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毎日『完全栄養食』を食べ続けるとどうなる…? 医師が教える『気をつけたいワケ』とは【医師の監修】

  • 2025.7.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

今話題の「完全栄養食」。これ1つで必要な栄養素が摂れると聞くと、忙しい現代人にとって夢のような食事だと感じませんか?しかし、一方で中身がよくわからなかったり、どのくらい食べていいかわからないという声も。

この記事では、完全栄養食を毎日食べ続けることのメリットと気をつけたい点をわかりやすく解説します。気になっている方はぜひ最後までお読みください。

完全栄養食とは?

まず、「完全栄養食(完全食)」とは何かを改めておさらいしましょう。日本で販売されている完全栄養食は、厚生労働省の定める「日本人の食事摂取基準」に基づいて、1食で人間が必要とする主要な栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど)の3分の1以上をバランス良く含まれている食品や食事のことを指します。

麺やパンなどの主食タイプ、ドリンクタイプ、クッキーやグミなどの補助食品タイプなど、さまざまな完全栄養食がスーパーやコンビニなどで売られています。食材を何種類も買ってきて調理する必要がなく、手軽に必要な栄養素を摂取できるのが嬉しいポイントです。

しかし、もちろんこれだけを毎日・毎食食べていればよいかといわれたそうではありません。完全栄養食で気をつけたい点について、みていきましょう。

完全栄養食を食べる上で気をつけたい点

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

それでは具体的に、気をつけたい点を見ていきましょう。まず注目されるのが『長期的な栄養バランスの偏り』です。例えば、食物繊維やフィトケミカル(植物由来の健康成分)は、さまざまな野菜や果物を食べることでしか十分に摂取できません。完全栄養食は効率的に栄養素を補える一方で、こうした自然由来の微量成分は不足しがちで、免疫力の低下や腸内環境の悪化といった問題に繋がる可能性があります。

また、商品によっては、咀嚼の回数が少なくなってしまう場合があります。そのため、長期的に毎日完全栄養食だけを食べる場合、咀嚼回数が減ることで顎周りの筋力が衰える可能性が。また、満足感を得られにくい場合もあるため、お菓子などの量が増えてしまう場合もあるので気をつけましょう。
また、満足感の得られにくい商品も多くあり、食事への取り入れ方に工夫が必要です。

改善策としては、完全栄養食を「補助的に利用する」というアプローチが良いでしょう。例えば忙しい時の1食や間食として活用し、それ以外の食事では多様な食材から栄養素を補うことがポイントです。

完全栄養食は上手に取り入れて賢く健康管理!

完全栄養食は栄養バランスを手軽に整えられる便利な食品として注目されていますが、毎日それだけを食べ続けるのはおすすめできません。食事は栄養だけでなく、心や体のさまざまな要素に影響を与えるため、バランスの良い食生活と適度な食事の楽しみが大切です。

賢く完全栄養食を取り入れるなら、普段の食事との組み合わせや、身体のサインをよく観察しながら使うことがポイント。さまざまな食材から栄養を摂り、心身ともに健康な毎日を目指していきましょう。


監修者:APOLLO BEAUTY CLINIC 鬼沢正道

2012年日本大学医学部を卒業。同年、慶應義塾大学病院にて初期臨床研修を行う。2014年、慶應義塾大学医学部整形外科学教室に入職。2016年、大手美容外科クリニックに勤務。2020年に「APOLLO BEAUTY CLINIC」(https://apolloclinic.jp/)を開業。2023年、医療法人社団賢叡会を設立、同理事長に就任。