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医師「注意が必要です」→ 『爪の反り上がり』は放置しないで! 意外と見落としがちな“病気のサイン”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

爪が反りあがったり、変わってしまったことはありませんか?「そんなこと気にしたことなかった」と思う方も多いかもしれませんが、実はこれ、あなたの体が何かを訴えているサインかもしれません。

特に、「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態の場合は注意が必要です。
今回は、その症状や原因、そして対策についてわかりやすく解説します。

鉄欠乏性貧血とは?

さて、「鉄欠乏性貧血」とはいったい何でしょうか?

この状態は、血液中の鉄分が不足することによって引き起こされる貧血の一種です。

鉄は血液の中で酸素を運ぶ重要な役割を果たすヘモグロビンを構成する重要な成分です。鉄が不足すると、体内の酸素運搬能力が低下し、疲労感や息切れなどの様々な症状が現れます。そしてそのサインの一つが、爪の変化なのです。

この貧血によって、爪が薄くなったり、硬度が落ちたりすることがあります。結果として、爪が反り返ったり、スプーンのような形状になることがあります。この状態を「匙状爪(スプーンネイル)」と呼びます。単に見た目の問題ではなく、体からのSOSの1つなのです。

鉄欠乏性貧血の原因と症状

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

鉄欠乏性貧血の原因は多岐にわたります。

一般的には、食事からの鉄分摂取が不足している場合や、胃や腸の吸収不良が影響していることが多いです。また、女性の場合は月経による鉄の喪失が原因になることもあります。

では、具体的にはどのような症状が現れるのでしょうか?先述した爪の変化以外にも、疲れやすさ、顔色の悪化、動悸、めまい、頭痛、といった症状が挙げられます。「何だか体調が優れない」と感じる場合、単なる疲れかなと無視せず、貧血も疑ってみましょう。

特に症状が進行すると、日常生活にも支障をきたしかねないため、早期の対策が必要です。診断には血液検査が有効で、医師の診断のもとで適切な治療を受けることをお勧めします。

鉄欠乏性貧血の対策と予防法

では、鉄欠乏性貧血にならないために、どのような対策が必要なのでしょうか。

最も基本的な対策は、鉄分を多く含む食事を心がけることです。例えば、赤身の肉や魚、卵、そして大豆製品や緑黄色野菜、栗やアボカド、ラズベリー、ブラックベリー、梅、アセロラなどが鉄を多く含む食品として知られています。また、ビタミンCは鉄の吸収を助けるので、柑橘類や野菜を一緒に摂ると良いでしょう。

しかし、食事だけで十分に補えない場合もあります。そこで、必要に応じてサプリメントで補うのも一つの手です。これに関しては医師や栄養士に相談することをお勧めします。

日々の生活の中で疲れを感じたとき、まずは自分の体の声をよく聞きましょう。早期に自覚し、対策を講じることで、元気な生活を取り戻すことができるはずです。

日々の変化に注目して健康を守ろう

爪のささいな変化が、「鉄欠乏性貧血」という重大なサインかもしれないことを知りました。体の変化に注意を払い、必要な時には適切な対策を取ることが大切です。食生活の改善や、場合によっては医師の助言を受けながら治療を行うことで、健康的な生活を送りましょう。

日常の中で、体からのSOSに気づいてあげられるのは、自分自身です。ぜひ自分の体の声に耳を傾け、健康を守る第一歩を大切にしてください。


監修者:医療法人社団日進会 院長、理事長
平岩 亮一(ひらいわ りょういち)

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1995年、埼玉医科大学医学部卒業。2017年、医療法人社団日進会開設、にっしん皮フ科・形成外科開業。今年で開業20周年。所属学会(日本形成外科学会他)。平成28年より【生体皮膜剤】【痒み防止剤】にて日本・アメリカフランスを含む13件の特許を取得し現在に至る。