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「子どものやる気を伸ばしてるつもり」が実は逆効果 … 親がやりがちな“3つのNG行動”とは?【臨床心理士が解説】

  • 2025.6.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

子どもが何かに挑戦するとき、親の声掛けや態度が大きな影響を与えていることをご存じですか?親としては「よく頑張ってほしい」「成功してほしい」と願う気持ちが強いため、つい熱意が空回りし、子どもの“やる気”をかえって損ねてしまうことがあります。今回はそんな親がやりがちな3つのNG行動に焦点をあて、臨床心理士の視点も踏まえて、やる気を引き出すためのヒントを探っていきます。あなたの子育てにもすぐに役立つポイントがきっと見つかるはずです。

もしかしたら子どもの「やる気」を奪っているかも?

子どものやる気は、自己成長や自立にとって欠かせない原動力です。

やる気がしっかりと育てば、困難に直面してもくじけず挑戦を続ける力となり、学習面や社会生活での成功につながります。

しかし、親の行動や言葉が知らず知らずのうちに子どもの意欲を削いでしまうケースは少なくありません。親の指示や否定的な態度は、子どもの自己肯定感を下げ、やる気を低下させる大きな要因となります。

なぜ親が良かれと思ってしていることが逆効果になってしまうのか、その理由を知ることがまず大切です。

親がやりがちな3つのNG行動とその対策とは

まずひとつ目は、「過剰な期待を押し付けること」です。

例えば、子どもが失敗したときに「もっと頑張りなさい」「〇〇はもっとできるのに」と比較やプレッシャーをかけると、子どもは「期待に応えられない自分はダメだ」と感じ、挑戦意欲が萎えてしまうことが多いです。対策としては、結果よりも努力や過程を褒める「プロセス重視」の声掛けが効果的です。

ふたつ目は、「すぐに助けすぎてしまうこと」。

子どもが困っているとつい手を出し、全部やってしまう親も少なくありません。これは子どもの「自分でできる」という達成感を奪い、やる気の減少に直結します。子どもの自主性を尊重し、自分で考えさせる時間と機会を与えることが大切です。

最後に、三つ目は「否定的・批判的な言葉がけ」です。

失敗やミスに対して「またやったの?」「どうしてこんなことができないの?」と叱ると、子どもは自分を否定されたように感じ、やる気を失いやすくなります。失敗は学びのチャンスだと捉え、「次はどうすればいいかな?」と前向きな意見を促す言い方が推奨されます。

これらの行動は親の愛情表現や願いが裏目に出ている場合がほとんどなので、意識して変えることで子どものやる気を引き出しやすくなります。

子どもの「やる気がない」は疲労が原因かも?

また、子どもにやる気が見られないとき、まず疑うべきは「慢性的な疲労」です。

乳幼児であっても、予定が詰まりすぎていたり、習い事など“やらされる”時間が多すぎると疲れてしまいます。

次に、「安心・安全」が足りていないケースも。不安が強いと、やる気どころではありません。正解・不正解で判断しすぎていないか振り返ってみましょう。

また、「遊びの経験不足」も意欲低下の原因に。自然や動物とのふれあい、失敗体験から得る学びが意欲を育てます。

他にも、「親と子の得意分野のズレ」や、発達の節目に見られる「一時的な現象」の可能性も。やる気がないように見えても、無理をさせず、まずは心のサインとして受け止めてあげましょう。

子どものやる気は親の言動で大きく変わる!

子どものやる気は、自分で挑戦し、失敗し、成功体験を積むことで育まれます。親が無意識にしてしまいがちな「過剰な期待」「すぐに助ける」「否定的な声かけ」の3つのNG行動は、子どものやる気をそいでしまう原因となります。

これらを避け、「努力を認める」「自分で考えさせる」「前向きな言葉がけ」を心がけることで、子どもの内側から湧き上がるやる気を支えられるのです。

子育ては試行錯誤の連続ですが、今日からできるちょっとした意識の変化が、子どもの未来に大きな違いを生むことでしょう。


監修者:一般社団法人マミリア 鎌田 怜那

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臨床心理士・公認心理師
保育・教育・心理を学び、現在は子育て支援や発達支援を専門としている。また、3児の母として子育て奮闘中でもある。知識があっても、子育ては難しい! 悩みを語り合える仲間とつながり、「悩める幸せ」をかみしめ、みんなで子育てを楽しもう!