『水を飲みすぎると太る』はウソ？ホント？ →知らずに体重増加してるかも…意外な“水太り”の真相とは？【医師が監修】

2025.7.2

ダイエットや健康維持のために「水をたくさん飲みましょう！」というアドバイスはよく耳にしますよね。でも、最近では「水の飲み過ぎで太ることがある」とも言われ、ちょっと混乱してしまう人もいるのでは？実は、これには「水太り」という現象が関係しています。

今回は医師の視点も交えながら、水の過剰摂取が本当に太る原因になるのか、またそのメカニズムや改善策についてわかりやすく解説します。水分補給と体重の関係を正しく理解して、健康的な生活を目指しましょう！

水の飲み過ぎで太る？水太りのメカニズムとその疑問

「水を飲みすぎると太る」という話は少し驚きかもしれません。

水そのものにはカロリーがないため、理論上は水分を多くとっても脂肪が増えることはありません。しかし、実際には水の摂り過ぎによって体重が増えたり、むくみやすくなったりするケースが見られます。これが、いわゆる「水太り」と呼ばれる現象です。では、なぜ水の摂り過ぎが体重増加につながるのでしょうか？

まずポイントになるのは体内の水分バランスです。体は一定の水分量を保つ働きがありますが、過剰に水を飲むと調整が追いつかず、一時的に体内に余分な水分が溜まってしまうことがあります。この状態はむくみと密接に関係しています。むくみは体の組織に水分が溜まることで起こり、外見上の体重が増えたように感じるのです。つまり、一時的に見た目がふっくらしたり重くなったように錯覚してしまいます。

また、水太りは単純に「水の飲みすぎ」と片付けるより、身体のホルモンバランスや腎臓の機能にも関連しています。例えば腎臓が水分を適切に排出できない場合やホルモンの異常があると、水分が体に滞留しやすくなり、むくみが強くなることも。ストレスや塩分の摂り過ぎ、運動不足なども合わせて影響を及ぼします。

水太りを防ぐためのポイントと具体的な改善策

水分摂取は健康に欠かせませんが、やはり適量が大切です。では、どれくらいの水分量なら問題ないのでしょうか？

身体活動量や気温によって異なりますが、一般的な目安としては成人なら1日約1.5〜2リットルが推奨されています。汗をかく日や運動をする日はもちろん多めにとっても問題ありませんが、目的もなくただひたすら大量に飲むのは控えましょう。

では、水太りを防ぐためにできる具体的な生活習慣とは？

水をゆっくり飲む：急激に多量の水を飲むのではなく、こまめに少量ずつ摂取することで体の調整が効きやすくなります。
塩分の摂取を見直す：塩分過多は体内に水分を溜め込みやすくし、むくみの原因に。食事の塩分量を気にしましょう。
適度な運動を取り入れる：筋肉のポンプ作用でむくみを減らす他、腎臓の機能を助ける効果も期待できます。
足を高くして休む：むくみが強い時は足を上げて血液と水分の流れを促進すると良いです。

もし水分摂取を控えてもむくみや体重増加が続く場合は、医療機関で相談することをおすすめします。特に腎臓や心臓の病気の可能性もあるため、専門家の診断を受けることが重要です。

水は味方にも敵にもなる！賢く付き合いながら健康を手に入れよう

「水太り」という言葉に一見驚くかもしれませんが、実際には水分過剰摂取によって起こる一時的な体重増加やむくみの現象であり、脂肪が増えるわけではありません。適切な量の水をこまめに摂り、塩分や運動習慣にも気を配ることで、健康的に水分補給ができます。

何よりも大事なのは、自分の体の声をしっかり聞くこと。体調や生活リズムによって必要な水分は違ってきます。またむくみや体重の変動が気になったら、過剰に心配するのではなく、生活習慣を見直したり専門家に相談することが大切です。

水は私たちの体にとってなくてはならない存在です。正しい知識を持って上手に付き合い、「水太り」に振り回されずに毎日を快適に過ごしましょう！

監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。