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旅するほどに好きになるフィラデルフィア【人気エディター・川口ゆかりの「ふたり暮らしのおしゃれレシピ」第105回】

  • 2025.6.14

ニューヨーク市の南西、ワシントンD.C.の北東に位置する全米で6番目の規模を誇る大都市、フィラデルフィア。長い歴史と知性が息づくこの街を先日、初めて訪れました。想像していたのはもっと無機質で忙しない都会の風景。けれど、実際に歩いてみるとその印象は心地よく裏切られます。

驚いたのは街の中にあふれるグリーンの多さ

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歴史的建造物と並ぶように手入れの行き届いた公園や緑道が街のあちこちに広がっていて、気がつくと深呼吸している自分がいました。

柔らかな木漏れ日の下で過ごす朝、ベンチでゆったりと過ぎていく午後の時間…。自然の優しさにそっと包まれるような感覚がこの街にはあるのです。

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煉瓦造りの建物が並ぶオールド・シティ地区を歩けば、タイムスリップしたような感覚に。歴史ある建築と洗練されたモダンなビルが調和し、どこをどう切り取っても絵になる。世界中から人が集まるのも納得!

2026年はアメリカ建国250周年、そして映画ロッキー公開から50年の節目にFIFAワールドカップの開催都市にも選ばれ、世界中の注目がこの街に集まります。そんなフィラデルフィアの魅力を5つのポイントから紐解いてみたいと思います。

1:本物のアートに出会える

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アートを愛するすべての人にとって、フィラデルフィアはたまらない街。というのも、どの美術館も徒歩圏内にあり、アート三昧の旅が可能だから。

私のお気に入りは「ザ・バーンズ・ファンデーション・ミュージアム」。ルノアールやピカソ、マティス、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャンといった誰もが知る名画が一堂に集約されています。作品の見せ方が一般的な美術館とは少し違うのは、創設者アルバート・C・バーンズの哲学が反映されているのだとか。

世界屈指のコレクションが邸宅のような空間にずらり

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単に作品が並べられているのではなく、ジャンルや時代を超え、作品たちが対話しているかのように配置しているそう。なぜこの2つが隣に? と考えるたびに作品の背景や文化の交差点が見えてきて、自然と知的好奇心が刺激されます。

ただ鑑賞するだけじゃない。考え、感じ、つながりを発見する体験。 美術館というより、静かな哲学のラウンジに迷い込んだような感覚を味わいました。

あの名作映画でも有名な「フィラデルフィア美術館」

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それから、「フィラデルフィア美術館」も外せないスポット。アメリカ有数の規模と質を誇るこの美術館には、印象派やルネサンス、現代アートなど幅広いコレクションは見ごたえたっぷり。まさにアートと映画の聖地です!

「フィラデルフィア美術館」のお隣にある「ロダン美術館」

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ロダン美術館」には地獄の門、バルザック、カレーの市民といったロダンの代表作が並びます。パリ以外では最大規模のコレクション(なんと140点以上!)というからビックリ! 屋外には、考える人が堂々と展示されており、自由に写真撮影もOK。彫刻に興味がなくても、建築・庭園・彫刻が一体となった静謐な空間はきっと心に響くはず。

2:映画の名シーンを自分の足でなぞる体験を

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この街を訪れたら、ぜひとも駆け上がってほしいのが映画『ロッキー』でおなじみフィラデルフィア美術館前の階段。一歩一歩上るたびに感じたのは「人生の主役は、やっぱり自分なんだ」ということ。どんなに小さな一歩でも自分で自分をあきらめなければ、物語は変えられる。『ロッキー』の物語がそう語りかけてくれた気がしました。

階段のふもとには映画を彷彿とさせるフォトスポットも。多くの人がポーズを真似て写真を撮る人気スポットで、私も記念に一枚。

3:お気に入りのカフェで過ごす朝の魔法

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フィラデルフィアの魅力を語る上で欠かせないのは、アートや歴史と同じくらいおしゃれなカフェが数多く点在すること。感度の高いエレ派に強くおすすめしたいのが「ハーパーズ・ガーデン」。心地よい空気感が漂っていて、ふらっと立ち寄っただけなのについ長居したくなる魅力がここにはあるんです。

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ロケーションはもちろんのこと、ヴィーガンメニューも大充実。フレッシュな食材でつくられたサラダや見た目も華やかなプラントベースのボウル、ひとつひとつが丁寧で食べるたびに心と身体がリセットされていく。旅先でも美しくいたい、そんなエレ派にぴったり!

4:心ときめく極上のラグジュアリーステイ

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また、この地には滞在そのものが旅のハイライトになるようなラグジュアリーホテルが揃っているのも見逃せないポイント。街で最も高いビル、コムキャスト・センターの最上階に位置する「フォーシーズンズ ホテル フィラデルフィア」は、まさに空中の楽園。

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重厚感あるインテリア、ミュージアムのような空間美、一流のホスピタリティ。素敵過ぎて…♡

アメリカの建築界の巨匠ノーマン・フォスターと日本人アーティスト杉本博司の美学が融合した空間で、現代アートのインスタレーションのなかにどっぷり浸ってみるのもいいかも。

空の上のバーで絶景を独占

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天井から床まで続くガラスの向こうに広がるのは360度の絶景。街の鼓動を感じながら、グラスの中で弾ける泡にそっと乾杯。このホテルには知性と美意識がしっかり息づいていて、滞在するほどにその奥行きに惹かれていく。

目に映るもの、触れるもの、すべてが心をときめかせてくれる…こんなホテルがあったなんて! 旅好きとしては、ちょっと嬉しい発見でした。

5:世界のトレンドを味わうグルメ体験

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ハンバーガーやホットドッグだけじゃ語りきれないのがこの街の奥深さ。ローカル食材を巧みに使ったタイ料理にスパイス香る中東料理、洗練されたイタリアンまで。世界中の“いま”が集まるダイニングシーンは食いしん坊にはたまらない場所。

なかでもオールド・シティにある「フォーク」は1997年の創業以来、地元の食材を生かしたモダンアメリカン料理の人気レストラン。オーナーのエレン・インは、2023年にジェームズ・ビアード賞の最優秀レストラン経営者に選ばれ、フィラデルフィアの飲食業界を牽引する存在なのだとか 。

ランチタイムにエスカルゴと白ワインを

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こちらでいただけるのは、ペンシルベニア州の地元農家や生産者さんから届く採れたての食材たち。バターとガーリックが絶妙に溶け合ったソースに、ぷりっとしたエスカルゴなんて…超絶美味! 付け合わせのパンにソースを絡めて食べると幸福指数が増します。もちろん、白ワインとの相性も抜群で。食を通して幸せを感じる。そんな感動がここ、フィラデルフィアにありました。

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来年迎えるトリプルアニバーサリーを前に、今だからこそ訪れる意味があるフィラデルフィア。歴史とアート、美食と人の温かさ。すべてが心に響き、旅するほど好きになるこの地をみなさんも訪れてみてはいかがでしょうか。

*この記事は2025年6月14日現在の情報です。

写真・構成/川口ゆかり

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