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管理栄養士「そこに置かないで」→体に影響が出ることも…知らずにやっている“NGな油の保存方法”とは?

  • 2025.6.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

料理に欠かせない「油」。サラダ油、オリーブオイル、ごま油など、家庭のキッチンには色んな種類が並んでいますよね。でも、その油、正しい方法で保存できていますか?管理栄養士が声を大にして注意したいのは「酸化」です。油は空気に触れると酸化が進みやすく、味や香りだけでなく、健康面にも影響が出ることがあります。

ところが、実は多くの人が油の保存方法を間違えていて、知らず知らずのうちに酸化を加速させてしまっているんです。今回は、「NGな油の保存方法」とその理由をわかりやすく解説します。

なぜ油の保存が重要なの?酸化するとどうなるの?

油が酸化すると、まず味や香りが変わります。酸化した油は嫌なにおいがしたりするため、料理の美味しさも損なわれてしまいます。さらに重要なのは健康への影響です。酸化した油を多量に摂取してしまうとお腹が痛くなったり、胸焼けがしたり、ひどいときには食中毒を起こすことも。内臓への負担や健康を損ねるさまざまな病気の原因となる可能性もあります。

家庭で使う油の保存方法は、誰もが簡単にできる健康管理のポイント。だから「何気なく保存している」ことが意外と大きな問題になります。

酸化は「油が空気や光、温度の影響を受けることで起こる化学変化」です。開封した油はどんどん劣化してしまうため、保存方法がより重要になるため、次の章で詳しく見ていきましょう。

どんな油の保存方法がNG?具体的な失敗例と正しい保存のコツ

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

まずやってはいけないのは、開封した油をキッチンの火元近くや、コンロのすぐ近くに置くことです。高温になる場所では油の酸化が急速に進むため、温度管理はとても大切。例えば、コンロ横の調味料ラックに油をずっと置いておくのは酸化の原因になります。

次に、油の容器が透明で光が当たる場所に置いている場合も問題。日光だけでなく蛍光灯の光も酸化を促進してしまうので、遮光性のある容器に入れるか、暗い場所にしまうことが望ましいです。

さらに、やりがちな油の容器を何度も開け閉めすることも酸化を早める要因の1つ。プラスチック容器は、通気性や温度の問題に加え、何度も開け閉めすることで空気が入ります。これが酸化のスピードを上げてしまうのです。油は缶や瓶などの密閉性が高いものを選び、一度で使い切れない場合はこういった容器で保管しましょう。比較的酸化に強いオリーブオイルやごま油も、冷暗所がベストです。

おいしく、安全に。管理栄養士がすすめる油の保存3つのポイント

  1. 高温&直射日光を避けて保存!
    油はキッチンの少し離れた冷暗所に置きましょう。日光や光が当たったり、コンロ近くの熱い場所はNGです。
  2. 密閉できる容器で空気に触れにくく!
    開封後はできるだけ密閉して保存し、使う時以外はふたを閉める習慣をつけましょう。遮光瓶やアルミ缶も安心です。
  3. 使い切りを心がけて、冷蔵保存も検討する!
    油は開封後なるべく早く使い切るのがベスト。

これらのポイントを押さえるだけで、酸化による味の変化や健康リスクをぐっと減らせます。普段何気なく使っている油だからこそ、正しい保存方法を知っておくことは、料理の美味しさと体にやさしい食生活を支える大切なコツです。

いつもの油で健康とおいしさをキープしよう!

油の保存方法一つで味わいや健康への影響が変わること、ご理解いただけましたか?『油の酸化』は体に影響を与えることもある、軽視できない問題です。温度や光の管理、密閉保存、保存期間の見直しなど、ちょっとした工夫で大きな違いを生み出せます。

今日からできる油の正しい保存で、家族みんなの健康を守りつつ、美味しい料理を楽しんでくださいね。


監修者:西島 理衣(管理栄養士)
千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザ所属の管理栄養士。子どもから大人までの食育と栄養指導に携わり、「薬だけに頼らない健康づくり」をサポート。日常生活で実践しやすい食事アドバイスを得意としています。食事から始める健康づくりを、千葉柏駅前健診プラザでお手伝いします。