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医師「重大な病気が隠れているかも」→男性の『尿もれ』放置しないで…気をつけるべき“意外な2つの病気”とは?【医師が監修】

  • 2025.5.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

突然ですが、あなたは「尿もれ」と聞いてどんなイメージを持ちますか?年齢を重ねた女性の問題?

いいえ、実は男性にも身近なものなのです。特に中高年以降の男性が直面することが多いこの問題、実は見過ごせない健康のサインとなることがあります。

「ちょっとだから…」と見逃してしまいがちな尿もれ。実はそれ、放置してはいけない病気のサインかもしれません。今回は、男性の尿もれが示す可能性のある病気と対処法についてお話ししましょう。

ちょっと待った!男性の尿もれの背景とは?

尿もれは、一言で表現すると尿を思い通りにコントロールできなくなる現象です。

男性の場合、特に気をつけたいのは前立腺のトラブルです。

加齢とともに前立腺が肥大しやすくなることにより、尿道を圧迫して尿もれを引き起こすことがあります。これは「前立腺肥大症」として知られています。

また、過活動膀胱という状態でも尿もれが生じることがあります。これは膀胱が過敏になり、少量の尿でも過剰に反応してトイレが近くなる症状です。

そして怖いのは、これらの背景に重大な病気が隠れている場合があることです。最も注意が必要なのが前立腺癌

初期の段階では特に症状が現れにくい厄介な病気ですが、尿もれといった些細なサインを見逃さないことが重要です。定期的な健康診断や専門医による精密検査が推奨されます。

具体的なサインを見逃さないで!予防と対策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

尿もれの症状には、いくつかの特徴的なサインがあります。

例えば、夜間の頻尿、一度の排尿で出る尿量が少ない、排尿時に痛みを感じる、また急に尿意を催すがトイレまで我慢できないなど、これらはただの加齢現象と思われがちですが、実際には早期診断が必要なこともあります。

じゃあ、どうすればいいの?と疑問を持つ方も多いと思います。まずは専門医に相談することが第一です。

泌尿器科の医師は、問診や尿検査、超音波検査、さらには必要に応じて膀胱鏡検査などを行い、尿もれの原因を徹底的に調べてくれます。

また、予防策として生活習慣の見直しが効果的です。食生活のバランスを整えたり、過度なアルコールやカフェインの摂取を控えたり、適度な運動を心がけることが推奨されます。

特にケーゲル体操と呼ばれる骨盤底筋の強化運動は、尿もれ予防に非常に有効です。自宅で簡単にできるため、日常生活に取り入れてみることをお勧めします。

尿もれに悩んでいるあなたへ

尿もれは多くの男性にとってデリケートな問題であり、相談しにくいことかもしれません。

しかし、その背後には放置してはいけない病気が潜んでいる可能性があります。健康は何歳になっても大切はもの。もし思い当たるふしがあるなら、まずは専門家に相談し、適切な対策を講じてください。

尿もれをきっかけに、健康への意識を高めることができたなら、それは決して恥ずかしいことではありません。「放置」ではなく「対策」を。自分自身に合った健康維持の方法を見つけ、前向きに生活を楽しんでください。 

<ポイント>50歳以上の男性では何らかの自覚症状が見られたり、検診や人間ドックで異常を指摘された場合、一度受診をお勧めします。


監修者:大嶺卓司(腎・泌尿器科おおねクリニック 院長)

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京都府立医科大学・大学院卒業。京都府立医科大学泌尿器科学教室元臨床教授。
“世の光であれ!(来院することで元気になれる希望の光のように)”、”守侍医として(患者さんの側に侍り、病から守る)”、”地域の健康ステーション”を基本理念として、泌尿器科専門医としての専門性を生かし、地域のかかりつけ医として貢献したいと考えています。

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