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今、「地味なプロポーズ」が流行中。「SNS映えしないけど、愛が深まる?」注目される理由を専門家が解説

  • 2025.6.17

かつては「片ヒザをついてのサプライズ」がプロポーズの定番だったが、最近では徐々に変わりつつあり、「クワイエット・プロポーズ」が新たなトレンドとなっている。

たとえば、ダンサーのオティ・マビューズがトーク番組『Loose Women』で明かしたエピソードでは、ある朝、現在の夫が彼女を起こしてこう告げたそう。「あそこを見て。指輪があるよ。結婚する?」。また、ジュエリーブランド「Diamonds Factory」のレポートによると、今ではカップルの約50%が、プロポーズする側ではなく、“ふたりで”指輪を選んでいるという。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

「クワイエット・プロポーズ」とは?

クワイエット・プロポーズとは、派手な演出やサプライズなしに結婚を申し込むスタイルのこと。例えば、家でふたりきりの食事中にさりげなく指輪を渡したり、公園を散歩しながら自然な流れで「そろそろ次のステップに進もう」とふたりで決めたりする。

従来の華やかなプロポーズは依然として根強い人気があるものの、最近クワイエット・プロポーズがトレンドになっているのは、“演出された瞬間”ではなく、“リアルで本物のつながり”を求める人が増えたからではないかと専門家は語っている。

「パンデミックを経て、私たちは大切な瞬間との向き合い方を見直すようになりました。今では多くのカップルが、ふたりにとって特別な思い出になる、よりプライベートで飾らない体験を重視しています」と話すのは、セクシュアル・ウェルネスブランド「Smile Makers Collection」専属コーチで性と人間関係の専門家、マリアン・マルティネス氏。「クワイエット・プロポーズの魅力は、周りの反応やSNSの“いいね”に気を取られることなく、ふたりの感情的な結びつきだけに集中できること。すべての瞬間が“いいね”やコメントのために演出されがちなこの時代、誰にも邪魔されないプロポーズは、まるでふたりだけのささやかな逃避行のようにも感じられるでしょう」

カップルがクワイエット・プロポーズを選ぶもうひとつの理由は、結婚という大きな決断を“ひとりの意思”に委ねず、未来についての対話から生まれる“ふたりの決断”であってほしいと望むから。「人生の大きな決断には、最初からお互いが関わりたいと望むものです。サプライズではなく、パートナーシップを重視し、ふたりで理想のプロポーズを形にしていくことで、関係はより強固なものになります」とマルティネス氏。

クワイエット・プロポーズのメリットとは?

もちろん、クワイエット・プロポーズが誰にでも合うわけではない。ロマンチックな演出を好む人や、「相手からプロポーズされたい」とお互いに合意している場合は、クワイエット・プロポーズが選択肢にならないのも当然。

けれど、一部のカップルにとっては、「クワイエット・プロポーズは社会の期待よりもカップル同士の結びつきを重視し、絆を深めることもあるのです」とマルティネス氏。「感情的なつながりが強まり、ふたりの間により深い一体感が生まれるでしょう」

クワイエット・プロポーズもサプライズになることはあるが、ふたりで一緒に決めるほうが納得できる場合もあり、絆がより強くなることも。「ふたりで決断することで、確かな基盤が築かれます。相手の気持ちを探り合う必要はなく、すでに話し合っているため確信を持てるのです。そうした明確さが、ふたりのビジョンや価値観、未来をすり合わせ、より深い結びつきを生み出します。ふたりで決めるからこそ誤解が生じにくくなり、“完璧に応えなければ”というプレッシャーからも解放されます」とマルティネス氏。

さらに、クワイエット・プロポーズは、プロポーズする側の不安も和らげるという。「プライベートな空間であれば、人前で断られる不安を抱えることもありません」

クワイエット・プロポーズの実践法

クワイエット・プロポーズのほうが自分たちに合っていると感じるなら、マルティネス氏はごく日常の何気ない瞬間に切り出すことを勧めている。「散歩中やのんびりとした日曜の朝、あるいは家でふたりで夕食を囲んでいるときなど、自然に感じられるタイミングで話を持ち出してみてください」

イベント企画スタジオ「Sauveur」の創設者、マシュー・ショウ氏も同意見。「場所を選ぶ際は、あなたにとって特別な場所を選ぶことをお勧めします。お互いが心から“今この瞬間”に集中し、つながりを感じられる場所こそが、忘れられない思い出を作る鍵になるでしょう」

クワイエット・プロポーズは「宣言」ではなく、あくまで「きっかけ」として捉えるのがいいという。「扉を開く、きっかけのようなものです」とマルティネス氏。「落ち着いた姿勢で切り出せば、お互いに構えすぎたり急かされたりすることなく、自然に次の一歩を踏み出しやすくなります。もし相手の心の準備がまだ整っていなくても、それも大切な情報です。もう少し時間が必要なのかもしれませんし、気持ちにズレがあるのかもしれません。どちらにせよ、相手の状況を知らずに推測し続けるよりも、相手の本音を知ることのほうがずっと良いのです」

※この記事はイギリス版ウィメンズヘルスの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Chloe Gray Translation :Yukie Kawabata

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