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歯科医師「磨き残しの原因に」→実は『歯ブラシの選び方』間違ってるかも…歯科医師が教える、“選び方のポイント”とは?

  • 2025.7.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

毎日の歯磨き、ちゃんと合った歯ブラシを使っていますか?「なんとなくいつも同じのを使ってる」「大きさや硬さってこだわったことない」そんな方、多いはずです。でも実は、歯ブラシの選び方次第で歯の健康は大きく変わるんです。

特にヘッド部分の形やサイズは、歯と歯茎のケアに直結することも。この記事では歯ブラシのヘッド選びのポイントや使うときの注意点を歯科医師の目線からわかりやすく解説します。

歯ブラシ選びの迷い解消!ヘッドのサイズと形状がカギ

毎日使う歯ブラシですが、市販されているものはヘッドの大きさやブラシの硬さ、形が多種多様で「どれを選んだらいいか分からない」という人も多いですね。

歯科医の視点から見ると、適切なヘッドサイズは「口の中で扱いやすく、奥歯にもちゃんと届くこと」が大切です。大きすぎるヘッドは狭い口の中でうまく動かせず、磨き残しの原因に。逆に小さすぎると時間がかかりすぎて続かないこともあります。

具体的には、高さ約1.2~1.5cm、幅約0.7~1.0cmのコンパクトヘッドが一般的におすすめされます。丸みのある形状なら口の中でスムーズに動きやすく、歯と歯茎の境目にも届きやすいといわれています。また、毛先が細かく分かれているタイプや、ブラシに段差があるものは歯の凹凸に入り込みやすく、より効果的に汚れを落とすことができるでしょう。歯並びや口の大きさ、さらには年齢や口腔環境によってベストは変わるので、複数試して自分に合うものを見つけましょう。

硬さも重要なポイント。一般的に「やわらかめ」が推奨されます。硬い毛は一見よく磨けそうに思いますが、歯や歯茎を傷つけてしまうリスクがあります。特に歯ぐきが下がっている人や知覚過敏の症状がある人は、やわらかい毛で優しく磨くことが長く健康を守る秘訣です。

気をつけたい!ヘッド以外の歯ブラシの選び方

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ヘッドサイズや形だけでなく、素材やブラシの耐久性も見逃せません。たとえば、ナイロン製の毛が多いですが、使い始めて1か月を目安に新しいものに替えましょう。毛先が開いた歯ブラシは歯垢の除去効率が落ちているので要注意です。

また、電動歯ブラシを使う場合はヘッド交換のタイミングやサイズも気をつけたいポイント。さらには、磨き方もとても大切。どんなに良い歯ブラシでも、ごしごし力任せに磨くと歯ぐきを傷つける原因になるので、優しく小刻みに動かすのが鉄則です。

ブラシヘッドを歯に対して45度の角度で当てることが基本です。この角度で当てることで、歯茎の境目までしっかり磨くことができます。歯茎部分には虫歯や歯周病の原因となる細菌が生息しやすいため、非常に重要です。

自分にあった歯ブラシを探してみて

歯ブラシのヘッドサイズや毛の硬さは、見た目の好き嫌いや値段の違いだけでは決められない大事なポイント。日々のケアに役立つのは、あなたの口の形状や歯の状態にマッチしたものです。適切な歯ブラシを選ぶことで、むし歯や歯周病のリスクを減らし、歯ぐきの健康も守ることができます

まずは自分の口の大きさに合ったコンパクトなヘッドを選び、やわらかめの毛で優しく磨くことから始めましょう。そして定期検診などでチェックしてもらうことにより、磨き残しや刃の状態やケア方法のアドバイスも受けられます。「自分に合う歯ブラシってどれ?」と迷っているなら、ぜひこの記事のポイントを参考にしてみてください。


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

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昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。