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書道家に教わる、今日から「美文字」になれる姿勢やペンの持ち方など、書き方のコツ

  • 2025.6.27

お話を聞いた 大江静芳さんprofile

9歳から書道を始め、大学卒業後自身の書道教室を開塾。2020年に「静芳のYouTube書塾」をスタートし、現在は登録者数12万人超え。ペン字講座講師、ロゴ提供などでも活動中。

書くことを楽しむこと。それが続ける秘訣です

凜とした佇まいが印象的な書道家の大江さん。書道をたしなむようになったきかっけは、9歳から通っていた書道教室なのだとか。
「姉が通っていた書道教室に中学3年生まで通っていました。そのころは書き初めで表彰されることが嬉しくて、それがやりがいでがんばっていましたね」

本格的に書道の勉強を始めたのは高校入学後。
「大学の書道学科に進学するために勉強したのですが、実際に入ってみたらまわりの人たちの熱量に圧倒されっ放し(笑)。私はあまり公募の展覧会などには参加せず、マイペースで楽しく続けてきました。だからこそ、今の自分があるのかもしれません」

そんな大江さんの名刺は、一枚一枚が手書き。
「書道の先生に手書きの名刺をいただいたときに感動して。やっぱり手書きの文字って温かみがありますよね。インパクトがあるから覚えてもらいやすいですし。ご祝儀袋や宛名など、さまざまなシーンで美しい文字が書けたとき、書道を続けてきてよかったなって思います」

今日から美文字になる! 基本の姿勢とペンの持ち方

美文字を書くには正しい姿勢と持ち方が大切。まずはリラックスしてペンを持ち、背筋をスッと伸ばして練習を始めましょう。

STEP 1
机との距離をあけ、背筋を伸ばす

机とお腹に拳1個分の距離をあけ、背筋を伸ばして座ります。足は組んだりせず、つま先からかかとまで足裏全体を床につけて。

STEP 2
両手はカタカナの「ハ」の字に

紙を押さえるときに手が前に出ると、姿勢が崩れやすくなります。ペンを持つ手と紙を押さえる手が「ハ」の字になっているのが理想的。

STEP 3
ペンをつまんで3本指を添える

まずは人さし指と親指でペンをつまみ、中指を添えてやさしく持ちます。指にはそれぞれ役割があり、人さし指は縦線を書くときに、親指は横線を書くときに、中指は「はね」など下から上に動かすときに使います。

STEP 4
筆ペンは立てると安定

筆ペンはまっすぐ立てるように持ち、筆先の1/3を使って書くのがコツ。縦線を太く、横線を細く書くとメリハリのある文字に。

美文字になれる書き方のポイント

美しい文字や文章を書くためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。まずはそこを意識して、練習してみましょう。

【一文字のバランス】

POINT 1 目立たせる横線を決めて

横線やはらいが複数ある文字は、目立たせたい主画の線を決め、その線だけを伸ばします。残りの線は短めに、幅をそろえて書きましょう。

POINT 2 最後の一画を少し下げる

最後の一画が短いと、文字が傾いて見えてしまいます。最後に書く文字は少し下げ、重心を右下に持ってくることで字が安定します。

POINT 3 横線は右上がりに

横線は少し右上がりでそろえると、文字のまとまりがよくなります。中にある点々も、右上がりでそろえましょう。

POINT 4 はね・はらいは流れを意識

「止め」・「はね」・「はらい」はメリハリのある美文字を書くための重要な要素。筆脈を意識して、きちんと流れをつくるようにしましょう。

【文章を書くとき】

POINT 1 中心線と文字の形をチェック

文章の真ん中を通る中心線をそろえることで、まとまりが生まれます。「り」と「う」は背が高いなど、文字の大小や形も意識しましょう。

POINT 2 画数の多い文字は大きく

文章では「漢字は大きく、ひらがなを小さく」が基本。画数の多い文字を大きく書くことで、メリハリのある読みやすい文章になります。

暮らしで活躍する美文字とおすすめアイテム

【手書き文字で思いを伝える】

美しい宛名はバランスがカギ
宛名書きは文字の配置と余白が大切。まずは相手の名前を真ん中に大きく書き、余白を見て相手の住所をひとまわり小さく書くのが失敗しないコツです。

贈り物に気持ちを添えて
贈り物を渡すときにも、手書きのひとことを添えるだけで気持ちが伝わります。お気に入りの便せんやカード選びから楽しんでみてください。

【美文字を綴る愛用品】

1.手になじむ万年筆

「プラチナ万年筆」の万年筆を愛用

万年筆は太さやデザイン違いで複数そろえています。手になじむペンとの出合いも、文字を書く楽しみのひとつ。

2.ガラスペンで色を楽しむ

美しい「ケミーズラボ」のガラスペン

ガラスペンは、使用後サッと洗い流すだけでインクを変えられるのがラク。インクは水色や濃紺が好みです。

大江さんが2025年、新たに挑戦したいこと

「書道教室と高校の書道講師を約10年続けてきましたが、出産を機に仕事のあり方もシフトする予定。2025年は書道教室を継続しながら、オンライン書道教室を準備中。3月のオープンをめざして内容を詰めている最中で、開催が楽しみです」

Lettering:Seihou Oe photograph:Mari Yoshioka text:Nahoko Morimoto
リンネル2025年3月号
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