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なぜ?女子プロが真っ暗闇の中でプレー!米ツアーの意外な洗礼

  • 2025.10.10

9月、ちょうど秋分の日の前週に行われた「ウォルマートNWアーカンソー選手権」は、宮里藍や畑岡奈紗が優勝した日本人選手にとっても相性の良い大会だ。今年の大会には米ツアーでシードを持つ日本人選手13人全員が出場し、今年も日本人優勝者が誕生するのでは?と期待されていた。

真っ暗なホールでアップするも“恐れていた事態”に

初日は無事に終了し、勝みなみが首位に立ち、畑岡もそれを追いかける展開。三日間大会なので、日本人選手の優勝シーンが見られるかも?と期待が高まった。ところが、試合は思わぬ展開に。

二日目となる土曜は、7時10分にスタートする第1組に馬場咲希が入っていた。しかも日の出の時間は7時5分と第1組のスタートの直前だ。日の出前には明るくはなるものの、スタートの約1時間前から練習場で準備を始める選手が多い。馬場も6時過ぎには練習場に入ってボールを打ち始めたが、まだ周りは真っ暗だ。

大会側は、この状態を理解しているので、練習グリーンや打席には投光器が設置され、なんとか明るさを保っていたが、完全に“ナイター練習場”の状態。真っ暗な闇にボールを打っていくと、約100ヤード先まではボールを追えるものの、その先は暗くなってよくわからない。

そんな中でも米ツアーの選手たちは慣れたもので、黙々とボールを打っていく。と、今度は別の“不安要素”が発生。雷雨が接近していたのだ。もちろん、選手たちは天気予報やレーダーアプリで事前に知ってはいたが、どうも雷雲はスタート直後にコースにきそうな雰囲気。それでもまだプレー中止にはなっていないので、スタート時間に間に合うように準備を進めるしかない。

そして、ついに恐れていた事態が起こってしまった。ようやく空が白み始めた午前7時。雷雲接近によりプレーの中止が決まった。練習していた選手たちも仕方なくクラブハウスへ引き上げた。朝のウォーミングアップは無駄足に終わった。

その後、コースは大雨に襲われたが、11時15分になってようやくプレーが開始。馬場咲希は1番からスタートしていった。ところが、プレーが始まって1時間も経たない午後0時1分、再び雷雲が接近したことでプレーが中断となった。結局、この日は終日中止となり、46分間しかプレーできずに日曜を迎えた。

土曜の夜中も地域一帯は何度も大雨に降られ、コースは水没。日曜朝は雨こそ降ってなかったとはいえ、バンカーの砂も流されている状態では試合はできそうにない。また、天気予報は翌月曜、そして火曜まで雷雨が続くと伝え、結局は大会の判断でプレー中止、大会不成立となった。自然の力には勝てないのだ。

ところで、この大会でちょっと不思議な気持ちを持った日本人選手がいる。マンデー予選に出場した原英莉花だ。今年はEPSONツアーに参戦し、来季のLPGA昇格を確実にした。その余裕から今大会のマンデーに出場したが、わずか1打及ばずに本戦出場に失敗。しかし、本戦に出ていたとしても大会が不成立になってしまったことを考えると、出られなくて良かったのか悪かったのか判断に迷う結果になった。

フォトグラファー 田辺安啓 (通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。

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