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子どもの苦手意識。英語の読み書きやライティングに大切なのは関連付け。フォニックスもおすすめです。

  • 2025.5.26
ママ広場

英語は読めるけど、文章にすることができない、ライティングが苦手・・・という子どもには、どんな方法が効果的?どういう勉強をしてもらうと良い?今回は、アライブインターナショナルスクール及びアライブイングリッシュスクール校長、三井博美さんにお伺いしました。

今回は、子どもが英語を書くことやライティングに苦手意識を持ってしまった!そんなとき、焦らずに取り組みたい方法をご紹介します。

書くことが苦手、といってもその内容はさまざまです。今回は、同じ内容を繰り返し書かせて練習あるのみ!という方法ではなく、まずは英語を書くことやライティングを好きになることを大切にしたアプローチをお伝えします。

英語の書き取りに苦手意識がある子どもでも、その内容は実にいろいろです。ここでは、多くの子どもたちが経験する初期段階の「文字を書くことが苦手」という悩みと、ある程度英語に慣れてきた後での「英語の文章を作るのが苦手」という悩みにお答えいたします。

アルファベットを書くことが苦手な場合(幼稚園児・小学校低学年)

まずは、少し遠回りですが「書く」より「声に出す」「読む」を優先してみましょう。そして、読めるようになった文字を実際に書いてみることをおすすめします。幼児教育では、この“関連付け”がとても大切だといわれています。

例えば、絵と英単語が含まれている教材を使って、そこに描かれている絵を見ながら単語を発音した後に、その単語をノートに書いてみる。また、家に猫や犬がいるなら、“cat“、 ”dog”などと言いながら最初の文字“c”や“d”を書いてみる。こうした簡単な単語を題材に、遊び感覚で関連付けて取り組むのがポイントです。

また、アルファベットをまだ覚えていない子の場合には、アルファベットのマットを使って音を聞いて文字を指でなぞるなど、歌と一緒に覚えることも効果的です。楽しみながら音の感覚が身につきます。その後に文字を書く練習をしてみてください。日本語の「あいうえお」と同じように、まずはアルファベットの文字1つ1つを覚えるところから始めます。最初は、点線をなぞったり、アルファベットの色塗りをしたりるすことからはじめて文字に意識を向けてもよいですね。このアルファベットの認識は将来の読み書きの基礎になります。このとき、大文字、小文字は別で覚えたほうがよいでしょう。

さらに進んだステップとしては「フォニックス」という音と文字の関連性を学ぶ学習法を利用して、簡単な3文字の英単語を声に出して読んでみる方法があります。似たような音を聞いて、文字を目で追いながら声に出した後にその単語を書くと、格段に記憶に残りやすくなります。

フォニックスと聞くと、少し難しそうに感じるかもしれませんが、ママやパパがフォニックスを知らなくても全然問題ありません。英語の専門知識がなくても、身近な単語を一緒に声に出して読んだり、書いてみたりするだけで十分です。

毎日たくさん覚えようとする必要はありません。たとえば「今日は“A”のつくものを探してみようか!」と、生活の中に英語を取り入れながら書く練習をすると、自然と覚えていきます。

英文字がきれいに書けないとき

年齢が高くなってきて、英語を書くことはできても文字がきれいに書けない場合があります。これは、この書く作業を「早く終わらせたい!」と焦ってしまうタイプの子に多いようです。このような場合には、大きめのマスのノートを使って、丁寧に文字が書けたときに褒めてあげましょう。また、「はみ出さずに書けるかな?」など、ちょっとしたゲーム感覚を取り入れて楽しみながら取り組むのもおすすめです。

毎日、ゆっくり丁寧に書く練習をしていれば、次第にきれいに書けるようになってきます。ただし、あまりにも、ゆっくりとなりすぎている場合には、「少しスピードを上げてみようか」とチャレンジしてみてください。

また、小学生になって学年が上がってくると、学校で習った単語はある程度読めるようになります。とはいえ、知らない単語を読んだり書いたりするためには、前述のフォニックスのルールが大変役立ちます。フォニックスのルールを学んでおくと、新しい単語でも音とつづりのパターンから推測しやすくなります。

実用英語検定試験や資格試験などのライティング対策は?

最近の資格試験では、読解力、論理的思考力、表現力などが求められる傾向にあります。つまり、「言いたいことがしっかりと相手に伝わるか」がカギになります。

「英語の文章が書けない。」「ライティングが苦手。」という子でも、実はその理由は下記の通りさまざまです。

・単語力が不足している
・英文の構造自体がわかっていない
・表現力が足りない
・論理的に文章自体を組み立てられない
・英語そのものではなく、時事問題などの知識が足りていない

ここでは、言いたいことはあるし単語も書けるけれど、それを英語の文章にすることができない!という2つ目のケースを取り上げます。

このタイプの子は、英単語を正確に書けて論理的思考もある程度備わっているのに、英文法のルールがあやふやなことが多いです。これは、文法パターンを覚えることでグンと伸びる傾向があります。

具体的な学習方法としては、英検などでよく出る短い文章を、パターンで覚えていきましょう。例えば、前置詞(at, in, onなど)があやふやな場合は、前置詞を使っている文章を中心に英文を毎日少しずつ書いてみる、など。最初は英文を真似しつつ、次は日本語で書かれたものを英語に直してみましょう。これは、受験勉強にも大変効果的な学習方法です。文章を構造ごと覚えることで、文章を書く土台がしっかりします。

一方で、構造ごとに覚えるというのが合わない場合、毎日書きたい内容を日記にして、アウトプットする機会を増やしましょう。そして、どうしても言いたいことが言えなかった部分だけを取り上げ、辞書などで調べて書くようにしてもよいですね。最初から、全部完璧に書くことにこだわらないように、少しずつステップアップしていきましょう。

また、日ごろから英語の文章を読んで、英語に触れておくだけで自然と文の構成に慣れていきます。

最後に

英語の読み書きに苦手意識を持つ子に必要なのは、焦らず、一歩ずつ、「わかる!」「書ける!」の小さな成功体験を積み重ねていくことです。これが自信につながります。子どもの発達段階や個性にあわせて、それぞれのペースに寄り添いながら英語を一緒に楽しんでみてくださいね。

執筆者

プロフィールイメージ
三井博美
三井博美

株式会社アライブ CEO
経歴
サンフランシスコ州立大学経営学部卒業
名古屋大学大学院法学研究科修了
メーカーやベンチャー企業の海外渉外部門、アジアで海外勤務の経験の後、その経験を活かし2001年に株式会社アライブを起業

「教育の力で世界を変える」という信念をもとに、名古屋市内に「アライブインターナショナルスクール」を始めとする、6つのスクール拠点を展開中です。
生きる力、未来を切り拓く力を持つ世界のリーダーの育成を目標にかかげ、
英会話だけでなく、英語を活用したSDGsやSTEM分野のプログラム、リーダーシップ、起業家育成プログラムなど、ハーバード大学内研究所やシリコンバレーの教育家と連携し、世界最先端の子ども向けプログラムを展開しています。

30以上の園・小学校で教育プログラムも提供。
合同会社アライブシードCEO、公立・私立のキャリア教育講師も兼務。

著書『超エリート英語教育~日常会話を目標にしない子ども英会話』ラーニングス

株式会社アライブ

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