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医師「できれば避けて」→実は『寝苦しさ』の原因になっているかも…夏の夜に避けるべき“NGな服”とは?

  • 2025.7.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

暑い夏の夜、薄着で寝る人は多いでしょう。実際、薄着のほうが涼しくて気持ちいいと感じる人も多いはずです。でも医師の意見によると、薄着で寝るのは意外にも寝苦しさの原因になることがあるとか。「え、涼しいほうがいいんじゃないの?」と疑問に思うかもしれませんね。

今回は薄着で寝ることのメリット・デメリットを睡眠の質や体温調節の観点からわかりやすく解説し、できれば避けたほうがいい理由に触れていきます。

身体が本当に求めているのは『適温』眠りの質は服装で変わる

寝るときの服装と言えば、「薄着で涼しく」が一般的なイメージ。もちろん暑さを感じるときに厚着では逆効果です。しかし、医療の観点からは「寝るときの体温調節」を重視した服装選びが大切だとされています。なぜなら人間の睡眠は体温の変動によって促されるため、極端に温度調整が難しい服装は逆効果になることがあるのです。

理想的な睡眠のためには、体温がスムーズに下がること、そしてその過程で過度に冷えすぎないことが重要。つまり薄着すぎて体が冷えてしまう場合や、逆に汗をかいて体温が乱高下するような状態は、深い眠りの妨げになりかねません。たとえば薄いタンクトップ1枚で寝て汗をかき、そのせいで夜中に目覚めてしまうケースは珍しくありません。また逆にエアコンなどの冷房環境で薄着すぎると、冷えすぎて体が緊張し、リラックスできなくなります。

薄着が招く寝苦しさ エアコンとの付き合い方と夏の工夫

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

 

人間の睡眠と体温には密接な関係があります。入眠時には、皮膚表面から熱を放出することで深部体温(身体の内部の温度)が低下し、それによって脳と身体がしっかりと休息できる状態になります。この深部体温の低下が、自然な眠りへの移行を促進します。

そして、睡眠が進むにつれて、深部体温は夜間を通じてさらに下がり、明け方にかけて再び上昇する傾向があります。これは、目覚めの準備として身体が活動モードに切り替わるためです。

また、室温についても、季節や住環境によって異なりますが、日射量が減少する夜間は室温も低下しやすくなります。特に冬季や断熱性の低い建物では顕著です。この室温の低下が深部体温の下降を助ける場合もありますが、寒すぎると逆に眠りの質が悪化することもあるため、適切な寝室環境の調整が重要です。

エアコンをつけている場合、薄着すぎると体が冷えすぎてしまい、寒さで目が覚めたり、風邪をひきやすくなったりすることも。かといって服を着すぎると汗をかいて寝苦しくなりやすく、難しいバランスです。だからといって「全く服を着ない」という選択はさらに冷えすぎと乾燥を招く恐れがあるので注意が必要です。

快適な寝室環境を保つには、吸湿性と通気性に優れた綿などの天然素材を使った薄手のパジャマやTシャツを選ぶのがおすすめ。また夏であれば一般的に25度~28度が目安ですが、自分に合った温度調節を心がけましょう。さらに汗の不快感を軽減するために通気性の良い寝具やタオルケットを使うことも効果的です。

薄着だけじゃない!寝苦しさ対策は生活習慣もポイントに

寝苦しさに悩んでいる人は、服装以外の生活面も見直すことで改善効果がアップします。たとえば、寝る前のアルコール摂取や激しい運動は交感神経を刺激して寝つきを悪くする原因。また寝る直前にスマホやパソコンを見るブルーライトも睡眠リズムを乱すため要注意です。

服装にばかり意識がいきがちですが、良質な睡眠を得るためには総合的な生活習慣の見直しが重要。寝る1~2時間前のリラックスタイムの確保や、規則正しい生活リズムを整えることが寝苦しさの軽減に役立ちます。特に夏場は水分補給も忘れずに、脱水状態による睡眠の質低下を防ぎましょう

寝苦しさの原因を知ろう

寝るときに薄着でいることには一見メリットが多そうですが、実は寝苦しさの原因になることも多いのが事実。体温調節が適切にできないと汗をかきすぎたり、冷えすぎたりで睡眠の質が下がる危険があります。医師の意見を参考にすると、暑い夏でも適度な薄着を心がけ、通気性や吸湿性の良い寝具を揃えることが快眠への近道です

また寝苦しいときは薄着だけでなく、室温の管理や寝る前の生活習慣を見直すことも忘れずに。この夏、寝るときの服装について改めて考えてみてはいかがでしょうか?


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。