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物価上昇が止まらない今、どうお金を守る?今こそ知っておきたい資産形成

  • 2025.6.5

世の中で話題になっているマネーや、経済にまつわるトピックをファイナンシャルプランナーの高山一恵先生にレクチャーしてもらいました。経済の知識が身につくチャンスです!この記事では資産形成について解説します。


続くインフレ状況…… 資産形成はやるべき手段

——物価が高騰している今、インフレはまだまだ続きますか? 

高山 このインフレ傾向は続いていくと思います。それを踏まえると預貯金だけだと資産が目減りしてしまうので、投資も行うのがいいですね。

——このインフレっていつから始まったんですか? 

高山 まず、1990年代前半にバブルが崩壊し、そこから不景気になり、デフレの世の中に。100円バーガーをはじめ、安いファストフードがはやりだし、「価格が安いもの」が日本で定着していく。それから、コロナ禍からの回復で世界経済が活発に動きだし、需要に対して、供給が追いついていないことで物価が上昇。また、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギーの供給が抑えられたことで、価格の上昇に拍車がかかったんです。

バブル崩壊後、景気が低迷しだした日本。100円バーガーや100円均一ショップがはやり、物価が安くなるデフレが定着します。コロナ禍からの回復、ロシアのウクライナ侵攻により、物価が高騰しインフレへ。

——コロナ禍からの需要回復がきっかけなんですね! 

高山 コロナ禍ではステイホームが推奨されていたから、外食業や旅行業が閉業したんですよね。コロナ禍から回復したら、みんな外食や旅行を再開したけど、日本は少子化で若い働き手が減っているから、外食業などに人手が戻ってこず、人件費が高騰。さらに、海外から輸入する材料も円安の影響で全般的に上がっている。そういうことが重なり、現在のインフレを引き起こしています。

——なるほど。日本だと社員の給料も上がらないですもんね。

 高山 そうそう。給料が上がればみんなお金を使うようになって消費するから、経済が拡大していくんですけどね。給料が上がらないと節約するだけ。そこで、最近は大手企業を中心に給料を上げてきていますね。

——だから、こういう時代にやっておくといいのが投資なんですね。
 高山 そうですね。NISAで資産形成をするのが、今もっともポピュラー。あとは、給料アップにつながる、自己投資もいいと思いますよ

資産形成を始めるには、 まずは口座開設

どの資産形成を始める場合でも、銀行や証券会社などで口座を開設することが第一歩。ネットバンクやネット証券は、手数料が安く、自宅でも開設できるのでお手軽。商品ラインナップが幅広いというのも魅力。自分にとって身近で訪問しやすいのであれば、店舗型の銀行などを選ぶのも安心です。

高山先生がガイド! 今狙い目の運用商品

▶︎短期で考えるなら
金融・キャッシュレス・半導体・外食、観光、百貨店
トレンドをキャッチして選ぶのがコツ。今年は利上げにより金融株は上昇中。キャッシュレス決済の普及でクレジットカード会社も注目。AIが進化している今、半導体企業も! コロナ禍を経て好調な外食、観光、百貨店企業もチェック。

▶︎長期で考えるなら
医療、介護
日本が抱えている社会的な問題から考えると選びやすい。少子高齢化の観点から、医療や介護の分野は成長するはず。

用語をCHECK!

iDeCo
老後のための資産形成に適しているのがiDeCo。自分で掛け金の金額を決めて毎月積み立てていくもので、原則として60歳まで引き出せない。掛け金が全額所得控除など、メリットが多い。

NISA
少額投資非課税制度のこと。少額から投資でき、運用益が非課税なので初心者でも挑戦しやすい。結婚、出産、住宅購入などライフイベントの多い30代なら、すぐに引き出せるNISAは最適。

個別株
投資信託と異なり、特定の企業の株式に投資すること。投資先が分散されていないので、株式の価格変動によりリスクを受けやすい傾向にある。どちらかというと上級者向け。


解説してくれたのは 高山一恵先生

ファイナンシャルプランナー。中央大学客員講師。女性向けWebメディア「Mocha」を運営。講演、執筆、相談業務にも注力。明るくわかりやすい解説が好評を得ている。

ライターYが聞き込み!

本企画の担当ライター。マネー企画の執筆経験はあるが経済用語に疎い。今回は、基本的な部分から取材を試みる。

監修/高山一恵 イラスト/moeko 構成・文/弓削桃代

※2025年2月取材時の情報です。状況によって制度などが変更になる可能性があります。ご了承ください。
※InRed2025年4月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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