1. トップ
  2. 刺し身に添えてある“あの菊”、食べるべき or 残すべき? → 意外と知られていない“本当の役割”とは?【管理栄養士が監修】

刺し身に添えてある“あの菊”、食べるべき or 残すべき? → 意外と知られていない“本当の役割”とは?【管理栄養士が監修】

  • 2025.7.3
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

刺し身を頼むと、隅にちょこんと添えてある菊の花。皆さん、一度は「これ、食べていいの?食べちゃいけないの?」と迷ったことはありませんか?食卓を彩る美しい菊ですが、「食用じゃない」「苦い」「飾りだけ」と思われがちです。

しかし、実は食べられる種類もあれば、食べないほうがいい場合もあるのです。今回は「刺し身の菊を食べるべきかどうか」を管理栄養士の視点から、詳しく解説します。

刺し身に添えられた『菊』の意味

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

刺し身に添えられる菊は、その見た目の美しさから料理の飾りとして使われています。しかし日本では、菊の花には食用と観賞用の品種があり、刺し身に添えられるものは主に『食用菊』とされています。

食用菊は、おひたしにしたり甘酢漬けにしたり、さまざまな調理法で食べられています。そのため、食用菊は食べても全く問題はありません。スーパーなどで売られている刺身には、プラスチックで作られた菊がのっていることもあるので、間違えないように注意してくださいね。

菊の花は昔から薬草としての一面もあり、伝統的に薬膳で使われることもありますが、日常的な食事では『彩りと香りを楽しむ』
感覚で取り入れるのがおすすめです

食用菊の栄養価と安全性、そして食べ方のポイント

管理栄養士の視点から言うと、刺し身に添えられる菊は、主に食用として栽培された「食用菊(シナノキクなど)」が使われています。食用菊は独特のシャキッとした食感とほんのりとした苦味や甘みが特徴で、和物やおひたしなどとして食べられることも。

栄養面では、食用菊はビタミンAやビタミンC、カリウム、食物繊維が含まれており、抗酸化作用を持つ成分も含まれています。つまり健康面でプラスになる一面もあるのです。ただし、刺し身の彩りとしてほんの少し添えられている分量は多くないため、大量摂取による栄養をとるというよりは、料理の雰囲気や食感を楽しむ程度と考えるのが現実的です。

一方、安全性の観点では信頼できる飲食店では食用菊を使用していることがほとんどですが、観賞用の菊を使っている可能性もゼロではありません。観賞用菊は農薬使用量が多く、食用には適していないため、注意が必要です。万が一の不安がある場合、「店員に菊が食用かどうか尋ねる」ことが最も確実です。

まとめると、刺し身に添えられる菊は食用であれば基本的に食べても問題ありませんが、苦みが気になる場合や食べ慣れない場合は無理して食べる必要はありません。また、小さなお子様やアレルギーが心配な方は避けるのも賢明です。

菊を楽しむためのワンポイントアドバイス

刺し身の菊を食べる際は、以下の点を頭に入れておくと安心です。

  1. 鮮やかな黄色や白色で新鮮なものを選ぶ
    古くなった菊は味も香りも落ちます。
  2. 初めて食べる場合は少量から試す
    苦味が強い種類もありますので、少量ずつ味を確かめましょう。
  3. 調理されている場合もある
    刺し身に添えられる菊は生のままだけでなく、塩漬けやゆでて軽く味付けされていることもあり、苦味が和らぐ場合があります。

このように、刺し身の菊は単なる「飾り」ではなく、食べても楽しめる食材のひとつです。健康効果も期待できるので、安心できるお店ならぜひトライしてみてはいかがでしょうか?

刺し身の菊は基本的に食べても大丈夫!

刺し身に添えられた菊の花、見た目の美しさから食べるか否かで迷うのはよくあることです。食用の菊であれば食べても問題はありません。

一方で、「必ず食べなければならない」というものではないため、苦みが苦手なら無理に食べなくても問題ありません。次に刺し身を食べるとき、ちょっとだけ菊に目を向けてみてくださいね。


監修者:西島 理衣(管理栄養士)
千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザ所属の管理栄養士。子どもから大人までの食育と栄養指導に携わり、「薬だけに頼らない健康づくり」をサポート。日常生活で実践しやすい食事アドバイスを得意としています。食事から始める健康づくりを、千葉柏駅前健診プラザでお手伝いします。