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祖父母が『孫のため』に良かれと思ってやりがち … 実は迷惑な“3つのNG行動”とは?【臨床心理士が監修】

  • 2025.6.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「孫のために何かしてあげたい!」そんな祖父母の思いは家族にとってとてもありがたく、温かいものですよね。しかし、その優しい気持ちが時に「迷惑」になってしまうこともあるのをご存じでしょうか?実は、祖父母が「よかれと思って」やりがちな行動の中には、子育て世代にとって悩みやストレスの原因になるケースも少なくありません。今回は、臨床心理士の監修のもと、祖父母のありがたいけれど困ってしまうNG行動について分かりやすく解説します。あなたの周りにもきっと思い当たることがあるはず!家族の関係をより良くするヒントを探ってみましょう。

なぜ祖父母の“よかれと思って”行動が問題になるのか?

祖父母の優しいサポートは子育てを助ける大きな力になりますが、なぜその行動が迷惑に感じられることがあるのでしょうか?

まず大事なのは「価値観や育児方針の違い」です。祖父母世代と若い親世代では、子育てに対する考え方が大きく異なることが多いです。

例えば、「昔はこうやって育てた」という方法をそのまま押し付けてしまうと、現代の育児スタイルとぶつかってしまいます。

また、間違った情報ではなくても「過干渉」や「過剰な世話焼き」は親の自主性や子どもの自立を妨げてしまいます。こうしたズレがコミュニケーションの摩擦や親の負担感、さらには家族関係のストレスにつながるため、問題として重要視されるのです。

よかれと思ってやりがちなNG行動とは?

具体的によくある祖父母のNG行動を挙げてみましょう。

まず一つ目は「育児アドバイスの押し付け」です。

例えば「もっと食べさせなさい」や「夜泣きくらい我慢させなさい」など、過去の常識で言いがちですが、これが押し付けられると親はプレッシャーを感じます。

二つ目は「過度な干渉」です。

親の育児の時間やリズムを無視して頻繁に訪問したり、勝手に掃除や家事をやってしまったりすると、疲れてしまう親もいます。

そして三つ目は、「子どもへの甘やかし」です。

お菓子の与えすぎやルールを親と異なる厳しくなかったりすると、家庭内でのしつけの一貫性が崩れてしまいます。

これらは意図的な悪意ではなく「孫のため」と思うがゆえの行動なのですが、親子の信頼関係や子どもの安心感を損ねるきっかけにもなります。臨床心理士によると、これらの摩擦はお互いの価値観を尊重し、コミュニケーションを工夫することで大きく軽減できるとのことです。

祖父母との関係に悩むあなたへ 子育てを機に良好な関係を築くヒントとは?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

祖父母との関わりが負担に感じるとき、実は親との関係にしこりが残っている場合があります。

「言いたいことが言えない」「きつく言ってしまう」など、過去の親子関係を無意識に繰り返していることもあるのです。

また、祖父母側が「自分の子育てのやり直し」を孫に託しているケースもあります。その背景を知らずに拒否すると、新たな摩擦を生むことに。

困った関わりが続くときは「なぜそれをするのか?」と理由を聞いてみましょう。昔の話の中から、祖父母なりの思いや反省が見えてくるかもしれません。そのうえで、自分の子育て方針を伝えることで歩み寄れる可能性も。一方で、強い信念から衝突が避けられない場合もありますが、「誰もが通る老年期の課題」と捉えると少し心が軽くなるかもしれません。   

祖父母の愛情を活かすために大切なこと

祖父母が「よかれと思って」やる行動は、根っこに愛情があるからこそ。しかし、子育て世代の価値観やライフスタイルに合わない場合は、ストレスのもとになることも忘れてはいけません。

育児方針についてオープンに話し合い、お互いに歩み寄る姿勢が必要です。また、感謝の気持ちも伝えつつ、困っていることは優しく伝えることで誤解やすれ違いを防げます。

家族全員が笑顔でいられるよう、相手の立場も思いやるコミュニケーションを心がけてみてくださいね。そうすれば「よかれと思って」の愛情がもっと温かく、心地よいものになっていきます。


監修者:一般社団法人マミリア 鎌田 怜那

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臨床心理士・公認心理師
保育・教育・心理を学び、現在は子育て支援や発達支援を専門としている。また、3児の母として子育て奮闘中でもある。知識があっても、子育ては難しい! 悩みを語り合える仲間とつながり、「悩める幸せ」をかみしめ、みんなで子育てを楽しもう!