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“早めに手首の形を決める” ツアーを代表するボールストライカー生源寺龍憲のテークバック

  • 2025.6.3
生源寺龍憲(C)Getty images
SPREAD : 生源寺龍憲(C)Getty images

5日から、茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブ・西コースで国内メジャー第2戦となる日本ゴルフツアー選手権が開催される。注目は生源寺龍憲
先月22日から開催された国内メジャー第1戦で、生源寺は清水大成と4ホールまで及んだプレーオフを戦った。結果は生源寺が敗れ、清水がツアー初優勝を飾った。
ツアー選手権では“メジャーでの悔しさはメジャーで晴らす”と言わんばかりのプレーを期待したい。
先月27歳になった生源寺は、2023年の下部ツアー賞金王で24年はレギュラーツアーの賞金ランキング29位。着実な成長を感じさせており、今季さらなる飛躍が期待されていたが、開幕戦でいきなり優勝。賞金ランキングトップで、今最も勢いがある選手である。
今季現時点でバーディ率が1位。ボールコントロール(※)2位に表れているように、ショット精度がバーディ量産につながっているのだが、その精度を創り出しているスイングを見ると、テークバックに目が留まる。
※ボールコントロール:パーオン率順位とトータルドライビング順位を合算しポイント換算した順位。

■ボールコントロール2位

まずはショットのスタッツを見てみたい。身長162センチ体重65キロと小柄だが、ドライビングディスタンスが299.73ヤード20位と、飛距離が出る。そして、フェアウェイキープ率が57.764%で52位タイ。結果、トータルドライビングが9位となっている。
その高いドライバーショットの精度をパーオン率につなげることにも成功しており69.324%で3位だ。アイアンショットも精度が高いのだ。
ちなみに、昨季からすでにショットスタッツの水準が高い。トータルドライビングもパーオン率もボールコントロールも2位だった。

生源寺龍憲ショットスタッツ

■早めのコッキング

手首に角度をつけてクラブヘッドを上昇させる動きをコッキングという。コッキングは、体を回転させながらする選手が多いが、生源寺はコッキングするタイミングが早い。
始動後すぐにコッキングして、後から体を回す、といった流れのテークバックである。
また、この時、腕の動きが小さい。コッキングと体の回転を主にテークバックしている。右手を支点、左手を力点として、グリップエンド側を押し下げるような力を使ってコッキングしており、コッキングする時に右ひじがあまり曲がらない。
腕の動きが小さいからトップオブスイングはコンパクト。さらに、手が体の正面におさまり、手と体の間の空間(ふところ)が広い。
余計な動きを極力無くしたテークバックから、トップオブスイングでスクエアポジションにクラブをおさめているのが、生源寺のスイングの特徴である。

■ストロンググリップ

グリップに注目すると、左手甲が正面を向くストロンググリップ。左手ストロンググリップは、クラブ(グリップ)に対して手の平を上から当てる。小指側を力点として下に押し下げやすいグリップである。
テークバックにグリップの特徴をつなげているわけだが、特徴を打ち消している部分もある。
ストロンググリップはテークバックでフェースが閉じやすいが、生源寺のテークバックを見ると閉じていない。
左手小指側を下に押し下げる時、撓屈(手首を親指側に曲げる)していることでフェースが適度に開いている。

■作陽高校出身

生源寺は作陽高校出身。先週開催された全米女子オープンで優勝争いを演じ、大舞台での強さをあらためて示した渋野日向子と同級生だった。
さらに作陽高校出身選手の中には、米ツアーを主戦場にしている久常涼や日本ツアー屈指の飛ばし屋、幡地隆寛がいる。
どの選手もスケールの大きさが際立つ。
このまま賞金王になり、来季から海外ツアーへ歩みを進める可能性は十分にある。そう思わせるスケールを生源寺からも感じる。
今季現時点で6戦して、優勝が1回、トップ5が4回、トップ10が5回、ワーストでも17位タイ。きっとこれは勢いだけではない。確かな力によるものだろう。

著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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