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医師「夏場も注意して」→実は『ヒートショック』は冬だけじゃなかった…“危険なNG行動”とは?

  • 2025.7.31
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

冬場によく耳にする「ヒートショック」という言葉。でもじつは、夏場でも注意が必要だって知っていますか?高温多湿な日本の夏は、体温調節の負担が大きく、冬と同じく気をつける必要があるんです。

この記事では、ヒートショックが冬だけの問題ではない理由と、夏場に気をつけたいNGな行動をわかりやすく解説します。

なぜ夏もヒートショックが起こるの?その意外なメカニズムとは

ヒートショックは主に寒い部屋や寒い屋外から急に暖かい浴室に移動した際に起こりやすい現象です。寒い環境では、血管が収縮して血圧が上がり、急に暖かい場所に入ると今度は血管が急激に拡張し血圧が急低下します。この温度差による血圧の乱高下が心臓や脳に負担をかける結果となります。

高齢者や持病のある人は体温調節機能が低下しているため、特に注意が必要です。家庭での入浴中に倒れたり意識を失ったりするケースの多くはヒートショックが原因とされています。

このヒートショック、実は夏も油断できません。夏場はエアコンの効いた室内と外気の温度差が大きく、これが体に急激な負担をかけるのです。

夏場にやってしまいがちなNG行動

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、夏のヒートショックを防ぐために絶対避けたい『危険なNG行動』とは何でしょうか。

まず、冷房の効いた部屋と脱衣所やお風呂場を行き来する際に、急激な温度差を作らないことが大切です。例えば、お風呂上がりに冷房を効かせすぎて室内が極端に冷えている状態は避けましょう。

ヒートショックは10度以上の温度差があると発生する可能性があると言われています。

もちろん熱中症予防などもあるため、エアコンを完全にオフにしてしまうのもリスクがありますが、設定温度を調整したり、お風呂場や脱衣所の気温が高くなりすぎないように、扇風機などを活用しましょう

夏も油断せずにヒートショックを予防しよう

「ヒートショック=冬の問題」というイメージはもう古いと言えます。夏の暑さと冷房による温度差も、全身の血圧や循環器系に負担をかけ、場合によっては重大な事故につながることがあるからです。特に高齢者や心疾患を持つ方は、夏場の温度管理や生活環境に十分気をつけることが命を守るカギになります。

健康を守るためにも、季節を問わずヒートショックに関する正しい知識を持つことが大切です。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。