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もしも、あなたの子どもが『いじめる側』だったら … 親が取るべき“正しいアプローチ”とは?【臨床心理士が解説】

  • 2025.6.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

いじめ問題と聞くと、多くの人はいじめを受けた側の子どもに目が向きがちです。でも、もしも自分の子どもがいじめる側だったら──。そんなシナリオは想像しにくく、つい目を背けたくなるかもしれません。 しかし、いじめる側にまわる子どもにも背景があり、早期の理解と対応がその後の人生を大きく左右します。本記事では、「もしも子どもがいじめる側だったら」というテーマで、その重要性や現状、そして親ができる対応についてわかりやすく解説します。

「いじめる側の子ども」が抱える問題とは

いじめは絶対に許されない行為であり、被害を受けた子どもの心のケアや支援が最優先です。

一方で、いじめに関わった子どもたちやその家族は孤立しやすいのが現実です。

また、いじめに関わった子どもたちも何らかの悩みや不満を抱えていることが多く、その背景に家庭環境や学校でのストレスが影響しているケースも少なくありません。

だからこそ、いじめに関わった子どもにも目を向けた支援が社会的に求められているのです。親としては、「我が子がいじめに関わるかもしれない」という想定を持ち、早期に気づくことが事態の悪化を防ぐ第一歩となります。

いじめに関わる子どもたちの背景と、親としてできること

いじめに関わる子どもがなぜそのような行動に走るのかは、単純な理由では説明できません。

例えば、家庭での厳格すぎるしつけや、逆に放任気味の環境、周囲からの孤立感、学業の遅れやコミュニケーションの困難さなど、多くの要因が絡み合っています。

親がまず心がけたいのは、子どもの言動や様子に敏感になることです。 学校から「トラブルがある」と連絡があった際は、感情的にならず、一緒に話を聞く姿勢を持ちましょう。また、専門機関やスクールカウンセラーの協力を積極的に仰ぐことが重要です。

大切なのは「責める」よりも「どうしてそうなったのか」を理解し、子どもの内面に寄り添うこと。ここでの対応がその後の子どもの成長やいじめの再発防止につながります。

さらに、親ができる具体的な対策としては、日常的に子どもの学校生活について話を聞く、子どもが感情をコントロールしやすくなるような環境を整えること、そして子ども同士の関係を見守る姿勢を持つことが挙げられます。いじめに関わった子どもも、心の成長や環境の変化で行動を改めることが十分に可能なのです。

抱え込まず、スクールカウンセラーや相談機関に

親である自分が、我が子がいじめに関わる理由の一つになっていることもあります。

また、親が幼少から抱えている課題が子どもに受け継がれていることもあります。そのような場合、冷静に寄り添って問題を解決することが難しい時もあります。

子どもにとっても「親だからこそ話したくない/知られたくない」ということがあります。

このような時は、家族だけで乗り越えることが難しいです。子どもや子ども同士のことは園や学校の先生、スクールカウンセラーや相談機関に。 親自身の心の整理も誰かに聞いてもらうことが非常に大事なことになります。

親子や家族で抱え込まず、誰かに話を聞いてもらって解決していきましょう。


監修者:一般社団法人マミリア 鎌田 怜那

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臨床心理士・公認心理師
保育・教育・心理を学び、現在は子育て支援や発達支援を専門としている。また、3児の母として子育て奮闘中でもある。知識があっても、子育ては難しい! 悩みを語り合える仲間とつながり、「悩める幸せ」をかみしめ、みんなで子育てを楽しもう!