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『節約してるのにお金が貯まらない人』が見落としがち…知られざる“3つの落とし穴”とは?【FPが解説】

  • 2025.6.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「節約しているのに、なぜかお金が貯まらない」という方は少なくありません。節約を頑張っているのに貯金が増えない理由は、節約の方法が非効率で、持続不可能であることがほとんどです。

今回は、ファイナンシャルプランナーとして多くの家計相談を受けてきた経験から、節約しているのにお金が貯まらない人が見落としがちな「3つの落とし穴」について詳しく解説します。

節約しているのに貯まらない「隠れた支出」の正体

節約には、効率的な方法と非効率な方法があります。

まずは、効果が薄い非効率な方法から見ていきましょう。

固定費の見直しを後回しにしている落とし穴

節約するうえで、真っ先に着手すべきは固定費です。

代表的な固定費として、家賃・保険料・光熱費・通信料などが挙げられます。

食費や日用品費の節約を頑張っても、固定費の存在を見落としてしまうと、節約効果は限定的です。毎月自動的に引き落とされる固定費は、一度見直せば半永久的に節約効果が得られるにも関わらず、「面倒だから」と後回しにしてしまう人が非常に多いのです。

例えば、携帯電話料金を月額8,000円から3,000円のプランに変更するだけで、年間6万円の節約です。これは、毎日の食費を200円ずつ節約するのと同じ効果です。固定費の見直しは一度の手続きで済むため、圧倒的に効率的なのです。

「小さな節約」にこだわりすぎる落とし穴

節約意識の高い人ほど陥りやすいのが、「小さな節約」に時間と労力をかけすぎてしまう落とし穴です。

10円安い特売品を求めて複数のスーパーを回ったり、1円でも安いガソリンスタンドを探して遠回りしたりする行動は、時間的なコストを考えるとマイナスになっている可能性があります。

100円を節約するために30分使うよりも、働く時間を伸ばしたり自分の事業に充てる時間を増やしたほうが、長期的に見るとプラスです。節約上手の人は「時間あたりの節約効果」を意識し、効率の良し悪しを的確に判断しています。

「節約疲れ」による反動支出の落とし穴

継続的に節約を頑張るのは素晴らしいことですが、いつか反動が来ます。

普段は食費や交際費を切り詰めているのに、「節約疲れ」による反動で外食をすると、一気に節約の努力が吹き飛んでしまうでしょう。

地道な努力で月に2万円節約しても、反動で3万円の支出をしてしまえば、結果的にはマイナス1万円です。持続可能な節約のためには、常に1円でも支出を抑えようとするのではなく、適度な「息抜き支出」を計画的に組み込むことが重要です。

確実にお金を貯めるための「落とし穴回避法」

節約効果を損なう落とし穴を回避し、効率よく家計を改善するための方法を見ていきましょう。

固定費見直しの優先順位を決める

固定費の見直しを効率的に進めるためには、まず「節約効果の高い順」に優先順位をつけましょう。

例えば、住居費が家計に占める割合が大きすぎる場合は、大家との家賃交渉や引越しを検討します。

通信費については、格安SIMへの変更で月額3,000円以上の節約が可能なケースが少なくありません。必要以上の保険に加入している場合は保障の縮小または解約を行い、保険料を抑えましょう。

「時間対効果」を意識した節約をする

効率的な節約を実現するためには、節約効果を常に意識することが重要です。

時間をかけてでも行う価値があるかどうかを、冷静に考えましょう。

たとえば、メインバンクをメガバンクや地方銀行からネット銀行に変えれば、振込手数料やATM手数料を節約できます。口座開設や設定に時間がかかったとしても、長期的に節約効果が見込める場合、取り組む価値があります。

ストレスを溜めない「息抜き支出」を設ける

節約を継続するためには、「完璧な節約」ではなく「持続可能な節約」を意識しましょう。

固定費の見直しと、食費や娯楽費などの変動費を節約すると、毎月数万円程度のお金が浮きます。

浮いたお金の一部を「息抜き支出」として計画的に予算に組み込めば、節約のストレスを軽減できます。自由に使えるお金を生み出し、使えるルール作りをすることで、罪悪感を感じることなく好きなものにお金を使えるはずです。

ただし、息抜き支出も計画的に行うことが大切です。月初に「今月の息抜き予算は10,000円」と決めたら、その範囲内で楽しみましょう。

まとめ

節約しているのにお金が貯まらない人は、節約方法が非効率である可能性が高いでしょう。固定費を真っ先に見直し、時間対効果を意識し、より効率的で持続可能な節約を実践してみてください。

小さな意識の変化が、最終的には大きな貯金の差を生み出すはずです。


監修者:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。