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「冷やご飯のほうが太りにくい」ウソ?ホント?→管理栄養士が教えるダイエットとの“関係性”とは?【管理栄養士の監修】

  • 2025.7.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康やダイエットに関心が高まる中、「冷やご飯の方が太りにくい」という話を耳にしたことはありませんか?温かいご飯を冷やすだけで摂取した栄養素から得られるエネルギー量が変わるという説は、手軽にできそうで魅力的です。

しかし、一体どこまで本当なのでしょうか?

今回は管理栄養士の視点を交えながら、冷やご飯とダイエットの関係性をわかりやすく解説。正しい知識で食生活に役立ててみませんか?

知っておきたい!冷やご飯と「難消化性デンプン」の秘密

「冷やご飯が太りにくい」と言われる理由の一つが、デンプンの性質にあります。ご飯に含まれるデンプンは、加熱すると消化しやすい状態になりますが、冷やすことで一部が「難消化性デンプン(レジスタントスターチ)」に変化します。

難消化性デンプンは、消化酵素に分解されにくいため、小腸で消化されずに大腸まで達します。これにより血糖値の上昇をゆるやかにし、脂肪の蓄積を減らす可能性が指摘されているのです。つまり、冷やご飯は太りにくい体質をつくるサポートをしてくれる側面があるわけです。

しかし大事なのは「冷やご飯を食べれば無条件に痩せる」ということではない点。冷やご飯でも、食べ過ぎれば体重増加の原因になり得ます。

もっと深堀り!冷やご飯の効果と食べ方のポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

実際のところ、冷やご飯のなかの難消化性デンプンの量はどれほど増えるのでしょうか?

専門研究によると、ご飯を一晩冷蔵庫で冷やすだけで、難消化性デンプンは約2割から3割程度増加することが確認されています。(※)この変化はご飯の種類や保存時間によって異なりますが、無視できない効果です。

また、冷やご飯はそのまま食べるだけでなく、おにぎりやチャーハンにしても難消化性デンプンの効果を期待できます。さらに、冷やご飯を温め直してもデンプンの一部は難消化性のまま残るため、冷やした後に軽くレンチンする食べ方もおすすめです。

ただし、食事全体のバランスが重要なことは言うまでもありません。冷やご飯を活用しつつ、野菜やタンパク質をしっかり摂り、適度な運動を組み合わせることが健康的な体重管理に不可欠です。

冷やご飯の噂はウソ?ホント?ーまとめのポイント

冷やご飯の方が太りにくい」というのは、全くのデタラメではありません。冷やすことで増える難消化性デンプンが、血糖値の急激な上昇を抑え、エネルギーとして吸収されるまでの過程を緩やかにする働きがあるからです。ただし、カロリーが減るわけではなく、摂取量や食事のバランスが大切なことも忘れてはいけません。

冷やご飯の効果を活かした食生活は、あくまでダイエットの一助と考えましょう。糖質制限や食べ過ぎの防止と組み合わせることで、より健康的に体重管理ができることが期待できます。賢く取り入れて、毎日の食事をより楽しく健康にしていきましょう!


※参考文献:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26693746/


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(Instagram / ブログ

管理栄養士・保育士。13年の管理栄養士経験と8年の保育士経験を活かし、現在はフリーランスで栄養相談やレシピ提案などを行う。忙しい中でも無理なく続けられる、簡単でおいしい時短レシピの提案が得意。相談者に寄り添い、実践しやすいアドバイスを心がけている。ブログやInstagramでも情報を発信中。