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「地球は近いうちに滅びてしまう」──ヨウジヤマモトが世界に訴えかけるメッセージ【2026年春夏 メンズコレクション】

  • 2025.6.27

ここ数年、山本耀司は春夏コレクションで、あるメッセージを繰り返し伝えようとしている。「地球はどんどん暑くなっており、それが私たちの服装にどう影響するのかを考えるべき」──それを彼はあらゆる手法を通して、世界に伝えようとしてきた。この日、ゲストたちはいつも以上に汗を滲ませており、会場内は昨晩の豪雨の話題で持ちきりだった。それを思うと、山本の言葉はより一層予言めいたもののように思えてくる。だが彼はしたり顔は一切せず、代わりに知的で美しく、それでいて実用的な服を生み出すことに打ち込んだ。

地球の現状と今後に思いを馳せた、着心地を追求したデザイン

今季のヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTO)のコレクションは通気性を重視した軽やかなピースが多く、そのほとんどが地球の現状について触れていた。山本が手がけるショーはすべて章立てで、今回は半袖シャツとルーズなボトムといった、本来カジュアルであるアイテムを洗練された装いに見立てたルックの数々で幕開けた。しかし、これはほんの序章に過ぎず、これらに続いて登場したのは、パジャマを艶やかに、そしてグランジ風に再解釈したラフなレイヤードルック。メゾン定番の黒を貴重としたこれらのルックには、ステンドガラスの窓やはざま飾りのモチーフ、水中生物といった、教会や科学の世界を思わせるグラフィックが、暗闇から浮かび上がるようにあしらわれており、妖しい光を放つ。そのほとんどには、核戦争、海、マイクロプラスチック、愛、水素イオンにまつわるメッセージもプリントされており、バイロン卿の詩「かの人は美わしくゆく」に捧げたものもあった。

コラージュのようにも見える、鮮やかなステンドグラス窓のグラフィックやはざま飾りの模様は、ある種の神聖さを湛える。それは「人間は素晴らしいものを作り上げ、未知の大地を開拓することができるが、種としては自己破滅的である」という、より大きなメッセージの現れだろうか。

そのほかの章では、ラウンジウェアとフォーマルウェアを掛け合わせたような、コントラストを生かしたルックが披露された。ストライプ柄のウエストコートの上から、ゆったりとしたコットンのパジャマセットを重ねたルック。ネックレスやブローチ、アンクレットを贅沢に合わせたセミシアーのピースたち。オーバーサイズのスーツにジャンプスーツ。クラシックかつスマートなサンダルが、ノマド感漂うスタイリングをさらに引き立てていた。

フィナーレの挨拶を終え、ハットを片手に山本は、依然として環境問題に対応しおうとしない政治家たちを厳しく非難した。「(彼らが動かなければ)地球は近いうちに滅びます」。山本自身がカバーした「エンドレス・ラブ」、「この素晴らしき世界」、「Will You Love Me Tomorrow」に交えてインストゥルメンタルの楽曲が流れたコレクションは、彼の心からの叫びを代弁するようなものとなっていた。それだけに十分説得力があり、見る者にも着る者にも深く訴えかけた。

※ヨウジヤマモト 2026年春夏メンズコレクションをすべて見る。

Text: Amy Verner Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

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