜査”が再び動き出すことになったといいます。

「オダギリジョー×麻生久美子の特別な関係性がたまらなく好き」「時効制度が廃止になり、諦めていたドラマの復活」「脱力系の中に鋭い推理があって唯一無二の刑事ドラマ」――SNSでは今も称賛の声が絶えません。

一度観ただけでは語り尽くせない、ゆるさと深さの絶妙なバランス。ドラマ『時効警察』は、まさに“じわじわとファンを増やし続けてきた”名作です。


※記事は執筆時点の情報です