若い時と違う気がする…更年期に気になる『夜の営み』→体の変化や対策とは？【医師が解説】

更年期を迎える多くの女性にとって、身体的な変化は避けられないテーマです。中でも「性生活」に関する変化や、それに伴う痛みといった問題は、相談しにくいものでしょう。

こういった変化は、ホルモンバランスの変化とも密接に関連しているといわれています。この記事では、これらの症状とその原因について医師の解説の下、詳しく説明していきます。

更年期の性生活でおこる変化とは？

女性ホルモンは、エストロゲン（卵胞ホルモン）とプロゲステロン（黄体ホルモン）という2種類のホルモンのことで、更年期が近づくとこの女性ホルモンの分泌が変動します。このエストロゲンが膣の潤滑作用に大きく関与しており、その減少は潤滑不足につながることがあります。

それにより、性交時に痛みを感じることが増えたり、乾燥により時には出血を伴う場合もあるのです。また、精神的な影響もあると言われています。一度性交痛を感じた場合に「次も痛いのではないか」と考えてしまい悪いサイクルができてしまうことも。

痛みを感じた場合は、我慢するのではなく、早めに医師や専門家に相談してみましょう。

まずは、潤滑剤の使用があげられます。膣用の保湿ジェルや潤滑ゼリーはドラッグストアなどで購入でき、潤滑を助ける役割を果たしてくれます。

ただし、これは一時的な対処法であるため、気になる場合は医師や専門家への相談も。医師の指導の元、内服薬、貼付薬、ジェルなどでのホルモン補充療法（HRT）を行う場合があります。

また、日常生活に取り入れられることとしては、更年期の症状を緩和させるために、バランスの取れた食生活、適度な運動を心がけることで、ホルモンバランスの安定に寄与する可能性も。

更年期における身体の変化は、多くの女性が避けられない課題です。性生活の変化は誰もが経験する事象であり、大事なのは違和感をそのままにせず、必要なサポートを得たり、生活を見直してみましょう。

また、パートナーの理解も重要なポイントです。パートナーとも体や心の変化についての話をしっかりとしたうえで、頻度や方法などを一緒に考えていきましょう。

監修者：浅草橋西口クリニックMo 峯陽子

大学病院にて乳癌診療に従事する傍ら、地域のクリニックでは内科、皮膚科、泌尿器科を担当。女性の健康や体の不調に関する診療経験が豊富で、幅広い知識に基づいた診療を行う。

浅草橋西口クリニック（https://asakusabashi-mo.jp/）