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ただの昔話じゃなかった…“定番ストーリー”がまさかの逆転で話題沸騰! 新たな価値観を突きつける衝撃作

  • 2025.7.17

“正義”の桃太郎が、“悪者”の鬼を倒してめでたしめでたし――。そんな勧善懲悪の昔話『桃太郎』が題材である漆原侑来による漫画を原作としたTVアニメ『桃源暗鬼』。7月11日より放送がスタートする本作は、“桃太郎が正義で鬼が悪”という私たちの固定観念を揺るがすダークファンタジー作だ。

鬼こそが正義?『桃源暗鬼』が揺さぶる“価値観”

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【(C)漆原侑来(秋田書店)/桃源暗鬼製作委員会】

桃太郎の血を継ぐ男・桃屋五月雨(ももやさみだれ)によって、主人公・一ノ瀬四季の養父が殺されてしまうというショッキングな展開から始まる『桃源暗鬼』。目の前で父親を斬られた四季は、自身が持つ鬼の血を使って復讐することを心に決める。鬼の養成学校“羅刹学園”に入学した四季は、仲間とともに桃太郎の末裔たちとの死闘を繰り広げるのだった。

昔話『桃太郎』では敵側に位置する鬼であり、父親の仇を討とうとする四季。そんな彼が主人公として活躍する『桃源暗鬼』は、“ダークヒーローもの”と言える。ダークヒーロー作品は、世間では悪者に見られるが、強い信念を内に秘めた主人公が大きな魅力。他作品だと、『DEATH NOTE』や『ブラック・ジャック』などもダークヒーローものに当てはまるだろう。王道ではない邪道な主人公や、主人公の闇を抱えた姿に惹かれる人も多い。

そして、『桃源暗鬼』は正義と悪の描き方がひと味違う。それぞれ“桃太郎機関”“鬼機関”を結成し、何千年と抗争を続けている桃太郎と鬼。ただ、“桃太郎機関”が正義かと思いきや、実際は子どもの鬼でも構わず殺したり、実験に利用したりする非道な組織だった。“桃太郎機関”のメンバーの一人・桃宮唾切(ももみやつばきり)は、鬼のことを“蛆”と呼んでおり、子どもの鬼の顔を容赦なく踏みつける場面も。

「正義とされている存在は、本当に正義なのか?」本作はそんな問いを私たちに投げかける。加えて、『桃太郎』という誰もが知る昔話をベースにしながら、私たちの価値観を新しくアップデートするようなストーリーになっているのだ。

アニメ『桃源暗鬼』はバトル描写にも期待大!

『桃源暗鬼』は、“鬼機関”と“桃太郎機関”の異能バトルも見どころとなっている。四季の持つ鬼の力が暴走してしまう場面では、全身真っ黒な姿に変身した彼が、鬼の血を使って無数の銃を出現させる。原作漫画では見開きや迫力のあるコマ割りによって描かれたバトルシーンが、アニメではどのように表現されるのか、期待が膨らむ。

また、“羅刹学園”の教官・無陀野無人(むだのないと)役を務めるのは、神谷浩史だ。神谷といえば、同じくキャラクターボイスを務めた『進撃の巨人』に登場するリヴァイを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。リヴァイは調査兵団のリーダーであり、人類最強の兵士と呼ばれるキャラクター。無人も高い戦闘力を持っており、神谷が“強キャラ”を演じるという共通点の面白さが生まれている。

鬼と桃太郎の末裔の戦いを描き、正義の固定観念を揺さぶる『桃源暗鬼』。『桃太郎』を現代版にしてひっくり返すような、ダークファンタジーのストーリーが大きな魅力だ。昔話とはまったく違う『桃太郎』の物語を、あなたも味わってみてはいかがだろうか。


桃源暗鬼
ABEMAにて毎週土曜24時より最新話を無料放送
[番組URL]https://abema.tv/video/title/675-7
【(C)漆原侑来(秋田書店)/桃源暗鬼製作委員会】

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari