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医師「悪化させる原因に」→実は『頻尿や尿もれ』を招いているかも…“意外な原因”と対策とは?【医師の監修】

  • 2025.5.30
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日々の生活の中でふとした時に「トイレが近い気がする…」と感じたり「尿漏れをしてしまう」という経験がありませんか。そんな状況は恥ずかしかったり不安だったりしますよね。でも、実はその原因がストレスにあるかもしれません。多くの方があまり考えないことですが、ストレスと頻尿には深い関係があります。今回はそのメカニズムや対処法を詳しく解説していきます。

ストレスと頻尿の意外な関係

まず最初に知っておいてほしいのは、ストレスが体の様々な部分に影響を与えるということです。

心が緊張したり不安になったりすると、自然と体もその影響を受けてしまいます。

例えば、ドキドキしたり胃が痛くなったりという経験はありませんか?こうした変化のひとつとして、膀胱の動きが過敏になり、頻尿や尿漏れにつながることがあります。

この状態は「膀胱神経症(神経性頻尿)」とも呼ばれています。膀胱神経症の症状は、頻尿、疼痛(痛み)、尿意切迫感(尿意を感じると我慢ができない)が主で、精神的・心理的な原因が多いといわれています。

ストレスホルモンとして知られるコルチゾールが体内で多く分泌されると、膀胱の筋肉が緊張しやすくなり、結果として排尿の頻度が増すというわけです。

もっと深く知りたい、ストレスと体のメカニズム

より詳しく見てみましょう。ストレスによって自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。

このバランス崩壊が、膀胱の働きに影響を与える重要な要素です。特に、交感神経は体を活動的にする方向に働き、緊張状態を作り出すのに対し、副交感神経はリラックス状態を促進します。

ストレスによって交感神経が優位になると、膀胱や尿道の筋肉が緊張しやすくなり、頻尿や尿漏れといった症状を招くのです。

また、ストレスがかかると、多くの場合生活のリズムが崩れたり、睡眠不足が続いたりしますよね。こうした生活習慣の乱れも尿意をコントロールする力を弱め、頻尿を悪化させる原因になり得ます。

例えば、夜間の頻尿もストレスや不安による睡眠の質の低下が影響している場合があるのです。

尿漏れと頻尿を防ぐためにできること

まず何よりも大切なのは、ストレスを上手にコントロールすることです。

ヨガや瞑想、軽い運動はストレスを解消するのにとても効果的です。また、適切な睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を心がけることも重要です。

さらに、膀胱トレーニングとして、少しずつ排尿のタイミングを遅らせる訓練をすることで、膀胱に尿をためる能力を高めることもできます。もし、日常生活に支障をきたしていると感じる場合は、迷わず専門医の診断を受けることが必要です。

医師からのアドバイスや必要に応じた治療を受けることで、快適な生活を取り戻すことができます。

おわりに

ストレスと頻尿には深い関係があり、心のケアが体の健康に直結しています。

不安なときや大変な時期にこそ、自分自身を見つめ直し、体と心の声に耳を傾けることが大切です。

適切な対処法を身につけ、ストレスを上手に管理できれば、頻尿や尿漏れはきっと改善できます。自分に合ったリラックス法を取り入れて、毎日を快適に過ごしましょう。 


監修者:大嶺卓司(腎・泌尿器科おおねクリニック 院長)

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京都府立医科大学・大学院卒業。京都府立医科大学泌尿器科学教室元臨床教授。
“世の光であれ!(来院することで元気になれる希望の光のように)”、”守侍医として(患者さんの側に侍り、病から守る)”、”地域の健康ステーション”を基本理念として、泌尿器科専門医としての専門性を生かし、地域のかかりつけ医として貢献したいと考えています。

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