医師「放置しないで」→実は『足の爪の変化』はそのままにすると危険…見落としがちな“６つの異変”とは？

2025.5.27

普段あまり意識されることの少ない足の爪ですが、その放置が思わぬ健康トラブルを引き起こす可能性があります。「なんとなく痛いけど、まあいいか」と思っているそこのあなた、もしかするとその症状が深刻な問題を引き起こす前兆かもしれません。

今回は、医師からも要注意と指摘される足の爪トラブルとその正しいケア方法について紹介します。

足の爪トラブルの原因と予防方法

足の爪は手の爪と違い、見えにくいためにケアが疎かになりがち。代表的なものとして巻き爪や水虫（足白癬）が挙げられます。巻き爪は爪が内側に巻き込んでいく状態で、痛みを伴うことも。予防するためには、爪を正しい角度で平坦に切ることが重要です。足の爪は直線的に切りすぎず、少し丸みを帯びる程度に整えるのがポイントだとされています。

ただし、すでに巻き爪に悩んでいる方には、専門家による治療が必要になります。例えば、皮膚科や足の専門クリニックでは、巻き爪用の矯正器具やレーザー治療などが行われています。いずれも痛みを和らげ、爪が正しく生えるように誘導するための効果的な方法です。

また、靴のサイズが合っていなかったり、長時間の圧迫が原因で爪が損傷を受ける場合もあります。特に女性のヒールやサイズの合わない靴はトラブルを招くことが多いです。自分に合ったサイズの靴を選び、負担を軽減する工夫をすることが大切です。

まだまだ潜んでいる足の爪の変化

前述のトラブル以外にも大きな病気が潜んでいることも。実は糖尿病になると爪にも影響があらわれることがあります。

気をつけたいのは爪白癬（つめはくせん）という、白癬菌というカビの一種が爪に感染することによって引き起こされる病気。この白癬菌は、湿気の多い場所を好んで繁殖する特徴があります。これは糖尿病の初期症状としてあらわれる場合があります。また、巻き爪や爪肥厚（そうひこう）という、爪が厚くなった状態で割れたり剥がれやすくなる状態も糖尿病の初期症状である可能性があります。

また、スポーツをする方は特に注意が必要です。運動中の激しい動きや摩擦が爪に負担をかけ、トラブルを引き起こしやすくしています。たとえば、長距離ランナーは「ブラックネイル」として知られる足の爪の内出血問題に悩むことがあります。これらは、適切なシューズ選び、定期的な爪のチェックなどで予防できます。

その他として、ジェルネイルをリムーバーで除去した後等で、爪甲（そうこう）を傷つけてしまったり、はがししてしまったところが緑色に変化することがあり、「グリーンネイル」と呼ばれています。この場合、緑膿菌感染が疑われます。

正しいケアでトラブルを未然に防ぐ

足の爪トラブルを防ぐためには、普段からのセルフチェックと正しいケアが不可欠です。爪が厚くなっている、色が変わっている、または痛みがある場合には、早めに医師に相談しましょう。身近なトラブルと思って放置はNGです。

また、足の爪の変化以外にも何か変わったことはないかチェックし、適切な治療を受けましょう。

監修者：医療法人社団日進会院長、理事長
平岩亮一（ひらいわりょういち）

1995年、埼玉医科大学医学部卒業。2017年、医療法人社団日進会開設、にっしん皮フ科・形成外科開業。今年で開業20周年。所属学会（日本形成外科学会他）。平成28年より【生体皮膜剤】【痒み防止剤】にて日本・アメリカフランスを含む13件の特許を取得し現在に至る。