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梅雨時期の『隠れ乾燥』に要注意! 体の内側は実は乾燥している…医師が教える“肌に与える影響”とは?

  • 2025.6.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

エアコンは夏の必須アイテム。でも、その快適さの裏に「隠れ乾燥」という見えにくい問題が潜んでいることをご存知ですか?室内が涼しいからといって油断すると、知らず知らずのうちに肌やのど、体全体が乾燥してしまい、思わぬ健康トラブルに繋がることも。

エアコン利用時に気をつけたい「隠れ乾燥」について詳しく知り、快適さと健康の両立を図るコツを一緒に見ていきましょう。

気づきにくい「隠れ乾燥(インナードライ)」とは

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

肌の乾燥は「肌がカサつく」「つっぱる」といった表面的な症状で気づきやすいものですが、隠れ乾燥(インナードライ)はその逆で、表面は皮脂が多くテカリやすいのに、内側は水分不足で乾燥している状態を指します。

実はインナードライは、ただのオイリー肌や乾燥肌と違い、肌のバランスが崩れているため、放っておくとシミやシワの原因になったり、毛穴が目立ったりと、肌老化の進行を早めてしまう可能性が高いのです。インナードライの原因としてはエアコンの下に長時間いたり、紫外線による肌ストレスなど多岐にわたるため、多くの人が知らずにインナードライ状態になっています。これに気づかずに「油分を減らせばいい」と洗顔やスキンケアを間違うと、かえって肌のバランスを壊すリスクが増えてしまうのです。

隠れ乾燥(インナードライ)を深堀り!具体的な改善方法も解説

では、なぜ肌の内側が乾燥しているのに表面はオイリーになってしまうのでしょうか。その主な原因は、肌のバリア機能の低下にあります。肌バリアが弱ると水分が蒸発しやすくなり、乾燥した内側を守ろうとして皮脂が過剰に分泌される結果、表面はベタつくけれど乾燥している「隠れ乾燥」状態になってしまいます。

改善するには、まず肌に優しい洗顔を心がけ、水分保持力をサポートするヒアルロン酸やセラミドを含むスキンケアアイテムを選ぶことが大切。さらに、保湿成分だけでなく、皮脂バランスを整える成分が配合されたものを使うと効果的です。生活面では、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけ、ストレスを減らすことも肌の回復に役立ちます。近年は皮膚科での専門的なケアやカウンセリングも充実しているので、自己判断が難しい場合は専門家に相談するのもおすすめです。

また、湿度管理も欠かせません。室内湿度を50~60%に保つことが理想とされています。加湿器の利用や、濡れタオルを部屋に干す、観葉植物を置くといった簡単な方法も効果的です。また、エアコンの設定温度をやや高めに設定し、室内気温の過度な低下を避けることも乾燥防止につながります。さらに、こまめに水分を補給など、外からのケアも忘れずに行いましょう。

<医師からのポイント>梅雨の時期だけでなく、肌の乾燥は美肌の大敵です。様々な化粧品や薬品があるので、肌に合った保湿ができると良いと思います。例えば、肌の保湿に特化したヒアルロン酸なども効果的だと考えられます。自分でのスキンケアだけでは難しい方は美容皮膚科を受診してみるのもよいでしょう。

肌の状態を把握することからはじめよう

表面だけでは見えにくい隠れ乾燥(インナードライ)は現代人にとって非常に身近な問題です。肌の内側の水分不足と表面の皮脂過剰が同時に起きるため、ケアを間違うとトラブルが悪化しやすいのが特徴。だからこそ、原因をしっかり理解し、自分の肌に合った優しい洗顔と保湿を取り入れることが大切です。

さらに生活習慣の見直しも欠かせません。ふっくら潤いのある肌を目指して、今日から隠れ乾燥のケアを始めてみてくださいね。


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。