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毎日エナジードリンクを飲み続けるとどうなる?→医師が語る『NGな理由』とは【医師の監修】

  • 2025.7.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

仕事の合間や勉強中に手軽に飲めるエナジードリンク。カフェインと糖分でパワーチャージできるから、つい毎日飲みたくなりますよね。でも実は、毎日の習慣にすると体に思わぬ負担をかけるかもしれません。

今回は、医師の視点から「なぜエナジードリンクの毎日飲むのがNGなのか」をわかりやすく解説します。

毎日何本も飲む人は注意!

エナジードリンクは仕事で疲れているときや、集中したい時に手軽に飲めるドリンクとして若い世代を中心に人気です。しかし、毎日飲み続けることで起こるリスクがあることも知っていますか?その答えは、エナジードリンクに含まれるカフェイン量の多さと糖分の過剰摂取にあります。

カフェインは適度に摂ると眠気覚ましや集中力アップに役立ちますが、過剰になると不眠や心拍数の乱れ、不安障害を引き起こしかねません。また市販されている製品の中には1本でコーヒー以上のカフェインを含むものもあり、毎日複数本飲む人は知らず知らずのうちに過剰摂取の状態に陥ることがあります。

さらに糖分も大量に含まれているため、メタボリックシンドロームや糖尿病のリスク増大につながる恐れがあります。つまり毎日の習慣は、短期的な「活力チャージ」どころか、長期的に見ると体に悪影響を与える可能性が否めないのです。

エナジードリンクの過剰摂取による影響

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、具体的にどんなリスクがあるのか、深掘りしましょう。

農林水産省のウェブサイト※によると、下記のように記載されています。

カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。

まず、カフェイン過剰摂取による心臓への負担です。カフェインは心拍数を上げ血圧を一時的に高める作用があり、毎日の大量摂取は不整脈や動悸、血圧異常を招くこともあります。特に心臓病のリスクがある人には危険です。

次に、神経系への影響も無視できません。過剰なカフェイン摂取は不安感やイライラ、不眠症状を助長し、精神的な健康にも悪影響が出ます。若者や学生では注意力散漫や学業への悪影響も報告されています。さらに、糖分の過剰摂取は肥満や糖尿病に直結しやすく、免疫力低下を招くため、日々の疲労回復どころか体調を崩しやすくなる可能性も高まります。

エナジードリンクを過剰摂取し続けることにより、複合的な健康リスクがある可能性があります。ただし、もちろん1日の摂取量をきちんと守っていれば問題はありません。

ただし、注意したいのはエナジードリンク以外のカフェインの摂取量。いくらエナジードリンクの摂取量を守っていても、コーヒーなどカフェインが含まれているものを大量に摂取していたらカフェインの過剰摂取となるため、自身の摂取量をきちんと把握することから始めましょう。

※ 出典:農林水産省ウェブサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html)

適切な量を飲むことが大切

エナジードリンクを飲み続けることで、一時的に集中できたり、元気になる感覚になりますが、そこに潜む健康リスクは決して軽視できません。カフェインや糖分の過剰摂取によって、心臓や神経、内臓への負担が積み重なり、慢性的な体調不良や生活習慣病に発展する可能性があるのです。

とはいえ、エナジードリンクを全く飲んではいけないわけではなく、適度な量で上手に利用し、睡眠や食事、休息をしっかりとることが何より大切。健康を守りながら元気をチャージするため、エナジードリンクとの付き合い方を見直すよい機会にしてみてはいかがでしょうか。


監修者:APOLLO BEAUTY CLINIC 鬼沢正道

2012年日本大学医学部を卒業。同年、慶應義塾大学病院にて初期臨床研修を行う。2014年、慶應義塾大学医学部整形外科学教室に入職。2016年、大手美容外科クリニックに勤務。2020年に「APOLLO BEAUTY CLINIC」(https://apolloclinic.jp/)を開業。2023年、医療法人社団賢叡会を設立、同理事長に就任。