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プロ「意外と見落としがち」→実は『認知症介護』で気をつけるべき…知られざる“2つリスク”とは?【福祉士が監修】

  • 2025.5.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

認知症の介護に取り組む皆さん、日々その責任の重さを痛感していることでしょう。認知症の介護と聞くと、まず頭に浮かぶのは「記憶障害」や「徘徊」、そして「食事や排泄のサポート」といったところでしょうか。しかし、意外にも多くの人が見落としがちなリスクがいくつか存在します。それらをきちんと把握することで、より良い介護生活をサポートすることができるのです。

隠れたリスク「感情の変動」に注意

認知症の介護で意外と厄介なのが、「感情の変動」です。

多くの人が感じるストレスの原因にもなり得ます。認知症の方は記憶だけでなく、感情の制御が難しくなることがあります。突然イライラしたり、急に不安を感じたりと、感情が不安定になるのです。

この感情の変動にうまく対応するためには、認知症の人の気持ちを理解し、共感することが大切です。

「どうしてこんなに怒っているんだろう?」、「何をそんなに怖がっているの?」といった視点で相手を観察し、その原因を探る努力が必要です。

例えば、普段は穏やかな方が急に怒り出した場合、実は何か心配事があるのかもしれません。原因を特定し、その問題を解消することで、気持ちが安定することもあります。

徘徊だけじゃない!「誤服薬」のリスク

もう一つ、意外と見落としがちなのが「誤服薬」のリスクです。

認知症の人々は、自分の行動をうまくコントロールできない場合が多く、これが誤服薬につながることがあります。たとえ、介護スタッフや家族が注意を払っていても、予期しない瞬間に薬を間違えて飲んでしまうことがあるのです。

対策としては、薬の管理を徹底することが重要です。薬は個別にパッケージ化し、時間ごとに分けておくことで間違いを防げるかもしれません。

また、環境を整えることも大切です。薬を視界に入れないようにし、認知症の方が簡単には触れられない場所に置くのも有効な手段です。さらに、薬を投与する際には話しかけながら確認をすることも大切です。

「この薬は何の薬で、どの時間に飲むものです」と説明してあげることで、少しでも誤解を減らすことができるでしょう。

介護リスクの理解と対策が鍵

認知症の介護は、決して簡単なものではありません。

記憶の問題が目立ちますが、感情の変動や誤服薬といった意外なリスクも念頭に置いておくことが必要です。

介護をする中で、相手の立場に立って物事を考え、リスクを未然に防ぐための環境作りを心掛けましょう。これらを見逃さないようにすることで、よりスムーズな介護生活が実現し、大切な家族や利用者との信頼関係を築く一歩となるのです。

認知症の介護に関するさらなる理解と努力が、皆様の介護生活を豊かにしてくれるはずです。


監修者:原田 如庵
主任介護支援専門員(ケアマネジャー)・社会福祉士。
医療福祉の現場で15年以上にわたり、高齢者やそのご家族への相談支援に携わる。地域包括支援センターや在宅介護の現場での経験を活かし、終活やエンディングノート、相続準備など人生のしまい方に関する情報を、現場目線でわかりやすく伝えることを心がけている。