1. トップ
  2. 「邦画史上に残る傑作」「観ないと損」“緻密な脚本”に絶賛の嵐…“伝説の清純派女優”が魅せた至高の名作映画

「邦画史上に残る傑作」「観ないと損」“緻密な脚本”に絶賛の嵐…“伝説の清純派女優”が魅せた至高の名作映画

  • 2025.6.24

名作と呼ばれる映画の中には、気づけば涙がこぼれているような物語があります。今回は、そんな“思わず涙してしまう名作”を5本セレクトしました。本記事では第2弾として、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(東宝)をご紹介します。昭和の下町で生きる人々の日常…。そのぬくもりと優しさが、今も多くの人の涙を誘う理由とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

「こんなはずじゃなかった…」肩を落とした少女が見つけた居場所とは?

undefined
(C)SANKEI
  • 作品名:映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(東宝)
  • 公開日:2005年11月5日
  • 出演:吉岡秀隆(茶川竜之介 役)

昭和33年、東京タワーが建設中の東京・夕日町三丁目。下町の人々が助け合いながら暮らすこの町に、青森から集団就職で上京した六子(堀北真希)がやって来ます。就職先は、鈴木則文(堤真一)と妻のトモエ(薬師丸ひろ子)、息子の一平が営む小さな自動車修理工場。大きな会社を想像していた六子は、思わず肩を落とします。

一方、向かいの駄菓子屋では、冴えない小説家・茶川竜之介(吉岡秀隆)が、想いを寄せる居酒屋の女将・ヒロミ(小雪)に頼まれ、身寄りのない少年・淳之介の世話を引き受けることに。

不器用だけれど温かな人々と過ごすうちに、六子は少しずつ居場所を見つけ、茶川と淳之介の間にも絆が芽生えていきます。そんな日常の先に、それぞれが見つけた未来とは──。

あったよね、こんな時代…古き良き風景が紡ぐ物語

『ALWAYS 三丁目の夕日』は、昭和33年の東京・下町を舞台にした物語です。東京タワーの建設が進む時代、夕日町三丁目で暮らす人々の姿が、温かなまなざしで描かれています。原作は、西岸良平さんの漫画『三丁目の夕日』

監督は、『ゴジラ-1.0』『永遠の0』の山崎貴さん。CG技術を駆使し、昭和の風景や街並みを丁寧に再現しました。見慣れた東京タワーが少しずつ形を変えながら伸びていく様子が、物語の進行と重なり、時代の流れを映し出します。

六子が上京するシーンでは、当時の上野駅やオート三輪、路面電車が登場。テレビを見ようとご近所が集まる様子など、昭和の暮らしが生き生きと描かれています。この年には、皇太子ご夫妻(現・上皇ご夫妻)のご婚約発表、1万円札の登場といった出来事もありました。新しい時代の訪れに胸が高鳴る、そんな空気の中で紡がれる、町の人たちの暮らし…。

そこにあるのは、懐かしさとぬくもり、そしてほんの少しの切なさ。だからこそ、この作品は今も世代を超えて愛され続けているのでしょう。

SNSでも「昭和33年を緻密に表現した最高傑作」「終盤怒涛の感動の嵐でした」「邦画史上に残る傑作」「観ないと損」

伝説の清純派女優の名演

『ALWAYS 三丁目の夕日』で、東北から集団就職で上京した少女・六子を演じたのは堀北真希さん。不安そうに上野駅に降り立つ姿から、下町の暮らしに少しずつ馴染んでいく様子までを、自然な東北訛りで表現し、第29回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞しました。

堀北さんは後に、自身が演じた六子について、次のように語っています。

私も15歳の時、家を離れて仕事をしていたので、六ちゃんとすごく重なる部分があり、思い入れが深かったです
出典:堤真一、『ALWAYS』舞台挨拶で「13万円ぼったくられても幸せ」(MOVIE WALKER PRESS)2012/1/21配信

SNSでも「訛り演技がレベル高くて驚いた」「純朴で清楚で、堀北真希の演技が光った」との声が多数寄せられています。

その後、NHKの朝ドラ『梅ちゃん先生』に主演するなど、透明感のある演技で注目を集めてきましたが、2015年に俳優の山本耕史さんと結婚。2017年には惜しまれつつ芸能界を引退しています。

観るたびに心がほどける…不器用な人たちが繋いだ“やさしさのリレー”

本作は第29回日本アカデミー賞で作品賞をはじめ主要12部門で最優秀賞を受賞し、話題をさらいました。
なかでも注目を集めたのが、主演の吉岡秀隆さん、助演の堤真一さん、薬師丸ひろ子さんによるトリプル受賞です。

吉岡さんは冴えない小説家・茶川を演じ、ラストで少年と手をつないで歩く姿が「本物の親子のよう」と話題に。堤さんは情に厚い昭和の頑固親父を、薬師丸さんは慈しみに満ちた母親を熱演しました。

貧しくも豊かな日々のなかに、人の優しさと小さな奇跡が描かれているからこそ、本作は「思わず涙してしまう名作」として語り継がれているのでしょう。


※記事は執筆時点の情報です