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医師「試してみて」→『蚊』に刺されてかゆい時…症状を軽くさせる“3つの処置法”とは?【医師の監修】

  • 2025.7.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

夏になると、ふとした瞬間に感じるあの「チクッ」とした痛み。そう、あの蚊に刺されてしまったときの不快感は誰もが経験したことありますよね。しかも刺されたあとのかゆみが長引くと、気になって仕方がない!ついつい掻いてしまい、悪化させてしまうこともしばしば。

今回は、そんな蚊に刺された後のかゆみに悩む方のために、医師の視点から『早く治す方法』をわかりやすく解説していきます。

蚊に刺されるとなぜかゆい?かゆみの原因を知ろう

まず、蚊に刺されてかゆくなるのはどうしてでしょうか?

蚊は血を吸うときに唾液を注入します。この唾液には血液が固まるのを防ぐ成分(抗凝固物質)が含まれていて、身体はそれに対してアレルギー反応を起こします。

この反応で身体はヒスタミンという物質を放出し、刺された場所の血管が広がり赤く腫れ、神経が刺激されることでかゆみを感じるのです。つまり、かゆみは身体の免疫反応のひとつ。かゆみ自体は感染防御の表れですが、掻きすぎると皮膚が傷つき、細菌感染を引き起こすリスクもあります

また、かゆみの度合いや腫れの大きさは個人差が大きく、体質や年齢、過去の蚊刺され経験などによっても変わります。子どもやアレルギー体質の人は、よりかゆみや腫れが強く出ることもあるため注意が必要です

かゆみを早くおさめるための具体的な対処法

では、どうしたらこのかゆみをできるだけ早く和らげ、刺された跡も残さずに済むのでしょうか?医師がおすすめするポイントをいくつかご紹介します。

①掻かない・冷やす

一番大切なのは『掻かない』こと。掻くことで皮膚がただれ、かゆみが悪化しやすくなります。どうしてもかゆい場合は、氷をタオルに包んで10〜15分ほど冷やすと効果的。冷やすことで血管の拡張を抑え、ヒスタミンの作用も和らぎます。

②抗ヒスタミンクリームや軟膏を使う

かゆみ止めの市販薬として、抗ヒスタミン剤やステロイド系軟膏があります。抗ヒスタミン軟膏はかゆみを直接ブロックし、炎症を抑える効果があるため、刺された部分に適量を塗りましょう。

ただしステロイド系は症状が重い場合や長期間の使用は控え、使う前には使い方や注意点を読んでください。小さな子どもに使う場合も医師か薬剤師に相談するのが安心です。

③市販のかゆみ止め内服薬

抗ヒスタミン成分を含む内服薬もあります。特に全身に広がるような蚊刺されや、夜間でどうしても我慢できないかゆみがある時に検討してみてください。

いずれも早めのケアがポイントなので、気になる場合はすぐにこれらの方法を試してみてくださいね。

蚊に刺されないようにするためには…

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

かゆみを『治す』ことも大切ですが、そもそも蚊に刺されない工夫も欠かせません。特に夏場は屋外だけでなく室内にも蚊が入り込みやすいので、予防対策をしっかりおこないましょう。

蚊よけ対策の基本

  • 虫よけスプレーや蚊取り線香を使用する
  • 長袖・長ズボンを着用して肌の露出を減らす
  • 網戸や窓の隙間を塞ぐ
  • 家の周りの水たまりや鉢の受け皿など「蚊の繁殖源」をなくす

また、蚊は暗く湿った場所を好むため、寝る前に部屋を換気して湿度調整をすると効果的です。それでも刺されてしまったら、上で紹介した早めのケアを実践してくださいね。

たとえ刺されても、適切な治療と対策でかゆみと痕を最小限に抑えられます。特に最近ではデング熱や日本脳炎など蚊を介する感染症も注意が必要な場合もあるので、刺されにくい環境づくりがますます大切です

<医師コメント>
肌が弱くて虫よけスプレーが合わない場合は、服や帽子に貼るシールやブレスレットタイプのものが市販されているのでそれを活用すると良いです。

蚊刺されかゆみは正しい知識で早く対応しよう!

蚊に刺されたあとのかゆみは、身体の自然なアレルギー反応から来ていますが、その不快感は日常生活の質を落としやすいものです。掻かずに冷やす、必要に応じてかゆみ止めを使うといった基本的な対処を早めにすることで、かゆみの期間も症状の悪化も軽減できます。

また、蚊除けや環境の整備を日ごろから心掛けて、刺されにくい生活環境をつくることも重要です。何よりも「かゆいから掻く」の悪循環を断つことが、結果的に症状を早く治す近道となります。

蚊に刺されてかゆくなったときは、今回ご紹介した方法をぜひ参考にしてみてくださいね。


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。