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医師「病気のサインかも」→更年期や閉経後におこる『おりもの』の変化 … 原因と“注意すべき症状”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「あれ?なんだか最近、おりものの様子が違うかも?」そんな風に感じることはありませんか?女性の体は時間と共に変わり続け、それに伴っておりものも変化していきます。特に更年期や閉経後には、これまでとは異なる変化が見られることがあります。実はその変化、体が教えてくれる病気のサインかもしれません。この記事では、更年期や閉経後におこるおりものの変化について、その原因を徹底的に解説していきます。

更年期・閉経後のおりもの、なぜ変わる?

まず知っておくべきは、更年期や閉経後におこるおりものの変化は自然な現象だということです。

女性の体は年齢を重ねるとともにエストロゲンというホルモンが減少していきます。このホルモンの減少こそが、おりものの量や状態に変化をもたらす主な原因です。おりものは膣の健康状態を示すバロメーターで、通常、膣を清潔に保ち感染を防ぐ手助けをしています。

更年期を迎えると、ホルモンバランスの変化によりおりものが少なくなったり、粘度や色が変わったりすることがあります。また、閉経後は膣の潤いが減少しがちで、おりものが少なくなったり、粘っこくなることも。こうした変化は自然なものですが、それがどのような病気のサインである可能性があるかを知ることは重要です。

変化の裏に潜む可能性、病気のサインを見逃さないために

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

おりものの変化には、時には注意を要するサインが隠れていることがあります。

例えば、色やにおいの変化、量が急に増えた場合は、感染症や他の疾患のサインかもしれません。細菌性膣炎やカンジダ症などの感染症では、おりものの色が白や黄、緑っぽくなり、においも通常とは異なることがあります。また、かゆみや痛みを伴う症状が出ることもあります。

また、女性ホルモンの分泌が減る更年期以降に起こりやすい「膣萎縮症候群」という状態になることがあります。

膣の粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなる症状のことを指します。こちらも体内でのエストロゲン(女性ホルモン)の減少が主な原因となっています。エストロゲンの減少に伴い、膣の組織が薄くなり、弾力性が失われ、潤いも減ってしまいます。これにより、膣の乾燥や痛み、違和感を引き起こし、さらには性交時の痛みや尿路感染症のリスクも増加します。早期発見と早期治療が重要ですので、これまでと異なるおりものの変化を感じた場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。

違和感は放置せず、早めの受診を

おりものの変化は身体からの大切なメッセージです。加齢とともに自然に変化するものですが、中には感染症や他の病気による変化もあります。

年齢のせいだと放っておかず、気になることがあったら早めに医師の診断を受けましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。