「なぜかヒゲが濃くなった…」→更年期から悪化する『体毛の増加』…驚きの原因と“３つの対策”とは？【医師が監修】

2025.5.29

最近、鏡を見て「あれ、ヒゲが濃くなった？」と感じる女性が増えてきているようです。この変化に驚くかもしれませんが、実はホルモンバランスの変化が影響しています。特に、更年期を迎える女性にとって、体の変化は避けて通れないテーマ。

今回は、ホルモンバランスと見た目の変化について、医師の意見を交えながらお話しします。

ホルモンバランスの変化が原因？

更年期に入ると、多くの女性が体の変化を感じ始めます。

それは、加齢や生活習慣の影響だけでなく、体内のホルモンバランスの変化が大きく関係しているのです。特に、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの減少がポイントになります。エストロゲンは、女性らしい体つきを保つための重要なホルモンですが、更年期に近づくにつれてその分泌量は徐々に減少します。

このエストロゲンの減少と同時に、男性ホルモンであるテストステロンの相対的な割合が増えることがあります。そう聞くと「え、私の体に男性ホルモン？」と驚くかもしれませんが、実は女性の体にもテストステロンは存在しており、これが増えることでヒゲが濃くなるといった変化が現れることがあるのです。

なぜヒゲが目立つ？具体例と背景について

では、なぜ更年期になるとヒゲが目立ちやすくなるのでしょうか。

これは、ホルモンバランスの変化による体の影響が具体的に現れるからです。一般的に、エストロゲンは皮膚の厚みを保持し、髪や皮膚に健康を与える役割をしています。このホルモンが減少すると、皮膚が薄くなり、毛穴の目立ちやすい部分に変化が見られることが。また、テストステロンが活発になると、ヒゲや体毛が濃くなることがあります。

さらに、体質や遺伝的要因も無視できません。家族に同様の症状がある場合、自分も似たような体の変化を感じる可能性が高まると言われています。そして、ストレスや食事、生活習慣もホルモンバランスに影響を与えるため、日常生活の見直しが不可欠です。ジャンクフード中心の食生活や運動不足は、ホルモンバランスを乱す要因として知られており、状況を悪化させる可能性があります。

さまざまな解決策と対処法

ホルモンバランスの乱れが原因であるため、婦人科でのホルモン補充療法（HRT）や、漢方薬の使用が効果的な場合があります。これらの治療法は、医師と相談の上で検討することが重要です。

2. 脱毛・除毛

気になるヒゲに対しては、脱毛や除毛が有効です。医療脱毛や家庭用脱毛器、除毛クリームなど、さまざまな方法があります。ただし、肌への刺激を避けるため、敏感肌の方は使用前にパッチテストを行うなど、注意が必要です。

3. メイクでのカバー

メイクでヒゲを目立たなくする方法もあります。コンシーラーやファンデーションを使って、顔色と合わせてカバーすることで、目立ちにくくすることができます。特に、口周りや顎下の影を作らないように注意すると効果的です。

身体の変化を受け入れて、気になるようなら対策を

更年期によるホルモンバランスの変化は、ヒゲの増加を引き起こす一因となります。この悩みに対しては、ホルモンバランスの改善や脱毛・除毛、メイクでのカバーなど、さまざまな対策があります。自分に合った方法を選ぶことで、日常生活でのストレスを軽減し、快適に過ごすことができます。

どうしても気になる場合は、専門の医師に相談してみましょう。

監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。