『ONE PIECE』最初は敵だったのに…仲間となった２人の”共通する力”

2025.6.30

『ONE PIECE』には、当初は敵として登場しながらも、物語が進む中で“麦わらの一味”と強い信頼関係を築いたキャラクターたちがいます。中でも特に印象的なのが、ナミとロビンの2人です。

“信頼”は目には見えないものですが、『ONE PIECE』という物語において、何よりも大切なテーマのひとつ。この“信頼”の重みを体現するような存在が、ナミとロビンなのです。

今回は、そんな“最初は敵だったのに、信頼で結ばれた”2人の女性キャラクターについて紐解いていきます。

※この記事は111巻までのネタバレを含みます。

ナミ

ナミは、作中でも屈指の人気を誇る女性キャラクター。現在は“麦わらの一味”の航海士として活躍していますが、最初から仲間だったわけではありません。

初登場時のナミは、本心を見せず、どこか掴みどころのない態度をとるキャラクターでした。その裏には、深い事情があったのです。ナミはアーロン一味の幹部として行動しており、故郷・ココヤシ村を守るため、海賊たちを欺いては金品を奪う“海賊専門の泥棒”として生きていました。ルフィたちとも、当初は騙すつもりで接触していたのです。

しかし、ルフィの“優しさ”と“しつこさ”、ゾロの“男気”に触れ、ナミはそれまで接してきた海賊たちとは違う、何か特別なものを“麦わらの一味”に感じ始めます。

一度はルフィを裏切ったナミですが、ルフィはナミを見捨てることなく追いかけ、最終的にはナミを苦しめていたアーロンを打ち破ります。この出来事は、ナミにとって過去の呪縛から解き放たれる大きな転機となりました。

正式に仲間に加わったナミは、単なる“優しさ”ではなく、仲間の“苦しみ”や“弱さ”に寄り添える“理解ある優しさ”を持つ存在に成長します。たとえばサンジが一味を離れ、そして戻ってきたときには、自身が受けた恐怖と、再会の喜びを、素直に伝えることができたのです。

ロビン

ロビンは、“麦わらの一味”に加わるまでに、数多くのしがらみや苦悩、葛藤を抱えて生きてきた人物です。

彼女は、“空白の100年”の研究をしていた学者たちが暮らす西の海（ウエストブルー）の島・オハラの出身。その研究が世界政府に知られたことで、オハラは“バスターコール”によって島ごと滅ぼされ、ロビンだけが生き残りました。

当時わずか8歳だった彼女に、政府は7900万ベリーもの懸賞金をかけ、以降ロビンは裏の世界で生きることを余儀なくされます。考古学者として“空白の100年”の謎を追い続けるロビンは、やがてバロックワークスの幹部としてクロコダイルの部下になり、ルフィたちと敵対します。

しかしルフィに敗れたことで、自分の夢も人生も終わらせようとしたロビン。そんな彼女にルフィは手を差し伸べ、強引に助け出します。敗北と救い。この出来事が、ロビンが“麦わらの一味”に加わるきっかけとなりました。

敵の幹部だったロビンを、一味は最初こそ警戒しますが、彼女はずっと一味のために行動を続けていました。ただ、それをうまく言葉にできないだけだったのです。

やがてロビンの過去が明らかになり、世界政府に捕らわれそうになった彼女を、ルフィたちは“エニエス・ロビー”まで追いかけ、ついに“世界政府への戦線布告”という形で救出に向かいます。このとき、ロビンは涙ながらに「生ぎたいっ！！！！」と叫びました。

それは、ずっと拒絶され続けた彼女が初めて見せた“生への願い”であり、ルフィたちとの“信頼”が結ばれた瞬間だったのです。

現在のロビンは、一味の中で数少ない“歴史の本文（ポーネグリフ）”を読み解ける人物。つまり、“空白の100年”の謎を明かす鍵を握る、世界政府にとって最も危険な存在であり、同時にルフィたちにとってはラフテル到達に不可欠な仲間です。

まとめ

今回は、最初は敵として登場しながら“麦わらの一味”と強い絆を結んだ女性たちを読み解きました。

今回紹介したナミとロビンは、どちらも“敵”として登場しながら、ルフィとの出会いによって仲間となり、“信頼”で結ばれていきました。敵だったからこそ築かれた“深い信頼”――。それは、一味の絆をより強く、より本物にしていったのです。

麦わらの一味は、単に役職や戦力で構成されているわけではありません。“信頼”という目に見えない力が、その絆を何倍にも強めているのです。

そしてナミやロビンという“信じたくても信じられなかった過去”を持つ仲間の存在が、一味の中に“人を信じる勇気”を育てているのかもしれません。

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※当記事は、投稿者の許諾をいただいた上で記事化しております。

出典：「ゆっくり考察クリーム」
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