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『炭酸飲料を飲むと骨が溶ける』はウソ?ホント?→ 医師が明かす、“驚きの真相”と飲むときの注意点とは?【医師が監修】

  • 2025.7.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

シュワシュワ弾ける炭酸飲料、「炭酸飲料を飲むと骨が溶ける」という話、聞いたことありませんか?この話を聞くと、つい飲むのを控えたくなる人も多いはず。でも本当に炭酸飲料は骨を溶かしてしまうのでしょうか?

今回は、そんなよく聞く『ウワサ』を医学的な視点からわかりやすく解説し、健康的に美味しく炭酸飲料を楽しむためのポイントも医師の注意点を交えてご紹介します。

炭酸飲料は骨を溶かすという事実は…

炭酸飲料を飲むことにより骨が溶けてしまうということは、結論から言うとウソになります。

では、なぜ炭酸飲料を飲むと骨が溶けるという噂がたつようになってしまったのでしょうか?

まず、1つ目は炭酸飲料に含まれるリン酸が骨のカルシウムを奪うという説。一般的に販売されている炭酸を含む清涼飲料には酸味料が含まれています。歯や骨の主成分であるカルシウムやマグネシウムは、酸に溶けるという性質を持っており、清涼飲料などの酸を含む液体に、魚の骨などを長期間つけておくと溶けてしまうということがあります。

しかし、人間の骨や歯に長期間ずっとくっついているということはないため、炭酸飲料を飲んだからと言って骨が溶けるということはありません。また、リン酸に関しても、炭酸飲料に含まれる量が骨に直接悪影響を及ぼすほど多くはないということがわかっています。

ただし、ここで注意したいのは、炭酸飲料を飲むことで食事からのカルシウム摂取が減ったり、糖分やカフェインの摂りすぎによって間接的に骨の健康に悪影響を及ぼすケース。要は飲みすぎや飲み方にポイントがあるということです。

炭酸飲料と上手につきあうコツ

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

炭酸飲料の摂取にあたり、医師が特に注意を呼びかけているのは、「過剰摂取を控え、バランスの良い食生活と運動を心がけること」です。炭酸飲料には確かに糖分やカフェインが含まれているものも多く、これらの過剰な取りすぎは結果として骨や全身の健康を損なうリスクがあります。

また、糖分の多い炭酸飲料を飲んだ後は口内が酸性に傾くことがあり、これが歯のエナメル質を溶かす原因になることも知られています。骨は歯と違い体内でしっかりと守られていますが、身体全体の健康を考えれば、飲み方を工夫するのが大切です。

例えば、炭酸飲料はごくたまに楽しむ、食事中や食後に飲む、ノンカフェイン・低糖質タイプを選ぶなどの工夫が効果的です。さらに、カルシウムやビタミンD、マグネシウムを含む食品をしっかり摂り、適度な運動で骨を強くする生活習慣も合わせて心がけましょう。

飲み方や量を調整して楽しもう!

「炭酸飲料を飲むと骨が溶ける」という言葉は、一面だけを切り取った誤解や過度な心配から生まれたものと言えます。炭酸そのものが骨を直接悪くするという科学的な証拠はなく、飲みすぎや糖分・カフェインの取りすぎが間接的なリスクとして問題となるのです。

つまり、炭酸飲料はバランスのよい食生活や運動と組み合わせて楽しむことが大切だということを知って、適量を守りながら飲みましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。