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『水を1日2リットル飲めば健康』はウソ?ホント?→管理栄養士が明かす、“本当に体にいい飲み方”とは?【管理栄養士の監修】

  • 2025.7.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「健康のために水を1日2リットル飲むべき」という話、誰もが一度は聞いたことがあると思います。テレビや雑誌、ネットの健康情報でもよく見かけますよね。でも、実はこの『2リットル』という数字は、全ての人に当てはまるわけではありません。個人の体質やライフスタイル、環境によって必要な水分量は大きく違うんです。今日は、その真実をその根拠を分かりやすく解説します。いつもの「水分補給」の見方をぐっと深めて、あなたにぴったりの水分ケアを見つけてみませんか?

誰にでも「2リットル」は正しい?水分摂取の基本と誤解を解説

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康のために「1日2リットルの水を飲むべき」とよく言われますが、これは実は非常にざっくりとした目安です。世界保健機関(WHO)や各国の食品安全機関も、あくまで一般的な目安として提示しているに過ぎません。というのも、人が必要とする水分量は性別や年齢、体格、運動量、気候、さらには食事内容などによって大きく異なるからです

例えば、スポーツをする人や汗を多くかく暑い地域に住んでいる人は、より多くの水分が必要です。逆に、あまり動かず涼しい環境で過ごす場合は水分摂取量はそれほど多くなくても問題ありません。また、喉の乾きを感じること自体が、身体が水分を欲しているサインなので、無理に2リットルを目標にする必要はないという意見も多いです。

日本の厚生労働省も「水分摂取は食事で摂るものも含めて考慮するべき」としており、水だけを2リットル飲むことを推奨しているわけではないと明示しています。

こうした点から、健康のための水分補給は「個人差」や「生活環境」に合わせた柔軟さが求められているといえます。

もっと深掘り!個人ごとに違う水分必要量の見極め方

それでは、自分にとっての「適切な水分量」はどう判断すれば良いのでしょうか?専門家たちは「体重の約30〜40mlの水分を目安にする」とアドバイスしています。

<年齢別の水分量目安>
18~64歳 体重×30~40ml
65歳以上 体重×25~30ml

例えば体重60kgの人なら約1.8〜2.4リットルが目安になりますが、ここに運動量や気温の影響を加味して調節していきます。

また、水分補給は飲み水だけでなく、食べ物から摂る水分も含みます。野菜や果物、汁物などからもかなりの水分を補給できるため、普段の食生活も考慮に入れる必要があります

さらに、高齢者や子どもは身体の水分保持能力や感覚が異なるため、特に注意が必要です。例えば高齢者は喉の渇きを感じにくくなり、脱水のリスクが高まることがあります。このため、意識的な水分補給を心がけることが大切です。

具体的に言うと、次のような点に気をつけてみてください。

  • 喉の渇きを感じたらまず水やお茶で補給する
  • 運動や入浴後、汗をかいたときは多めに水分補給をする
  • 尿の色をチェックし、濃い黄色なら水分不足の可能性がある
  • 食事のバランスを整え、野菜や果物も積極的にとる
  • 熱中症対策として、屋外活動時はこまめに水分補給する

これらを意識しながら、自分の身体が求める量を見つけていくことが最も健康的なアプローチです。

ただし、無理に水分を大量にとろうとすると、体内のナトリウム濃度が下がってしまう低ナトリウム血症という状態になる可能性もあるため注意が必要です。

水分は「2リットル」じゃなくて、あなたに合った量を!

いかがでしたか? 1日2リットル飲めば健康、というのは分かりやすいけれど、実はかなり大雑把な目安にすぎません。水分の必要量は一人ひとり違い、気温や運動、食事内容、年齢など様々な要素で変動します。だからこそ「のどが渇いたら水分を摂る」「尿の色をチェックする」など、自分の身体のサインに耳を傾けることが大切です。

無理に大量の水を飲んで体に負担をかける必要はなく、健康的で快適なライフスタイルを支えるための「ほどよい水分補給」を心がけましょう。あなたにぴったりの水分バランスを見つけて、毎日をもっと爽やかに過ごしてくださいね!


監修者:森岡真衣(管理栄養士)
美容栄養学専門士・フードスペシャリストの資格を活かし、主に女性の体質改善・ダイエットサポートを目的とした栄養指導を実施。オンラインダイエット講座の開発・運営を行うほか、メディア記事の監修、レシピ制作、美容クリニックの食事サポートなど多方面で活動。
現場経験に基づいた、わかりやすく実践しやすいアドバイスを強みとする。

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