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トム・クルーズ、ヴァル・キルマーのカリスマ性と演技力を称える

  • 2025.5.22
"Mission: Impossible – The Final Reckoning" New York Premiere

トム・クルーズが、今年4月に亡くなったヴァル・キルマーとの共演を振り返り、そのカリスマ性と言葉を発する必要のない演技力を讃えた。ヴァルは1986年公開の『トップガン』で、トム演じるマーヴェリックのライバルで、後に彼の親友となるアイスマンを演じ、続編となる『トップガン マーヴェリック』(2022)でも同役を再演した。トムは、「まず第一に彼が出演してくれたことに本当に感謝しています」と『Sight and Sound』誌のインタビューで振り返る。

「彼に出演してもらうため力を尽くしました。『助演はしたくない。主演がいい』とのことで、当初は出演を渋っていたんです。僕が彼のエージェントに連絡をし、彼を探し出したトニー・スコット監督がエレベーターの中で『お願いだ、ヴァル、どうか頼む』と懇願しました」

アイスマンは、ヴァルが懸念した通り大きな役どころではなかったが、カリスマ性のある彼の演技のおかげで、ほかのどのキャラクターよりも印象に残るものとなった。「彼の演技の良いところは、シーンのトーンを察知することです」

Val Kilmer and Tom Cruise on the set of Top Gun, 1986

お互いに鼻につく存在だったマーヴェリックとアイスマンはたびたび対立したが、トムはロッカールームで一触即発というシーンを例に挙げ、ヴァルの演技を称える。「最終的には友情を築いてほしいと思わせる演技をする必要があった。僕の言いたいことはわかりますよね? 彼が嚙みついてくるあのシーンのことを、まるで昨日のことのように覚えています」

「共演相手が熱中する姿を見るのは爽快です。撮影中、別の世界に連れていかれたような感覚に陥るのがうれしい。『トップガン』を見ればわかりますが、彼は10分くらいしか登場していません。それなのにあれほどのインパクトを残したのです」

Val Kilmer, Tom Cruise in Top Gun

それから40年近い月日が過ぎて、『トップガン マーヴェリック』で再び共演した際も、ヴァルは変わらぬカリスマ性を見せたと続ける。「『トップガン マーヴェリック』の撮影は素晴らしかった。時間がまったく経っていないかのようでした。僕らは笑い、楽しいひとときを過ごした。そして演技を始めたけれど、……お分かりでしょう、彼はまさにアイスマンになったのです」

アイスマンはアメリカ太平洋艦隊司令官にまで登りつめたが、重い病気を患い、話すことが困難になっていた。これは、喉頭がんの治療のため、声を失ったヴァル自身を反映させたものだった。「彼は言葉を発せずして、キャラクターを表現する力を持っている。彼が鼻をすするだけで、アイスマンだと感じさせるんだ。そのおかげで、2人の間にある友情関係が映し出すことができた。僕にとっては、控えめに言っても非常に特別な体験でした。彼には、言葉を発する必要すらなかった。彼にはそれができるのです。本当に美しい体験でした。彼が持っていた才能を、僕らみんなと分かち合ってくれました」

Text: Tae Terai

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