1. トップ
  2. 医師「避けてください」 猛暑日じゃなくても気をつけたい…『熱中症』になったらやってはいけない“NG行動”とは

医師「避けてください」 猛暑日じゃなくても気をつけたい…『熱中症』になったらやってはいけない“NG行動”とは

  • 2025.7.8
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

夏が近づくと気温がグングン上がり、熱中症のニュースが増えてきました。単なる「暑さ負け」と侮ると、体調を一気に崩してしまうことも。特に熱中症になったときの対応は命に関わる大切なポイントです。実は、「よくやりがちだけど危険」という行動もあるんです。

今回は、医師が注意を呼びかける『熱中症になったら避けるべきNG行動』について詳しく解説します。正しい対処法を知って、万が一のときも慌てず冷静に行動しましょう。

熱中症の原因と予防策

熱中症とは、高温多湿の環境で体内の温度調節がうまくできなくなり、体が過剰に熱を持ってしまう状態を指します。具体的には、体温が急激に上昇し、頭痛、めまい、吐き気、筋肉のけいれんなどの症状が現れます。重症化すると意識障害や失神、さらには命の危険も伴うことから、十分な注意が必要です。

この症状が起こる背景には、体が発汗や血管の拡張を使って体温を下げようとする仕組みがありますが、気温や湿度が高いと汗が蒸発しにくく、熱がうまく逃げません。また、水分補給が不足することで血液の流れが悪くなり、熱を運び出す役割が低下します。特に高齢者や子ども、持病のある人は熱中症にかかりやすいと言われています。

熱中症を防ぐためには、こまめな水分補給と環境管理が重要です。例えば、屋外で活動する時は、1時間に1回は休憩を取り、日陰や涼しい場所で身体を冷やしましょう。また、スポーツドリンクのような塩分を含む飲み物を選ぶことで、汗で失った塩分も補えます。室内でもエアコンや扇風機を活用し、室温を抑えることも推奨されています。

さらに、衣服の選び方もポイント。通気性が良く、汗を吸収しやすい素材を選ぶことで、熱のこもりを防げます。熱中症の初期症状としてはだるさや頭痛、発汗異常がありますが、もし周囲の人がこれらの徴候を見せたら、すぐに涼しい場所に移し水分を与えるなど早めの対応が必要です。

熱中症になってしまったら…やってはいけないNG行動

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

熱中症は高温多湿な環境下で体の体温調節がうまくいかず、体内に熱がこもってしまうことで起こります。症状は軽度のめまいから重度の意識障害まで幅広く、一歩間違えば命に関わることも。医療機関での治療が必要なケースも珍しくありません。

熱中症になったらやってはいけない『NG行動』とはどんなものがあるのでしょうか?

  • 無理に運動を続ける:体調不良を感じても「もう少し頑張ろう」と動き続けるのは危険です。熱中症の悪化を招きます。

  • 激しい冷却:氷水に浸けるような急激な冷やし方は体に大きな負担がかかり、筋肉のけいれんや循環不全を起こす可能性があります。

  • アルコール摂取:脱水症状を悪化させるため、熱中症時の飲酒は絶対に避けましょう。

  • 水分を過剰に一気飲み:嘔吐や電解質バランスの乱れを招きます。少量ずつこまめに飲むのがポイントです。水分補給も焦らず少しずつ行うのがコツ。スポーツドリンクなど、塩分やミネラルが含まれている飲料がおすすめです。急に大量に飲むと体がびっくりして吐き気をもよおすこともあります

このような行動は、かえって症状を悪化させる恐れがあります。熱中症になったら正しい対処法を取ることが何よりも重要です。

また、

さらに熱中症が重症化して意識障害や呼吸困難が見られた場合は、すぐに救急車を呼ぶことが必須です。状況を見極めることも、熱中症対応には欠かせません。

熱中症のNG行動を知って、夏を安心に過ごそう!

熱中症は、誰にでも起こりうる身近な危険です。特に猛暑が続く近年は、そのリスクも高まっています。だからこそ、熱中症になった際のNG行動をしっかり把握し、正しく対処することが大切です。

無理に動かない」「急冷やしをしない」「アルコールを控える」「水分は少しずつ摂る」といった基本を守るだけで、重症化を防げるケースが大きく増えます。暑い日が続く時期は無理をせず、自分の体調に敏感になりましょう。いつでも冷静に対処できる知識を持って、元気に夏を乗り切ってくださいね。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。