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もしも、『電車』で目の前の人が倒れたら…→通勤中に起きた“緊急事態” 知っておくべき“正しい対応”とは?【医師が解説】

  • 2025.6.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

朝の通勤ラッシュ、混雑した駅やバスの中で突然、目の前の人が倒れたら…そんな場面に遭遇したら、あなたはどうしますか?多くの人がパニックになり、声をかけられずに見過ごしてしまうかもしれません。しかし、通勤途中のこうした緊急事態は決して珍しいことではありません。適切な行動がとれれば、倒れた人の命を救う可能性がグッと高まります。この記事では、なぜ通勤途中の急病や事故の対応が重要なのか、そして具体的に何をすべきかを、わかりやすくお伝えします。

もしも目の前の人が倒れたら?

通勤中に突然倒れる人は、決して珍しくありません。長時間の労働や過労持病の悪化や熱中症などが原因となり、多くの人が予告なしに急変してしまうことも少なくないのです。

特に朝の通勤時間帯は混雑しているため、倒れた人にすぐに気づきづらい、あるいは気づいても周囲が騒然として行動を起こせないケースも多いのが現状です。

倒れて意識がない場合は、一分一秒の早い対応が命を左右することがあります。

たとえば心停止の疑いがある場合は、すぐに心肺蘇生法(CPR)を開始しないと、脳に酸素が行かず重篤な結果につながります。

だからこそ、通勤途中にもしもの状況に遭遇した際に、冷静かつ的確な対応ができることは、周りの人の命を救う鍵なのです。

具体的にどうすればいい?

倒れた人を見かけたとき、まず大切なのは自分の安全を確保しつつ、迅速に状況を判断することです。

倒れている人に近づき、「大丈夫ですか?」と声をかけて反応を確認しましょう。

もし返答がなければ、すぐに周囲の人に助けを求め、119番通報をお願いすることが重要です。

特に最近は多くの駅やバス停にAED(自動体外式除細動器)が設置されているため、心停止の疑いがあればすぐにAEDを使うことが推奨されています。AEDは操作が簡単で、誰でも使えるように設計されているので、臆せず使うことが命を救うチャンスに繋がります。

また、心肺蘇生(CPR)やAEDの講習を受けておくと、いざという時に慌てず対応しやすくなります。さらに、昨今のスマートフォン普及で、アプリを使って救急対応の手順が確認できるものもあります。こうした準備や心構えがあれば、通勤中の突然の緊急事態にも自信を持って対処できるでしょう。

加えて、企業や自治体による救命講習の推進も増えており、職場や学校、公共施設での学びの機会を活用するのもおすすめです。通勤時間帯に限らず、街中で倒れる人は誰にでも起こりうること。だからこそ、私たち一人ひとりが「もしも」の時にどう行動すべきかを知っておくことが、社会全体の安全につながります。

あなたの一歩が誰かの命を救うかも

通勤途中に目の前の人が倒れたら、誰でも動揺するかもしれません。

でも、冷静に声をかけて救急車を呼び、AEDや心肺蘇生法を適切に行えば、助かる命はたくさんあります。

いざという時に備えて基本的な救命知識を身につけ、周囲の状況にも敏感になっておくことが大切です。通勤時間は多くの人が集まる場所だからこそ、あなたの素早い対応が、貴重な命を救う大きな力になるのです。安全で健康な毎日を支えるためにも、ぜひ日頃からこうした知識を学び、準備しておきましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。