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アプリで『既婚者』と知らずに交際 …「知らなかった」では済まされない?!→ 騙されたときの“NG行動”とは?【弁護士が解説】

  • 2025.7.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

近年、恋人探しや結婚相手との出会いを目的に、マッチングアプリを利用する人が増えています。しかし、その便利さの裏には思わぬリスクも潜んでいます。たとえば――「実は相手が既婚者だった」なんて事態。
そんな“騙された”恋の結末に、泣き寝入りするしかないのでしょうか?

今回は、実際に弁護士に取材を行い、「既婚者に騙された場合の法的責任や対応策」について詳しく教えてもらいました。

「既婚者と知らずに交際」でも、慰謝料を請求できる?

もし、マッチングアプリで出会った相手が既婚者であり、それを隠して関係を持っていたとしたら――その行為は「貞操権の侵害」にあたる可能性があります。

貞操権とは、自分の意思で性的関係を結ぶ相手を選ぶ権利のこと。この権利を、相手が既婚者であることを隠して侵害したと認められれば、慰謝料を請求できる可能性は高いとのことです。

ただし、慰謝料を求めるためには「証拠」が重要。

相手と性的関係があったことの証拠が必要なため、具体的には

  • ホテルの宿泊記録や領収書
  • 性的関係があったと推測できるメールやメッセージのやり取り
  • 「独身」と偽っていた証拠(チャットやプロフィールなど)

    といったものが必要にあります。

「知らなかった」では済まされない? 不貞のリスクは?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では逆に、自分が相手の既婚を知らなかった場合、「既婚者と知らなかった」と主張しても不貞行為として責任を問われるリスクはないのでしょうか?

原則として、「既婚者であると知らずに交際していた」場合、不貞行為としての責任を問われることはありません。

ただし例外もあり、「通常の注意を払っていれば既婚者と気づけたはず」というケースでは、“過失”とされ、責任を問われるリスクも出てきます。

実際に相手の配偶者から訴えられることもあり得ますが、その際も重要なのは「証拠」。たとえば、交際中の会話やSNS投稿、相手の生活スタイルなどから「本当に独身と信じていた」と証明できれば、請求が退けられる可能性もあります。

アプリで「独身」と偽るのは罪になる?

また、マッチングアプリで「独身」と偽っていた場合、それ自体がすぐに犯罪になるとは限りません

多くの場合は、アプリの利用規約違反や倫理的問題に留まります。

ただし、相手に結婚をにおわせながら金銭を要求するなど悪質なケースでは、「詐欺罪」(刑法第246条)が成立する可能性も。また、性的関係を結ぶ目的で独身と偽っていた場合には、先述の貞操権侵害として慰謝料を請求されることもあります。

仕返しで晒すのはNG!逆に訴えられるリスクも

さらに、「騙された」「裏切られた」という怒りから、相手の素性をSNSで暴露したり、職場に通報したりするケースもあります。
しかし、これは要注意。

名誉毀損や業務妨害、プライバシー侵害といった法的トラブルに発展し、最悪の場合「自分が加害者」と見なされるリスクもあるのです。

問題解決を目指すなら、自力での“報復”は避けるべき。民事で法的責任を追及するなら弁護士に、詐欺被害が疑われる場合には警察など捜査機関に相談するのが、最も安全で確実な対応です。

“恋愛の裏切り”に泣き寝入りしないために

マッチングアプリを介した出会いが当たり前になった今だからこそ、相手の言動に少しでも違和感を覚えたら、慎重な行動を心がけることが大切です。

もし「騙された」と感じたら、感情的な行動に出る前に、まずは冷静に証拠を整理し、信頼できる専門家に相談すること。あなたの心と権利を守るための第一歩となるはずです。


監修者名:ベリーベスト法律事務所 弁護士 齊田貴士

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神戸大学法科大学院卒業。 弁護士登録後、ベリーベスト法律事務所に入所。 離婚事件や労働事件等の一般民事から刑事事件、M&Aを含めた企業法務(中小企業法務含む。)、 税務事件など幅広い分野を扱う。その分かりやすく丁寧な解説からメディア出演多数。