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『卵の固ゆで』実は損してるかも…→栄養をムダにしない“ベストな茹で時間”とは?【フードコーディネーターが解説】

  • 2025.7.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

朝食の定番、固ゆで卵。手軽で栄養満点のイメージから、健康的な食事として多くの人に愛されています。

でも、ちょっと待って!実は「固ゆでにするのはNG?」という声もあるんです。

なぜなら、卵を固くゆでることでビタミンの吸収効率が下がる可能性があるから。今回は、卵の調理方法による栄養面への影響に注目し、長く茹でることについてのデメリットと賢い食べ方について探ってみましょう。

固ゆで卵の疑問点に迫る!栄養の吸収にかかわる調理法の影響

卵はタンパク質やビタミンB群、ミネラルなどを豊富に含む優れた食品ですが、調理方法によって栄養バランスや栄養素の吸収量が変わることはあまり知られていません。

特に固ゆで卵は、タンパク質はしっかり凝固して消化しやすくなる一方で、加熱によるビタミンの減少や分解、吸収効率の低下が懸念されています

その中でも注目したいのが、ビオチン(ビタミンB7)という栄養素。ビオチンは皮膚や髪の健康維持やエネルギー代謝に不可欠ですが、卵白に含まれるアビジンというタンパク質がビオチンと結合し、吸収を妨げる性質があります。これを防ぐには、加熱調理が効果的です。

さらに、ビタミンB群の中でも熱に弱いビタミンB1やB2は長時間の加熱で減少してしまうことがわかっています。そのため、過度に固ゆでにすると、栄養素の吸収効率が落ちてしまう可能性があるのです。

栄養を最大限に活かす卵のゆで方と食べ方の工夫

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、どうすれば固ゆで卵のメリットを活かしつつ、ビタミンの吸収も妨げずにすむのでしょうか?ポイントは「適度な加熱」と「食べ合わせ」です。

卵をゆでる際は、沸騰したお湯で7分程度の「半熟〜やや固ゆで」が栄養バランスを保つ目安とされています。この程度の加熱ならアビジンの働きが弱まり、ビオチンの吸収が促進される一方、ビタミンB群の減少も最小限に抑えられます。

また、卵は消化吸収の良いタンパク質を含むため、ビタミンCや鉄分の吸収を助ける野菜や果物と一緒に食べるのがおすすめ。特にトマトなどのビタミンCを豊富に含む食材と組み合わせることで、卵に含まれる鉄分の吸収を高め、より多くの栄養素を効率よく体に取り込めます。

逆に、卵の加工食品や高温調理を繰り返す料理は、ビタミンの減少や分解が起こりやすい点に注意が必要です。お弁当のおかずに入れるだけでなく、シンプルにゆで上げて新鮮なうちに食べるのがベストと言えるでしょう。

固ゆで卵は「やりすぎ注意」!賢く食べて健康アップ

固ゆで卵の手軽さと美味しさは誰もが認めるところですが、栄養面では加熱時間が長すぎると逆効果になることもあります。

ビオチンを含むビタミンB群の吸収を妨げないためには、ゆで時間を見極めることが重要。目安は7分程度の半熟〜やや固ゆでで、栄養素の吸収効率低下を抑えつつ美味しさもキープできます。

さらに、ビタミンC豊富な野菜と一緒に食べることで、栄養吸収を相乗的に高めることができます。卵は調理法次第でその栄養価のバランスが大きく変わるため、日々の食事で上手に取り入れて健康的な体作りに役立てましょう。

つまり、固ゆで卵はNGではありませんが、「固ゆで」よりも、ゆで時間の調整と食べ合わせにこだわることで、ビタミンの吸収を妨げず、より効果的に栄養を摂ることができます。これからは、ちょっとだけゆで時間を気にして、賢く卵を楽しんでみましょう!


監修者:初崎 麻衣(Instagram / Facebook
フードコーディネーター・フードスタイリスト。
フードビジネススクール「チュ・ア・レゾン」卒業後、サラダボウル専門店のメニュー監修、調理家電のメニューブックや記事の監修、キッチンツールの監修など、食を通じた企業とのコラボレーション活動を行っている。