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『夜遅くに食べると太る』ウソ?ホント? 管理栄養士が教える“太りやすいNG環境”とは【管理栄養士の監修】

  • 2025.7.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「夜遅くに食べると太る」というフレーズは、健康やダイエットの話題でよく耳にしますよね。特に忙しい現代人にとっては、仕事や家事の合間についつい夜遅くに食事をすることも珍しくありません。でも、この『夜遅く=太る』の公式はどこまで本当なのでしょうか?

今回は、「夜遅くに食べること」と「体重増加」の関係を改めて科学的に紐解き、意外と知られていないカギ、「総摂取カロリー」の重要性に焦点を当ててお伝えします!

食事の時間よりも注目すべきは『総摂取カロリー』の真実

「夜遅くに食べると太る」という考えは長年根強く存在しています。確かに、夜遅い時間に高カロリーの食事や間食を続ければ体重増加につながりやすいのは事実。しかし、実際に体重が増えるかどうかに直接的に影響するのは、食事の時間帯そのものよりも、1日に摂取する総カロリーの量です。

体重の増減は、基本的に消費カロリーに対して摂取カロリーが多いか少ないかで決まります。つまり、夜遅くに食べるかどうかよりも、「1日の中でどれだけのカロリーを摂っているか」がポイント。この観点は、多くの栄養学の研究やダイエット理論でも支持されています。さらに、夜間は脂肪を溜め込みやすい体内リズムがあるという説もありますが、摂取カロリーが適正であれば体重に大きな影響は出にくいです。基礎代謝の変動はそこまで大きくありませんが、脂肪の蓄積に関わるBMAL1などの遺伝子発現は時間帯で変動します。

例え夕食が遅くてもその日の総カロリーが適正であれば体脂肪の増加には繋がりにくいと考えられています。逆に、時間にかかわらずカロリーオーバーすれば太るリスクは高まります。

背景にある生活習慣と『食べる時間』の関係性を知ろう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、なぜ「夜遅く=太る」という印象が強いのでしょうか?その背景には、夜間の食事が生活リズムや食習慣に与える影響があります。例えば、遅い時間の食事はつい「脂っこいもの」「簡単に食べられるスナック」などの選択が多くなりがち。このような食品は高カロリーで栄養バランスも偏りやすいため、結果的に総摂取カロリーが増加しやすいのです。

また、夜遅くの食事が睡眠の質に影響し、疲れやすくなったり活動量が低下したりする場合も。運動量が減ると消費カロリーが減り、エネルギーが過剰に体に蓄積されやすくなります。つまり、食べる時間が「直接」太るのではなく、夜遅くの食事による生活習慣の乱れが結果的に太りやすい環境を作っているのです

このため、ダイエットや健康管理を意識する場合は、単に食事の時間にこだわるよりも、「1日のトータルカロリー管理」「食事内容の質」「規則正しい生活リズム」を整えることがより効果的とされています。

太るかどうかは「いつ食べるか」より「何をどう食べるか」

「夜遅くに食べると太る」は完全な真実とは言えません。大切なのは、1日にどれだけのカロリーを摂取しているか、そしてその栄養バランスや生活習慣が整っているかどうかです。夜の食事が遅くても、総摂取カロリーが適正で、健康的な食事を心がけていれば体重管理は十分可能です。

もちろん、夜遅い食事が睡眠や活動量に及ぼす影響も見過ごせませんが、これもトータルの生活リズム調整でカバーできます。食事時間を必要以上に恐れず、食べる内容や1日の栄養管理に意識を向けることが、健康で理想的な体型を維持するための近道です。

つまり、あなたのダイエットの成否を分けるのは「夜遅くに食べるかどうか」ではなく、「日々のトータルの食生活と生活習慣」ということをぜひ覚えておいてくださいね。


監修者:森岡真衣(管理栄養士)
美容栄養学専門士・フードスペシャリストの資格を活かし、主に女性の体質改善・ダイエットサポートを目的とした栄養指導を実施。オンラインダイエット講座の開発・運営を行うほか、メディア記事の監修、レシピ制作、美容クリニックの食事サポートなど多方面で活動。
現場経験に基づいた、わかりやすく実践しやすいアドバイスを強みとする。

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